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ユビキタスライフ

− 第3回 −

自分の医療記録がネットで見られる
〜医療の質を向上させる電子カルテ

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医師が診察してその場で入力家族が自由に電子カルテを閲覧


医師用の無線LANステーション

 八女中央病院は、整形外科やリウマチ科、内科を中心とした職員140人・ベッド数140床を擁する民間病院だ。ここは、電子カルテの導入など医療の情報化に先鞭をつけた病院として業界でも注目を集めている。

 そのことは診察室に入ってすぐに目の当たりにできる。医師のデスクにはパソコンのディスプレーが置かれており、患者も同じ画面をのぞき込んでいる。そして医師は診察をしながら所見や処方せんをキーボードで入力している。「キーボードが打てない年配の医師の場合は、紙に記入したカルテをスキャニングしてデータ化している」と、同病院の専務理事である中村英典氏は解説する。

 看護師や患者自らが処方を検査部門に持って行ったり、検査結果を取りに行ったりする姿はここにはない。患者がレントゲン検査や血液検査などを終えて再び診察室に戻ると、検査結果はすぐに画面に表示される。医師はその結果を確認して、今度は薬の処方や注射などの処置を行う。これらの診療内容のデータが会計部門に送られ、患者は窓口で精算するという流れだ。

 再診患者の場合は、以前とは別の医師であってもその患者の電子カルテを端末から呼び出せば、これまでにどういう症状で来院し、どういう診察・検査・処置をしたかなどの履歴が表示される。紙のカルテと違って、電子カルテの場合は文字の巧拙がないので、別の医師でもひと目で病状などの状況把握ができる。また、「『以前の腰痛の具合はいかがですか』と医師が尋ねることで、患者に安心感や信頼感を持ってもらえる」と、中村氏は電子カルテの"威力"について話す。

 この電子カルテは患者にも開示しており、いつでも自分の電子カルテを見ることができる。入院患者の場合は病室内のLANジャックに自前のパソコンを接続すれば見られるようになっている(※インターネット接続費は有料)。また、通院患者の場合は自宅など外部から見ることができる。いずれも閲覧希望者は窓口で書面にて申し込みをし、ユーザーIDとパスワードが付与される。入院患者、通院患者とも、同病院のホームページからそれらを入力することで閲覧が可能となる。

 患者が見られる情報は、セキュリティのために、名前や住所、生年月日など患者が特定される情報を削除した上で、電子カルテ開示用のサーバーに1日遅れでアップされる。医師の所見や処置・検査内容などが、項目別・日付別に見られるようになっており、医師から告げられた病名を正確に知りたくなったり、患者があとで診断内容を詳しく調べたくなった場合に非常に便利だ。


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