− 第3回 −
スラウェシの舟造り(インドネシア) (2007年10月15日公開)

スラウェシ島は蜘蛛のような、またはKの字を少し変形したような形をしている。インドネシアで四番目の大きさの島だ。

南スラウェシは米どころとして知られているが、南端の海岸線には舟と共に生きてきた人々の村が点在している。タナベルは舟を造る村、ビラは船乗りの村、アラは舟大工の村だ。このあたりでは約9割の人が舟造りと関係する仕事をしている、という。

タナベルの浜には造りかけの木造船が何隻も並んでいる。この頃は山に木が少なくなり船を造る材料も不足がちだ。そんなわけで木材の大部分がカリマンタンから運ばれてきている。材料が調達されるまで浜に座るようにして待っている建造中の大型木造船の姿を見て、のんびりしていていいなあ、と思う。
300年ほど前、香料貿易の中継港が近くにあって、そこでヨーロッパ人と地元の舟大工が接触し現在インドネシア各地で盛んに使われているピニシと言われる大きな帆船が造られるようになった、という説がある。
浜に座って設計図無しで舟を造っている人々を見ていると、「匠の技」という言葉が頭に浮かぶ。彼等の身体には何百年も前からの舟を造るDNAが受け継がれている、と思う。
写真家:小松義夫










