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トップマネジメントメンタルトレーニング第2回
ビジネスパーソンのためのメンタルトレーニング
ビジネスパーソンのための メンタルトレーニング 第2回 集中力を高めて、自分の能力を最大限に引き出す Part2:解説 集中力の種類とそのトレーニング法
スポーツ・メンタルトレーナー 高畑好秀  Profile 
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内的集中力を高めるにはポイントを絞り込むこと

 対談において、「集中力」が一つのキーワードとして登場しました。集中力というと、メンタルな印象が強いですが、心だけでなく体も最高の状態でコミットさせる一つのスイッチのような役割を果たしていると言えます。
 そこで今回は、集中力にテーマを絞ってお話を進めていこうと思います。集中力という言葉自体は、スポーツ界のみならずビジネス界でもよく用いられます。では、集中力とはなんですかと質問されたら、答えられない方が多いのではないでしょうか。
 集中力は大きくは、内的集中と外的集中とに二分されます。内的集中とは、心の内側に向けられる集中で、スポーツであれば試合そのものに雑念を入れずに集中し続ける集中力のことをいいます。試合中に「今日は観客の入りが少ないな」「今日はどこへ飲みに行こう」「そう言えば、今日は子どもの誕生日だ」などと雑念が浮かんでしまうと、心のベクトルが分散してしまい、試合という一つのことだけにベクトルを集中させられなくなってしまいます。
 この内的集中力を高めるためには、心の中に向けるべき一点を作り出すことが大切です。その一点、つまりベクトルを向ける対象を、試合全体のような大きなものではなく、試合の中の一つのプレーの、さらに一つのポイントという具合にグッと狭めていくのです。
 オランダ・フェイエノールトでプレーする小野伸二選手は、試合開始から終了までの時間、常に自分に回ってくるチャンスの場面をイメージし続けています。このイメージなしにプレーしていると、試合中、突然現れるビッグチャンスに、一瞬気後れしてしまい、「うわぁ、どうしよう」と頭の中がパニックになってしまうことになります。
 すると集中力が切れてしまい、的確な状況判断ができなくなってしまうのです。小野選手がチャンスの場面をイメージし続けるのは、自分の心の中でチャンスに対していつでも万全の準備を行っているということなのです。例えば自分が直接絡まない、他のチームメイトのプレーでも、そのチームメイトに自分を投影して、「自分ならこのチャンスには、こうドリブルして、こうパスを出す」というイメージを描くことで、急に目の前に現れるチャンスを確実にモノにできるのです。小野選手は試合中でも、チャンスというポイントの絞り込みを行うことで、内的集中力を高めているのです。

外的集中には一点集中と分散集中がある

 次に外的集中です。外的集中とは、視力などを通して外部に向けられる集中です。内的集中のベクトルが内側に向けられるのに対して、外的集中はベクトルが外側に向けられるイメージです。この外的集中はさらに一点集中と分散集中に分けられます。一点集中は、ボールやパスする相手など一点に視点を集中させることで、分散集中は、周囲全体に幅広く意識を向け、短時間のうちにより多くの正確な情報をキャッチするための集中を意味します。
 元ニューヨーク・メッツで、現千葉ロッテの小宮山悟投手は、まずマウンド上でキャッチャーミットが構えられているポイントからボールの軌道を逆算的にイメージしています。次にその軌道上で、自分の投げる位置から30〜40センチくらいのところに一つのポイントを決めます。そして、そのポイントをめがけてボールをリリースしているのです。
 そのポイントをボールが通過すれば、自然にボールは自分がイメージしたキャッチャーミットまでの軌道に乗っていくと言います。それはちょうどボーリングをする時に、レーンにある近くの印を見て投げるのに似ています。近いポイントであれば視界に入る余計なものも少なく、そのポイントの一点だけに集中しやすいということなのです。
 今お話しした例がスポーツにおける一点集中に当たります。私が選手によく行うトレーニングにも、ボールペンを目から30〜40センチ離したところに持ち、そのペン先に視点を集中させるという方法があります。しっかりと集中力が高まってくると、ペン先だけはクッキリと浮かび上がったように明確に見え、その背景は逆にボンヤリと不明瞭になっていきます。これは簡単な方法なので、毎日少しの時間でもよいので実践してみてください。
 もう一つの分散集中のトレーニングとしては、大きなスライドに瞬間的に写真や絵などを映し出します。そして、そこに映し出された情報をどれだけ多く、しかも正確にキャッチできるかをトレーニングしていくものです。もちろん最初は簡単な写真や絵からスタートして、映し出す時間も少々長めにします。そして、慣れてきたら、情報も複雑にし、映し出す時間も短縮していくようにするのです。
 さらには、瞬間的な動画を映し出したりもします。人間の視点は動くものにつられて反応しやすくなっています。そのため最初のうちは映し出された映像の中で、動いているものに関しては正確に情報をキャッチできるのですが、逆に静止しているものに関しての情報が欠如してしまったりします。そこで、トレーニングを重ねることで、動静問わずすべての情報をキャッチしていけるようにするのです。
 最後は、一点集中と分散集中の切り替えのスピードと正確性を高めるトレーニングを行います。基本的に一点集中と分散集中とは、集中力の質が違いますから、前に行っていた集中力の余波のようなものが残ってしまい、前の集中の仕方を引きずってしまうケースが多いのです。ボールペンで一点集中をしっかり作った後に、パッとスライドを見せるといったことも簡単に行える方法でしょう。
 集中力についてお話を進めてきましたが、これはなにもスポーツに限ったことではなく、ビジネスにおいても重要なことです。例えば、日々、目を通す新聞、雑誌、インターネットなどから、限られた時間でどれだけ有用な情報をキャッチできるか。あるいは、客先での会話にどれだけ感度の良いアンテナを張ることができるか、などなど。情報過多で、状況が絶え間なくスピーディーに変化する今日のビジネス社会においては、この集中力は欠かせないビジネススキルとなるのではないでしょうか。

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コンテンツ一覧
集中力の種類とそのトレーニング法
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第4回
メンタルトレーニング流
コミュニケーション能力の基本となる3つのポイント


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