− 第4回 −
高スキルのテレワーカーが活躍する環境をユビキタス・ネットワークが実現する
先端案件で重要性高まるメンバー間のコミュニケーション

株式会社デジタルフォレスト
代表取締役社長 猪塚 武氏
会社設立の当初は猪塚氏の郷里である香川県に本社を構え、大阪や名古屋、福岡などにも拠点を置いた。テレワーカーの居住地も札幌から福岡まで。「地方の連合体」を目指したのだが、このモデルはうまく機能しなかったようだ。
「どんな技術者もそうだと思いますが、スキルを向上させるのはOJTです。難しい案件を手掛けるうちに、個人のスキルもアップします。しかし、地方には先端案件があまりない。中小企業向けのシステム開発であれば、地方の連合体で対応できたと思いますが、この体制で大企業向けの開発をやろうとしたところにミスマッチがあった」と猪塚氏は振り返る。
また、先端案件の場合は特に、開発メンバー間のコミュニケーションが重要になる。システム開発の難易度が高ければ高いほど、メンバー間でアイデアを出し合い、議論しながら大きな課題を突破する方法を探る必要があるからである。
そこで、猪塚氏は本社を東京に移して、名古屋以外の拠点を撤収。テレワーカーの居住地も、東京周辺に集中するようになった。それは、現在週に1回程度のミーティングを行っているのだが、毎回遠隔地のテレワーカーが参加するのは難しいからである。
新しいビジネス・モデルに、試行錯誤はつきものである。もう1つ、大きな失敗があったと猪塚氏は語る。
「最初は案件ごとに手を挙げたテレワーカーに仕事を発注していましたが、すぐにこの仕組みでは品質が維持できないと気づきました。手を挙げた人が、スキルの高い技術者とは限らないですからね。そこで、誰に仕事を頼むかというところから、もう一度考え直すことになりました」
その結果、優秀な技術者に集中的に発注する現在の仕組みが出来上がった。100人弱のコア・メンバーの男女比はおよそ6対4。子育てのため、あるいは親の介護のため、自分のペースで働きたい、というように在宅勤務を選んだ理由は人それぞれだが、「みなさん本格派のプロフェッショナルです」。そう語る猪塚氏自身、経営者でありながら本格派プログラマーとしての顔も持つ。以前、子供連れで行ったディズニーランドで、順番待ちをしながら仕事をしたこともあるそうだ。ナレッジ・ワーカーにとって、仕事場が会社のオフィスである必要はないのである。











