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ITビジネス ヒットエンドラン

− 第11回 −

人は、なぜ情報発信するのか。

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執筆:NEC総研 吉田絵里香


 人はなぜ情報発信をするのか。Webにおける情報のほとんどが、生活者によるボランタリーな活動や無償コンテンツに支えられている。NEC総研が昨年行った調査(ブログ・SNS利用者の実像)によると、アフィリエイトプログラム等で月に5百円の以上収入を得ている人は、ブログを書いている人全体の約7%しかいない。ブログやSNSなどのソーシャルメディアに限らずとも、なぜ人々はサイト維持に費やす労力に見合う対価を得ていないにもかかわらず、自身のWebサイトや掲示板などで情報発信をしているのだろうか。



情報発信の目的や効果

 ここでは、「生活者が期待している情報発信の効果」や「情報発信によって対価を得ることに対する生活者心理」の解明を試みている興味深い調査を紹介する。

 NEC総研「ブログ・SNS利用者の実像〜人々は何を求めているのか〜」によると、情報発信(この調査ではブログによる)をしている人の約72%は経済的な対価を得ることができるアフィリエイトプログラムのようなサービスを利用しておらず、その理由として約18%の人が「(情報発信によって)お金儲けをやっていると見られたくない」と回答している。

 さらに、Pew Internet & American Life Projectが昨年発表した調査「Bloggers〜A portrait of the internet's new storytellers」によると(1)、アメリカにおいても同様の傾向がみられ、経済的対価を得ること(To make money)を第一の目的として情報発信(ここでもブログによる)をしている人は全体の7%しかおらず、85%の人ははっきりと「そういった目的はない(Not a reason)」と回答している。同調査では、情報発信の目的として「自分自身を表現するため(To express yourself creatively)52%」、「自己体験の記録や共有のため(To document your personal experiences or share them with others)50%」、「知識やノウハウの共有のため(To share practical knowledge or skills with others)34%」「他人の行動に影響を与えるため(To motivate other people to action)29%」、「他人の考えに影響を与えるため(To influence the way other people think)27%」、「人を楽しませるため(To entertain people)28%」などを挙げている。日本人の情報発信の目的については、図表1を参照されたい。

 日米2つの調査を比較すると、「情報や経験の記録や共有」や「家族などの親しい人とのつながり」という側面について日米での差はほとんど見られないが、日本では「自己表現」としての情報発信が相対的に少ない。また、アメリカでは「他人の行動や考えに影響を与えること」を目的とした情報発信が多い(日本では調査項目として存在しない)といったことなどを特徴として指摘できる。

 

【図表1】ブログによる情報発信の目的や効果

【図表1】ブログによる情報発信の目的や効果


(1)Lenhar, A. and S. Fox, Bloggers: A portrait of the internet's new storytellers,Pew Internet & American Life Project, July 19, 2006, http://www.pewinternet.org/PPF/r/186/report_display.asp. 7-9.


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