− 第6回 −
人々が自律的に移動できる街づくりを、ユビキタスネットワークが実現する
ユビキタス・ネットワークを活用して、人々の自律的移動を支援
このように、多くの人々が様々な生活シーンで抱える移動の制約を解消しようという試みが「自律的移動支援プロジェクト」だ。このプロジェクトでは「すべての人が持てる力を発揮できる社会システムを目指す」というスローガンのもとに、ユビキタスネットワークを活用して移動制約を軽減しようとする。その自律的移動支援のイメージは、次のようなものである。
まず、出発前には、自宅で目的地までのバリアフリールートなどの事前情報を、道路から鉄道、バスに至るまでシームレスに入手できるようになる。そこでは、エレベーターの設置個所など目的地までの細かな情報と共に、急な道路工事の情報などリアルタイムのバリアフリー情報を、あらかじめ確認できるようにする。また、移動途中に事故などで電車が不通になった場合は、携帯端末を通じて、急な振替輸送の情報などを入手することができるようになる。
その上で、目的地付近では、駅の情報センターに行けば、携帯端末を介して、日本語だけでなく、様々な言語による乗り換え情報を入手することができる。さらに、歩道を歩いているときには、道路や建物、標識に設置されたICタグやチップと、歩行者が持つ携帯端末により、目的地までの経路が案内され、曲がり角などを確実に知らせてくれる。そして、目的地の正確な場所や入り口も音声や振動で案内してくれる。加えて、レストランでの点字メニュー案内などの情報も歩行中に得られるようになる。
さらに、こうした仕組みはユニバーサルなシステムによって、できるだけコストをかけずに構築され、持続的なサービスとして提供していくことが求められる。全国共通のシステムによって、サービスが提供されれば、遠くに行く場合に、仮にダイヤが乱れても、乗り継ぎ時間や到着時間を的確に知ることができる。また想定していない駅でも、スムーズに乗り換えることができる。さらに、地域住民の協力を得て、その場所の歴史や過去の風景画像をはじめとした、その地域ならではの情報提供も可能になる。こうした情報はその土地を訪れた旅行者に印象深い記憶や体験として残ることは確実である。
このようにして、障害を持つ人だけでなく、高齢者や日本語がわからない外国人、そして、すべての人々にとって役に立つ移動が可能となるのだ。











