− 第1回 −
ネットワークによって創り出される新しいエンタテインメントの世界
ソニーが構想するロケーションフリー・エンタテインメントの世界
エアボードはソニーが構想するロケーションフリー・エンタテインメントの第1弾だ。
「現在のAV機器は新製品といっても、多少の機能が追加される程度でコモディティー化しています。そこで、全く新しいAVの世界を創り出そうと考えたのが、ロケーションフリーなのです。ロケーションフリーというと、ワイヤレスと考えがちですが、そうではありません。利用できるネットワークは何でも取り込んでいきます。また今回、最初にテレビを商品化しましたが、ベースステーションを核に色々な端末を使えるようにしていこうと考えています。そして、最終的には、地球の裏側からでもブロードバンドに接続しさえすれば、日本の自宅のテレビやAV映像をいつでも視聴できる新しい機器のカテゴリーを作り出していきます」
「世界各国の放送局がチューニングされて、その国に行けばそのまま現地の放送が聴けるワールドワイドラジオというものがあります。それとは逆に、世界中のホットスポットで、日本でいつも聴いているFM放送が受信できるようになれば、利用者はワールドワイドラジオでは満足できなくなります。そうした考え方に立って、テレビ、ラジオにとどまらず、新しいカテゴリーの様々なAV商品を作り出していきます」と前田氏は強調する。
その考え方の根底には、自分が楽しみたいAVコンテンツは、皆、既に自宅に持っているという認識がある。これは大きな発想の転換といえるのではないだろうか。つまり、従来の発想では、ハードの性能が高まるたびに、メーカー側はそれに対応する新しいコンテンツの供給ばかりに注力してきた。しかしユーザーが欲しているものは、決して新しいコンテンツばかりではない。自分の趣味や好みに合わせて溜め込んだ今あるコンテンツを、どこでも手軽に楽しめる環境こそを潜在的に求めているのだ。
エアボードは、まさにこうしたニーズを満たしてくれる。エアボードの体験を「ワープしているような感覚」と前田氏は表現する。ネットワークにさえつながれば、どこにいても自宅の楽しみを満喫できる環境を、エアボードは提供してくれるのだ。
また、別売りの対応アクセサリー「お風呂ジャケット」を購入して、風呂場でエアボードを楽しむユーザーが多いという。自宅の中でさえも、好きなテレビ番組をリアルタイムで見たいというニーズは高い。
同社では、今回発売した12インチの液晶モニターに続いて、より小型でカバンにも入るモニターの発売も計画中で、今後はベースステーションを中核に接続する端末のバリエーションを増やしていく方針だ。
「ネットワークも固定のブロードバンド回線だけでなく、定額制のケータイをはじめ、新しく提供されるサービスを取り込んでいきます。さらに、消費者がより楽しく便利に、ロケーションフリーでAV機器を利用できるようにしていくために、端末も含めて様々な企業との連携も進めていきたいと考えています」と前田氏は今後の展開を語る。











