ページの先頭です
本文へジャンプする
ビジネスに役立つ「次の一手」をあなたに
Wisdomブログ
ビジネス用語辞典

ここからサイト内共通メニューです

ここから本文です
サイト内の現在位置を表示しています

ユビキタスライフ

− 第4回 −

高スキルのテレワーカーが活躍する環境をユビキタス・ネットワークが実現する

4/4ページ     << 前のページへ     1  2  3  4    

PDFで印刷

ユビキタス・ネットワークの拡大が個人の選択肢を増やす

 デジタルフォレストのほかにも、ネットワークインフラの整備がテレワークの拡大を後押ししている例は多い。

 高知県と同県内の49市町村が、2003年から取り組んでいるバーチャルコールセンターの実証実験もそのひとつ。住民から自治体への問い合わせ電話や電子メールを在宅オペレーターに振り分けるシステムを構築し、オペレーターはADSL回線を利用したIP電話で住民の質問などに答える。オペレーターは通話しながら、PC画面上で想定問答データベースを参照することもできる。

 また、奈良県生駒市に本社を置くワイズスタッフは、全国、さらに海外にも散らばる在宅ワーカーをネットワーク化して企業のホームページ制作や編集、インターネットによる調査などの事業を行っている。デジタルフォレストと同様、ワイズスタッフでの案件ごとに最適のプロジェクトチームを編成するというスタイルを採用している。

 今後日本でテレワークを拡大するには、ネットワーク環境の一層の整備はもちろんだが、個人の多様なワーク・スタイルを支える法律などの社会的な基盤作りも欠かせない。会社が社員を管理することを前提とした制度にも、見直しが必要だろう。ナレッジ・ワーカーにとって快適な環境をいかに確保するかは、個々の企業のみならず日本の社会・経済にとっても重要なテーマである。

 一つには、少子化の流れをいかに食い止めるかという大きな課題がある。出産のためにやむなく職場を後にするナレッジ・ワーカーがいる一方で、仕事を優先して子供を持たないという選択をする夫婦もいる。現状の社会の仕組みは、働き手に二者択一を迫っている側面がある。

 しかし、ワーク・スタイルに対する個人の希望は千差万別だ。フルタイムで働きたい人だけでなく、世の中には経験を生かして1日数時間だけ集中して仕事をしたいと望む人もいる。後者のようにこれまでの仕組みではすくい取れない働き手のニーズに対して、テレワークは一つの解を提示している。

 テレワークが一般化すれば、育児をしながら自宅で3時間、5時間と時間を決めて働く人も増えるだろう。社会的には少子化の歯止めも期待でき、「働きたくても働けない」との不満を持っていた女性の労働力が開放されれば経済的な効果も大きい。それは、ユビキタス・ネットワークの拡大が個人の選択肢を広げるということでもある。

 もちろん、テレワークが適した分野とそうでない分野がある。

 一般に、テレワークが適しているのはモノではなく情報を扱う仕事である。扱う情報には大きく分けて仕事をする上で必要な情報(インプットする情報)と、成果物としての情報(アウトプットする情報)があるが、それらの情報全体の中でデジタル化できる部分が多いほどテレワーク向きの職種と考えられる。デジタル情報であれば、ネットワーク経由でのやり取りが容易だからだ。

 一方、ニュアンスを含んだ非定型情報はネットワークで伝えにくいことが多いが、だからといってテレワークに不向きと決め付けることはできない。先に紹介したコールセンターのオペレーターは、ネットワーク経由で言葉のニュアンスを汲み取りつつ仕事をしているはずだ。各種デバイスの進化やブロードバンドの進展によって、テレビ電話のようなアプリケーションが普及すれば、ニュアンスのこもったコミュニケーションもしやすくなるに違いない。その意味で、テレワークの適用領域は徐々に拡大するものと思われる。

 以上のような観点から見れば、プログラマーや研究者などのナレッジ・ワーカーはテレワークに適した職種といえる。先に紹介した例のように、困難なテーマにチームとして取り組む場合などには一定頻度のミーティングが必要なこともあるが、大半の仕事はテレワーク環境で行うことができる。

 付け加えると、製造業の中でも情報を扱う職種は多い。開発や設計、市場分析などの分野では、今後テレワークを導入する企業も増えるのではないだろうか。ネットワークインフラの発達は、全国の多くの地域において個人と企業がCADデータをやり取りすることさえも可能にしている。

 総務省によると、2002年に会社外で在宅勤務などをする労働者は285万人。2007年にはおよそ2倍になると見込まれている。そして、テレワーカーだけでなく、あらゆる人々をつなぐネットワーク基盤は、有線・無線の両面で着実に進化している。様々な分野で活動するナレッジ・ワーカーは、新しい時代に備えておくべきだろう。

※ 参考資料
コラボス社の取り組みについて

  • ・日経アドバンテージ2004.2月号96ページ

イーライリリー社の取り組みについて

  • ・日経新聞2004/1/30朝刊の特集より

(2004年6月28日掲載)


4/4ページ     << 前のページへ     1  2  3  4    

PDFで印刷

ID・パスワードをお忘れの方

記事のご意見を聞かせてください。

この記事はいかがでしたか?


ご意見・ご感想などをお気軽にお寄せください。

注意個人情報保護』、投稿に関する『要綱』に同意の上、送信ください。
注意お返事は差し上げておりません。
注意ご提供いただいた情報は、弊社における個人情報保護に準じた取り扱いをいたします。

このページで入力された内容は、暗号により保護された通信(SSL)でサーバに送られます。

ここまで本文です
ページの終わりです