− 第5回 −
つながるデジタル家電で広がる新しいライフスタイル
メディアの大容量化で、機器の小型化がさらに進む
リムーバブルメディアなどを用いたネットワーク化はさらに広範なエリアで進むだろう。今後は、SDメモリーカードを使った白物家電の新しい利用法も生まれるかもしれない。あるいは、第3世代の携帯電話では、すでにSDメモリーカードやminiSDカードに対応した機種が広がってきている。携帯電話がホームネットワークにつながることで、様々な可能性が広がる。また、携帯電話は外部からホームネットワークにアクセスする際のデバイスとしても重要。外出先で携帯電話を使って、家庭内に設置したセキュリティカメラの映像を確認するといった使い方はすでに実現している。
第2ステップのホームネットワークを担う機器も、すでにいくつか登場している。その一つが、アップルコンピュータの「AirMac Express」。この無線LAN機能を用いることで、配線なしで家庭内にある複数のデジタル機器をネットワーク化することができる。例えば、同社の提供する音楽ライブラリー、iTunesから気に入った音楽をPC上で選び、それを隣の部屋のオーディオセットで音楽を聴く。あるいは、複数のPCで1台のプリンターを使うといった利用法もある。
PCやデジタル家電などを連携させるための規格づくりも進められている。その一つが、異なるメーカー間の機器でコンテンツを共有するための方式を検討しているDLNA(Digital Living Network Alliance)。DLNAが目指しているのは、隣室のPCに保存してあるDVD映像を、リビングルームのDVDプレイヤーを操作してテレビで楽しむといった環境を、面倒な機器の設定なしに実現すること。異なるメーカーの機器がLANを通じて自在に連携するというホームネットワークである。
これまでもLANによるPCとDVD機器などの連携は可能だったが、異なるメーカーの機器をスムーズにつなぐことはできなかった。DLNAはそうした状況に風穴を開けようとしている。NECの「MediaGarage」やソニーの「Do Vaio」など、すでにDLNAの通信方式を実装したメディア総合ソフトも登場している。
また電話やPC、テレビなど、複数のデジタル家電の異なるサービスを、相互に連携して制御する技術も生まれている。NTTの開発した「ホームサービスハーモニー」は、単なるデジタル家電機器の遠隔集中制御を超えて、居住者個々人にとって快適となるように、複数の異なるサービスの調和を図ろうとするものだ。例えば、ビデオを見ている最中に電話がかかってきた場合、電話の発信者に応じて、ベルを鳴らさずに留守番電話につないだり、電話を鳴らすと同時にビデオ再生の音量を下げたり、一時停止させたりすることができる。
さらに、第3ステップのユビキタス社会においては、IPv6技術などによってホームネットワークにつながる機器の領域も飛躍的に拡大するだろう。そこは、あらゆるデジタル機器がネットワークを介してつながる世界。携帯電話からの指示で自宅のエアコンを操作する、あるいは施錠を確認するといった使い方も一般化するかもしれない。
このような取り組みを行っている一つが、関西電力の「情報住宅プロジェクト」。このプロジェクトでは、IPv6ネットワークを活用することにより、家族一人ひとりがそれぞれのニーズや行動に応じて、情報やサービス、情報機器を簡単に利用できるインテリジェントな住宅を研究、開発している。コンピュータが家族それぞれのライフスタイルを考慮し、住宅に組み込まれた情報端末のボタン操作だけで、さまざまな電化製品などの宅内機器、住宅設備、宅外のサービスなどを利用できるような情報住宅を目指している。
近い将来、今は想像できないような新製品が生まれ、新しいライフスタイルを提案してくれるに違いない。
(2004年8月2日掲載)











