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ネットワーク基礎講座

− Vol.1 −

情報システムの導入、運用に欠かせない
最新動向の把握が重要に

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 IPネットワークやブロードバンドネットワークの急拡大などを背景に企業ネットワークが変貌しています。コンピュータとネットワークの融合が言われて久しく、これまで主に社内のコンピュータシステムや各種アプリケーションの導入・運用を担っていた情報システム担当者も、ネットワーク技術を理解しておくことが重要になっています。そこで、本企画では6回にわたり、ブロードバンドネットワークやVoIPといったキーワードを基に、ネットワークの基礎や最新動向を紹介します。通信技術・サービスの動向を把握することで、自社の新たなコンピュータ・ネットワーキングのあり方も見えてくるはずです。



各種システムを有機的に結びつけ、最良のサービスを提供するネットワーク

 インターネットに代表されるネットワークが爆発的に普及し、社会基盤となった現在、ビジネスや生活に必要なあらゆる情報、サービスがネットワークを介して提供されるようになりました。例えば、日本人選手が大活躍したアテネオリンピック。表彰台に誇らしげに立つ選手たちのデジタル写真はインターネットを介して瞬時に日本に送られ、朝刊の一面を飾ることができます。

 また、マスコミ各社のWebサイトでは、選手たちの活躍ぶりを伝える記事がタイムリーに更新されるなど、かつて速報性ではテレビにかなわないといわれていた新聞の役割も、ブロードバンドネットワークなどITの技術革新とともに大幅に変化しました。

 こうした変化は、もちろん報道分野に限ったことではありません。変化は、製造、流通、教育、医療、行政などあらゆるビジネス分野に及び、ITを自社のビジネスにどう活かしていくかが、企業にとって重要な課題の1つになっています。そして、企業では絶え間ない業務効率の改善と生産性の向上、競争力の強化が求められ、ネットワークの役割は大きくなる一方です。そのため、ネットワーク技術者のみならず、コンピュータシステムやアプリケーションの導入・運用に携わる情報システム担当者もネットワークの最新動向を的確に把握しておかなくてはならないのです。

 現在、企業には基幹業務系システムから情報系システムまで多種多様なシステムが導入されています。ネットワークの役割は、それら各種システムを有機的に結びつけ、エンドユーザである社員や取引先・顧客に最良のサービスを提供するための大動脈となること。例えばグループウェアを用いて社内で容易に情報共有・交換が行える環境(サービス)を提供するのもその1つ。また、メールにはテキストだけでなく、大容量データのプレゼンテーションファイルや画像などを添付できるようにすれば、先方に、よりわかりやすく内容を伝えることも可能となります。



全社レベルでITの利活用を革新するブロードバンドネットワーク

 従来のナローバンド(狭帯域)ネットワークでは困難だった大容量データの送受信も、ブロードバンド(広帯域)ネットワークの登場により容易に実現できるようになりました。電話回線をそのまま利用できるADSLや光ファイバを用いたFTTHなどのブロードバンドネットワークのインパクトは、企業規模を問わず、中小規模の企業やSOHO、遠隔地の小規模拠点などのIT利活用を革新することにあるといっても過言ではありません。

 従来、本社・支社などの主要拠点間に専用線やフレームリレーなどを用い、数Mビット/秒のネットワークを導入していた企業でも、リモートの小規模拠点は通信コストやトラフィックの面から狭帯域のISDNなどの回線を利用するケースが一般的でした。基幹データのみをやり取りしていた頃には、それほど問題視されなかった、この低速・狭帯域のネットワークですが、全社的な各種業務システムや情報系アプリケーションの導入により、ネットワークのボトルネックが顕在化するケースも少なくありません(図1参照)。

図1 狭帯域のネットワークがボトルネックに

 わかりやすい例をあげましょう。ある企業では、業務の効率化や情報共有の促進を目指してグループウェアやワークフローなどのシステムを導入しました。そして、稟議書を提出する場合、本社サーバから定型ファイルをダウンロードして稟議書を作成、送信する仕組みにしたそうです。しかし、小規模拠点のネットワークが狭帯域だったことから、ファイルのダウンロードに時間がかかり、かえって業務を停滞させる要因になってしまったのです。この企業では、この後、全社にブロードバンドネットワークを導入することで、各種システムを利用しやすい環境を整備し、当初の狙いであった業務の効率化などを実現しました。



分散システムから集中システムへの移行を容易にするネットワーク

 企業ネットワークをどう構築するかは、情報システムの導入、運用とも大きく関係しています。以前のように広帯域のネットワークが高価で利用しにくく、狭帯域の企業ネットワークを余儀なくされていた時代には、分散システムの形態が少なくありませんでした。この場合、情報システム担当者は、全国に散在する主要拠点に各種サーバを設置し、その導入コストや運用管理コストを含めた費用対効果を見極めながら、システムを管理していたのです。これでは、コストの問題に加え、管理者のいない拠点のサーバにトラブルがあった場合には、わざわざ本社などから足を運ばなくてはなりません。

 こうした分散システム環境も、高速アクセスが可能な前述のブロードバンドネットワークの導入により、本社に全サーバを置き集中管理することができるようになりました。集中型のシステムを構築し、サーバの保守や障害時にも本社の情報システム部で迅速に対応でき、可用性、信頼性の高いシステム運用を可能にしている企業は少なくありません。

 ある企業では、全国の拠点に分散配置していたメールサーバをブロードバンドネットワークの導入とともに、本社で一元管理する仕組みに変更しています。本社では新たに高性能なサーバを導入するコストが発生しましたが、各拠点のメールサーバの設置コスト、運用コストが不要になることで、TCO (Total Cost of Ownership)の削減が可能になりました。もちろん、メールの送受信のみならず、他のアプリケーションについても、高速かつ快適にやり取りできるようになったことは、いうまでもありません。


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