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みんな地球の家族

− 第5回 −

時が止まった町(キューバ) (2008年2月25日公開)

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赤い半円瓦も時を経てくすんだ。時代に置き去りにされたようなコロニアル・シティ、トリニダーの町角。17〜18世紀のままの石畳の道は中心に向かって傾き、雨を集める。トリニダーを「石畳の町」という人もいる。1998年、すぐそばのロス・インヘニオス渓谷とともに世界文化遺産に登録された。

 首都ハバナからバスで約5時間、海の近くに発達したキューバ最古のコロニアル・シティ、トリニダーに着いた。この町は17、18世紀に砂糖貿易などで栄え、富が蓄積されて発達した。1950年代後半のキューバ革命以後約半世紀の間、ほとんど手を加えられずに放置されていた。

 町を歩くと石畳が不揃いで、靴の裏の感覚で何百年も前の時を踏んで歩いているような気分になる。すれちがう車も1950年代やそれ以前のアメリカ車だ。そんな光景の中にいると時間が昔に戻ってしまったかのように感じる。こんな時間を超越したような町は、世界中を探してもそうあるものではない。


 花嫁が結婚衣装を披露しながら道を行く。参列者が家庭用ビデオで結婚式の記録を撮っている。1950年代にアメリカで製造されたと思われるオープンカーは現役だ。半世紀前のオープンカーでの行進は古い映画の撮影かと思うが、これがキューバの現在なのだ。


 パステルカラーの家に入ると意外に奥が深い。トリニダーの家の奥には京都の町屋のような坪庭がある。小さな庭には木が植えられ、鳥かごなどがぶら下げられている。タイルがきれいに並べられた床を笑顔で掃除し、椅子やテーブルなどを出してくつろぎの空間をつくり、皆で生活を楽しむ。

 あけっぴろげで自由な空気の漂うカリブ海沿岸の町を散策すると、こちらの心も軽やかになる。

 

写真家:小松義夫


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