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IT Wise 事情通のITレポート

− 第1回 −

AR…拡張現実の今(前編)

レポーター: オフィス創庵 代表取締役 佐々木博(ささき ひろし)プロフィール

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 昨年末(2009年)あたりから、AR(Augumented Reality、拡張現実)が注目されている。
 その発端はiPhoneなどのスマートフォンによるAR技術を使ったアプリケーションが登場しマスコミなどで取り上げられたことによることところが大きい。
 その中でも代表的なものに「セカイカメラ」というアプリケーションがある。
 iPhoneのカメラで写真を写すように風景を覗くと、向いている方向にある情報が、「あたかもそこに存在しているか」のように浮遊して表現されている。

提供:Tonchidot Corporation

 現実には存在しないものが、「あたかもそこにある」かのように表現されること。ARという技術を説明するときに、もっともわかりやすい喩え方がこの言葉だ。
 こうした技術がどのような展開をみせていくのか? 今ある技術を見ながら、その未来について思いを馳せてみたい。

インターネットを振り返る

 ARの現状とこれからを考える前に、少し横道にそれて、これまでのインターネットの歴史を軽く振り返ってみたい。
 インターネットが商業利用され、私たちが一般的にパソコンを使ってインターネット接続するようになって約15年。2010年はこれからのインターネット社会の動向をはかるうえで、これまでを振り返り、インターネットの世界で「なにが起きて来たのか?」を考えるよいタイミングの年ともいえる。この15年を5年単位で定義しなおしてみよう。

 1995年あたりにインターネットサービスプロバイダーが一気に増加しインターネットブームの端を発し、2000年のITバブルを境に大容量常時接続のブロードバンドが普及をはじめ、同時にDocomoのiモード(1999年)やカメラ付き携帯が発売(2001年)され、一気にインターネットによるコミュニケーションが身近なものとなった。
 パソコンの価格や性能も普及とともに安定しはじめ、購入層の幅も広がり、GoogleやAmazonなどやWikipediaなど今のネット世界を代表するサービスの登場により、インターネットの利点をいかしたサービスが多く提供されるようになってきた。それもこの年あたりに位置づけられる。

 そして2005年。ブログブームやYoutubeの登場など、web2.0と呼ばれるムーブメントにより、ユーザーが積極的に情報を発信する側にシフトしインターネット上のコンテンツが加速度的に増加してきた。今の言葉でいえば、ソーシャルメディア時代の幕開け。
 mixiなどソーシャルネットワークが流行をはじめたのもこの時代。

 ちなみに、流行語大賞にノミネートされた言葉で、IT関連の用語だけを抜き出すと、
 1995年「インターネット」
 1999年「iモード」
 1999年「ブロードバンド」
 2000年「IT革命」(大賞)
 2005年「ブログ」
 2006年「ミクシィ」

 となる。そして2010年。もっとも印象的な出来事といえば2009年後半あたりから勢い良く普及した「ツイッター」。そして、その裏には、前述のiPhoneなどスマートフォンによる情報発信やモバイルによるインターネットコミュニケーションの変化があげられるだろう。
 特に、位置情報を活用したロケーションサービスや、ツイッターに代表されるリアルタイムに同時間を共有するライブウェブ的なサービスは、昨年あたりから一気に登場し広がりをみせている。
 そして、つい先日。にソフトバンクの孫社長が18億を出資した「Ustream」というサービスも映像を使った「ライブ」中継サービスだ。

 さて、しびれをきらさせてしまったかもしれないが、このどこにも、ARという言葉は登場しない。

 ARが注目されているとはいえ、ARの技術は爆発的に一般名詞となっているかというと、まだそうではないのが現状だ。

 実は、これらの5年単位の流れで埋もれてしまっている、突発的に流行したサービスが一つだけある。日本では2007年から2008年にかけ一時的にブームになった「セカンドライフ」という仮想世界サービス。これを覚えている人はいるだろうか?

 インターネットの未来を感じさせる世界観や技術であったにも関わらず、マスコミ的には表面的な現象しか取り上げらず日本では一時のブームとして過去のものになってしまった。
しかし、ARの技術はこのセカンドライフのように爆発的で一時的ブームとまでは至っていないが、共通することが多い。



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執筆者 : 佐々木 博(ささき ひろし)
オフィス創庵 代表取締役

1970年生まれ。京都出身。
NHK教育テレビ「趣味悠々」パソコン・IT講座を12年歴任。現在は、地域情報発信力向上のための地域ICT利活用促進講座や、次世代に情報をつなぐための、シニア向けソーシャルメディア伝承ワークショップなど、各地域で講演、教育活動、コンサル事業に従事。



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