− 第10回 −
住基ネットはなぜ活用されないのか?
〜海外事例に学ぶ〜
住基ネットにはなぜマイナスのイメージがあるのか?
住基ネットには反対意見が多い。筆者が住基ネットへの反対意見を以前にまとめてみたところ、大きく以下の3つに分類することができた。
表1.住基ネットに対する反対意見

マスコミによって大々的に批判されたせいもあるが、2005年の情報化推進国民会議のアンケート調査では、住基ネットについて「無いほうが良いと思う」と答えた回答者は実に7割近くにのぼっている。
さらに住基ネットには、あまり普及していないというイメージがつきまとう。実際には住民票の写しの添付に替わる本人確認の手段として行政内の業務で利活用されている(行政機関に対して年間3000万件以上の本人確認情報をオンライン提供したり、年金業務において年間2600万件の現況届を省略したりしている)のだが、バックエンドで機能しているため、一般の住民からは住基ネットの利用が見えにくい。
また、住基ネットは住基カードとワンセットで語られることが多く、住基カードが2007年3月時点で全国累計141万枚しか配布されていないことも、住基ネット自体の普及イメージを悪くしているように思われる。
住基カードはなぜ普及しない?
住基カードは、行政側から、いくつかの利用方法が提唱されている。
表2.住基カードの利用方法

ただ、(1)と(4)の利用方法については、住基ネットと直接に連動して提供されるサービスではない。いずれにしても住基カードは残念ながらあまり普及していない状況にあるが、その理由は、
- ・(1)〜(4)のいずれも利用シーンが少ない
- ・従来の行政サービス用カード(健康保険証、運転免許証、パスポート等)を代替するものでない(つまり、既存の用途がない所にICカードを導入した)
- ・なまじ多用途であるために、特に写真付きカードの場合、(4)のどのサービスでもいちいち個人情報(氏名、生年月日、住所、写真・・・)を提示しなければならない。紛失することへの不安もあるため、軽微なサービスを受ける目的では持ち歩きにくい
といった所にあるのだろう。










