− 第6回 −
人々が自律的に移動できる街づくりを、ユビキタスネットワークが実現する
技術の公開と産官学民の協力がプロジェクト成功のカギ
「全国を網羅するには、10年ぐらいは掛かるだろうと考えています。そこで、普及の機運を高めていくためにも、これから2年ほど掛けて実証実験を行い、その中で、シームレスに北海道から沖縄までをつなげるための統一仕様を策定していく計画です」(坂村氏)
これだけ大規模なインフラ整備を世界に先駆け最初に実践するのは、リスクもあれば、さらなる研究の必要もあり、費用も掛かる。そのため、得た知見はすべて公開していく方針だ。プロジェクトの早い段階から技術を完全にオープンにすることによって、得られるフィードバックも多くなり、新たな活用の仕方やシステムの改良点などが豊富に出され、普及にも弾みがつく。
加えて重要なのが産官学民の協力だ。「日本中の道路にコンピュータを埋めていくのは民間だけでは不可能です。今回、国土交通省が積極的に取り組んでいますが、まずは国がリスクを負うべきです。インターネットも米国国防総省の研究から始まり、学術分野で発展し、現在のように、企業から個人までが利用するまでになりました。自律的移動支援の仕組みも同じで、技術が公開されているので、官も民も同じ技術を使えます。そして、企業の協力を得ながら、学は知見を与えるために、さらに研究に励む。最後に、いずれにも属さないボランティアや市民によって、その地域に住んでいる人しか知らないような、その場所に関連するコンテンツを積み上げていく。こうした積み重ねによって、街中がホームページになるような豊かなインフラができると考えています」(坂村氏)











