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久保田 いま、会社でも家庭でも全般的に余裕がなくなってきていて、普段のコミュニケーションでも、会話の中身が恐ろしく偏ってきているんです。職場でだったら、仕事の話ばかりになって雑談をする時間がなくなっている。そういう状態が続くと、仕事以外の余計なことを話してはいけないような感覚が職場の人たちの間に生まれてきて、人と人の間に壁ができます。僕は職場で"呑みニケーション"をどんどんやればいいと思っています。呑んで心の内を吐露して、それを上司や同僚が「そうかそうか」と聴いてあげる・・・あれは「傾聴」になっていたと思うんです。そういう時に、「この先こうやっていきたいと思っているんですけれど」とか相談しますよね。組織の業績を上げる話ばかりでは、個々の社員がこの先どうなるのかが見えない。でも、社員にとってはそのことの方が不安なんです。だから、呑まないにしても上司は時間を設けて、部下一人ひとりの話を聴いてあげる時間を作ることが必要だと思います。自分のために時間を割いてくれるというだけでも嬉しいものです。
編集部 部下にとっては、上司は必ずしも話しやすい存在ではないかもしれませんね・・・
久保田 コミュニケーションを部下の立場から考えるなら、まず、「上司の人格は変えられない」ということは受け入れなくてはいけません。その上でどういう関わり方をしたら仕事がしやすくなるのかを考えていきます。例えば、近寄っていく時、恐れながら行くか、笑顔で行くかというだけでも違う。一歩、一歩近づいていくほどに肩の力が抜けていき、顔を合わせた瞬間にはとてもリラックスしていて気持ちよく話せた-そんなイメージトレーニングをしてみます。そして、実際に笑顔で上司の前に立ってみたら、いつもは苦虫をかみつぶしたような顔の上司がなんかビミョーな表情をしている・・・(笑)。変化は、まずはそんなちょっとしたところから始まります。
高畑 これは同僚との関係でもそうですが、苦手な相手とコミュニケーションをしなくてはならないときは、相手の嫌じゃない部分に気持ちを集中するように心がけるといいですね。仮に、相手の嫌なところが8、そうじゃないところが2しかなくても、思考には増幅させる力がありますから、2の部分に光を当てて考えていくと、どんどん2の部分が大きくなって、最後には8の部分を上回ってしまいます。
久保田 これもよくやる方法ですが、相手のこれまでの人生を考えさせるのも有効です。いつもむっつりしていてほとんど会話しようとしない人がいるとします。この人はどういう人生を歩んできたんだろう-お父さんは? お母さんは? どんなことを親から言われて育ったのかな? などと想像して遊ぶんです。それで、「こういう人生を歩んできたなら、今こんな人間なのはわかるなぁ」と思えたら、その人との距離感が少しだけ縮まります。そうしたら、今度は実際に話をしてみるんです。1時間でいいから仕事以外の話をしてみる。自分の歩んできた人生を話してみる。相手の言うことも当然、受け入れます。自分が相手に興味をもって接すると、相手の態度もきっと変わってきます。 |