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ユビキタスライフ

− 第3回 −

自分の医療記録がネットで見られる
〜医療の質を向上させる電子カルテ

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患者は病室でも自分の電子カルテを
自由に閲覧できる

 医療の「質の向上」と各患者に「最適化された」医療サービスを実現するために、医療情報システム、とりわけ電子カルテの普及に注目が集まっている。電子カルテになれば、患者やその家族はインターネット経由でいつでもその内容を閲覧できる。また、他の医療機関に『セカンド・オピニオン』として意見や判断を求められるようになるなど、利用者側のメリットは大きい。既に電子カルテ・システムを導入し、患者がいつでも閲覧できるようにインターネットでカルテ開示をしている八女中央病院の事例を取りあげ、今後、電子カルテが利用者にとってどのような利便性をもたらすのかを考えてみたい。


医療情報システムの中核でありセカンド・オピニオンには不可欠

 厚生労働省は2001年、「保健医療分野の情報化に向けてのグランド・デザイン」を策定し、ITを活用した質の高い医療の実現に向けての方策を示した。医療の質の向上と効率化を実現するためには、公正で客観的な情報の提供が大前提であり、そのためには医療の情報化が不可欠であるというのが基本的な考えだ。

 このグランド・デザインの中で、医療情報システムの中核として位置付けているのが「電子カルテ・システム」だ。これまで紙で記録してきた所見や処方、検査結果などの診療情報を電子化したもので、それがもたらす効果は広範に及ぶ。病院内においては、電子データになることで情報管理・検索や比較検討が容易になる。また患者にとっては、診療時に医師と電子カルテを見ながら病状や治療方針の説明を受けることができる。

 特にセカンド・オピニオンに対して非常に有効になる。セカンド・オピニオンとは、診断や治療法が適切かどうかについて患者がほかの医師などに意見や判断を求めるもので、最近ではそのニーズが増えている。電子カルテにすると、最初の医師が診断に用いた診療内容も参照できるようになり、より客観的なセカンド・オピニオンが得られるようになる。これは、患者対医療機関だけでなく、「診療情報のネットワーク化・データベース化」としても期待されている。今後、医療機関はより専門性が進んで機能分化するとともに、地域密着型になると考えられる。その際には、一患者の診療情報を医療機関同士で交換・共有できるメリットは大きい。

 電子カルテを導入する医療機関はここ1、2年で増えており、例えば聖路加国際病院(東京都中央区)でも2003年7月に稼動を始めた。医師や看護師らは、院内にある約1,000台の端末から、患者の電子カルテや検査数値、レントゲン画像などを呼び出すことができる。診察を終えた患者も、ロビーの自動会計機でスムーズに精算ができ、従来のように窓口で長時間待たされることがないという。

 これに先駆けて電子カルテを導入したのが、福岡県八女郡にある八女中央病院だ。経営効率化のためにいち早く情報の共有化・IT化に着手し、患者やその家族がインターネットで電子カルテを閲覧できるようにしている。


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