 |
| 左脳と右脳 |
次に大切にしたのが、セルフイメージです。右図の通り、人間には右脳と左脳があり、右脳はイメージ、左脳は言葉や論理を司っています。プラス思考が言葉による左脳への働きかけであるなら、プラスイメージによって右脳への働きかけも重要になってくるのです。
そこで、その選手には一日10分でいいから目を閉じて、打者のインコースへスピードとキレのあるボールを放っている自分を毎日イメージするように伝えたのです。それと合わせて、実際にマウンドに立つ時は、練習であろうと試合であろうと、インコースに放る前にはマウンド上でしっかりとイメージを作らせてから放らせたいのです。
イメージにしたからどうなるの、という声が聞こえてきそうなのでお答えしておきます。人間は自分がイメージした通りに生体反応が現れます。わかりやすい例としては、目を閉じてレモンをかじっている自分をイメージしてみてください。そうすると実際にレモンをかじっているわけでもないのに、口の中に唾液が溢れてくるでしょう。野球選手を寝かせて目を閉じさせ、バッティングをしているイメージを描かせると、実際にバットを振っているわけでもないのに、バッティング時と同様の筋反応を筋電図によって測定できます。
またマラソン選手に走っている自分をイメージさせると、そのイメージによって心拍数の上昇や発汗作用が測定されるのです。このように何かを自分がイメージしている時というのは、自分では気づかずにいるだけで、体の中ではイメージ通りの生体反応が出ているのです。これはスポーツの世界だけでなく、医学の世界でも証明されているのです。
アメリカで、ガン治療のパイオニアとして知られるカール&ステファニー・サイモント夫妻は、従来の薬物療法の他にイメージ療法も取り入れて大きな効果を上げています。ガン細胞と闘う姿をイメージする療法で、自分の白血球やキラー細胞をイメージして、それらがガン細胞を殺していく姿を毎日思い描くのです。そうするとガン細胞がなくなっていくというのです。
またボストンにあるベス・イスラエル病院の医師ハーバート・ベンソン博士は「高血圧症の患者は、リラックスを誘うようなことをイメージして、血圧を下げることができるようになる」と述べています。ほんの一例にすぎませんが、医療の現場でもイメージの効果が認められ、さまざまな形で取り入れられているのです。
|