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トップマネジメントメンタルトレーニング第3回
ビジネスパーソンのためのメンタルトレーニング
ビジネスパーソンのための メンタルトレーニング 第3回 高ストレス時代を強く生き抜く心をもつ Part2:解説 仕事でストレスを感じてしまう本質的な原因を考える
スポーツ・メンタルトレーナー 高畑好秀  Profile 
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結果を残すことより課題に挑戦したい中村選手

 今や海外のフィールドでプレーする選手が野球やサッカーを中心にして増えてきています。その一人であるサッカーの中村俊輔選手は、「Jリーグで中途半端にいいサッカーをするんだったら、他に行ってズタズタにされた方がいいと思うこともある。人は自分のおかれた環境レベルに自分を合わせようとする。厳しいところに行けば行くほど、レベルも上がって通じないことも多いが、自分をさらに成長させていくことができる」と海外移籍を果たす前に口にしていました。
 中村選手の心の中では、努力に見合った結果が欲しいという気持ちよりも、自分の課題を見つけるためにプレーしたいという気持ちの方が強いのです。突きつけられた課題を克服し、また新たな課題を見つけて、イメージを膨らませて練習していくのです。その積み重ねが彼をここまでの選手にならしめたのです。
 それは高校サッカーの全国大会、Jリーグ、そして日本代表として世界の強豪と試合を行う、といったように、サッカーをする環境レベルを上げながら、そのレベルに常に追いつこうとして自分のサッカーを高めてきた彼にしてみれば、課題の見つからない環境でサッカーを続けても、今以下にはなっても今以上にはならないと考えるのは当然のことでしょう。結果を残したいならJリーグでプレーするのがいいでしょうが、彼は自分のサッカーのさらなる進化には、より高い壁が必要だと考えたのです。

自分にとって一番大切な価値を見つけること

 プロスポーツ選手にとって、スポーツは仕事です。その仕事の中で自分が何を一番に求めているか、それを明確にできずにいるスポーツ選手は意外にも多いようです。「結果」「お金」「名誉」「やりがい」「成長」など、求めるものが多くなりすぎてしまい、頭の中が混乱してしまうのです。
 そうなると「自分は何のためにプレーをしているのだろう?」と迷いが生じてストレスになってしまいます。また、求めるものの何か一つ、二つが欠けてしまうと、そのことで心の中がイライラしてストレスになってしまうのです。お金は手にできたけれど、やりがいや成長を感じられなくなり、それがストレスになったり、結果を残したにも関わらず、それがお金に結びつかないとストレスを感じたりするのです。私はメンタルトレーナーとして、選手に「君は何のためにそのスポーツをしているのか?」と尋ねます。いくつか出てきた目的の中から一番大切に考えていることを一つ選ばせるようにしています。
 何か一つ。それを明確にさせて、それだけを追い求めるように導いていくのです。中村選手の場合であれば、それが自分の成長ということになるのです。お金や安定や名誉を求めるのであれば、ポジションの保証されたJリーグでプレーを続ける方が確実でしょう。これはあくまでも価値観の問題であって、正解、不正解はありません。お金が一番と考えてJリーグでプレーすることに決めたとしても間違いではないのです。あくまで中村選手の場合は成長を感じられない場所でプレーすることがストレスになるというだけのことなのです。
 これは多くのビジネスパーソンも抱える問題ではないでしょうか。自分が何を一番大切に考えてビジネスパーソンとしての生活を送っているのかを一度ゆっくりと自分の頭の中で整理してみてはどうでしょうか。もしお金が大事であれば、仮にいま行っている仕事にやりがいを感じられなくても「自分はとにかくお金を儲けることを大切に考えているのだから、割り切ろう」と自分に言いきかせるようにするのです。または、結果を求めるなら、「評価やお金に結びつかなくても、自分の一番に求める結果を残せたじゃないか」と言いきかせるようにするのです。

ストレスマネジメントの一番のポイント

 成功とは何でしょうか。それは、自分が一番に大切と考えることに挑戦し、それを継続していける、ということではないでしょうか。海外のフィールドに飛び出した選手の中には、年俸がダウンしたり結果を残せなくても自分の信じる道を貫き通している大リーグの田口 壮選手をはじめとして、一見すると他人が「そんな状態になるくらいなら、日本でプレーをしていたら良かったのに」とか「もう、日本に戻ってプレーをすれば良いのに」と評価を下してしまいたくなる選手が少なからずいます。しかし、他人から見たら失敗でも、本人にとってはそれが成功なのです。巨人からオリックスを経て大リーグに移籍した木田優夫投手は、「成功か失敗かは他人が決めるものではない。たとえ他人から見て成功に見えても本人にとっては失敗かもしれないし、逆に失敗に見えても本人にとっては成功かもしれない」と話をしてくれたことがあります。
 木田投手は大リーグに挑戦しようとする時に、周囲から大反対を受けました。中には「日本のプロ野球でプレーしていた方が将来も安泰だから」と助言する人もいたようです。これは多くのビジネスパーソンの方々の心の中にある一つの思いでもあるのではないでしょうか。大きく力のある企業グループに属していれば安泰という思いです。しかし、木田投手はその安泰の中にいることがストレスだったのです。それは少年の頃からの夢であるメジャーのマウンドに立つというやりがいが、野球をやる上での一番の原動力になるのを本人が自覚したからなのです。やりがいと安泰とを天秤にかけた時、大きくやりがいの方に傾いてしまうのです。だからこそ、挑戦し続けることに何のストレスも感じないのです。
 自分の人生は、他の誰のものでもなく自分のためのものです。他人の期待に過度に応えようとしたり、他人の敷いたレールの上を走ることを義務に感じてしまっては、大きなストレスになってしまうはずです。人生に対して自分が強く求めることと、それに対する信念さえしっかり持っていれば、その時々で自信は揺らいでも大きくブレてしまうことはないはずです。ストレスマネジメントの一番のポイントは、ここにあるように思えます。その信念に従って行動していれば、それ自体が必ず大きな楽しみになっていくことでしょう。そして、信念に基づく挑戦は、努力でもなければ忍耐でもない、大変でもなければ苦労でもない??そんな新しい感覚に出会えるはずなのです。

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仕事でストレスを感じてしまう本質的な原因を考える
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