− Vol.5 −
ビジネスの競争力や生産性向上の
武器として利用が拡大するモバイル
パーソナル、ビジネスを問わずユビキタスな情報通信端末として利用が急拡大しているのがモバイルです。外出先から社内システムにアクセスして顧客情報を入手したり、商品の受発注を行うなど、企業の競争力強化や業務の効率化に不可欠なツールとなっています。携帯端末・サービスの高度化と低価格化などを背景に、高速・大容量のデータ通信が可能な第3世代(3G)携帯電話サービスの加入者も急増しており、さらなる拡大が見込まれています。そこで今回は、モバイル社会を担う携帯電話の動向を概観します。
業務のスピードアップや顧客満足の向上など多くのメリットがある高度情報通信ネットワーク
いつでも、どこでも必要な情報をやり取りできる――。このユビキタス社会のリード役を果たしているのが、ブロードバンドとモバイルです。総務省の「電気通信サービスの供給動向調査」によれば、2004年12月末現在の携帯電話の契約数は8,548万を数え、前年比で約7%の伸びを示しています。このうち 3G携帯電話の加入数は2,569万で、前年同期に比べて1,190万の増加となり、従来の携帯電話(2G)から、より高度な使い方が可能な3Gへの期待の高さがこの調査結果からも見て取ることができます(表1参照)。
表1:3G携帯電話サービスの契約数の推移
携帯電話は単に通話の「道具」ではなく、モバイルインターネットに代表されるように、ビジネスに欠かせない情報をやり取りする「武器」へと変わってきています。総務省が2004年2月に実施した「企業のユビキタスネットワーク利用動向調査」(回答数407)によれば、モバイルなどの高度情報通信ネットワーク環境が企業に与えるメリットの有無について、73%が「ある」とし、そのメリットとして業務スピードの向上(83%)、従業員の労力の軽減(49%)、顧客満足の向上(30%)、業務コストの削減(29%)などを挙げています。
また、携帯端末に対応したモバイルコマース、コンテンツ販売などのB to C(企業対消費者)や、メルマガによるキャンペーン、アンケート調査などの販売促進活動も活発化しており、既にB to Cでは46%、販売促進では28%が実施していると回答。そのメリットとして、商品・サービスの販売・提供チャネルの拡大、購買者・サービス利用者の増大、時間を気にせず商品・サービスの提供が可能、リアルタイムの情報提供・収集が可能といった内容を挙げています(出典:「情報通信白書」平成16年版)。
ビジネスにおけるモバイルの意義は、社内、外出先、自宅を問わず自在に情報を活用できること、つまりアクセスの制約をなくすことにあるといえます。例えば取引先を訪問する場合、携帯電話やPDA(携帯情報端末)から社内サーバーにアクセスして顧客データや取引の履歴などを参照することができれば、スムーズな営業活動が行えます(図1参照)。取引先で商品の発注を受けた場合にも、その場で在庫や納期を確認し、即答することが可能です。帰社後に商品の在庫などを確認した後、顧客へ改めて電話連絡するケースに比べ、どちらがビジネス・チャンスを逃さず、顧客満足の向上に役立つかは言うまでもないでしょう。
図1:メールや営業支援ツールとして利用される携帯電話










