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ITビジネス ヒットエンドラン

− 第9回 −

「成長するインドIT産業」
〜見えないメイド・イン・インディアが身の回りにあふれ出す〜

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インドにおけるIT企業の動き

 急速に拡大するインドのソフトウェア・サービス業界のプレーヤーには、大きく分けてインドの国内企業と海外の大手IT企業が存在している。

 先述のとおり、インドのソフトウェア・サービス市場は英語圏を中心としていることから、インドに力を入れている海外のIT企業としてもHPやIBMなど米国の大企業が中心的な存在となる。代表的な例としてIBMを見ると、同社の海外オフショア開発センター23箇所のうち6拠点がインドに存在し、インド拠点の従業員数も1995年の4,000人から2006年には約10倍の43,000人へと急速に拡大。2006年6月にはパルサミーノCEOがバンガロールに出向いてGlobal Briefing(経営方針説明会)を開催するなど、インドへの傾注を進めている。

 そのほか、代表的なインドへの進出企業としては、インテル、シスコ、オラクル、マイクロソフトなど米国のIT関連企業が軒並み勢ぞろいする形である。

 一方、インド国内企業としては、TATA Consultancy Services(以下TCS)、Wipro(以下 ウィプロ)、Infosys Technologies(以下 インフォシス)、Satyam Computer Services(以下 サティヤム)、HCL Technologiesの5社が代表的な企業として上げられる。

 売上高を見ると、TCSが2006年度で1,869億ルピー(約5,500億円)、ウィプロが同1,500ルピー(約4,400億円)、インフォシスは同1,389億ルピー(約4,100億円)で、NTTデータの約半分、大塚商会や日本ユニシスよりやや大きな売上規模となっている。ただ、各社ともに売上高成長率は前年比で40%程度と日本の企業を大きく上回る高成長が続いており、営業利益(税引前利益)率も20%〜30%と高い水準に達している。

 地域別の売上高では、米国が売上の半分以上を占める状況は全ての企業で同じ状況であるが、各社ともに欧州など米国外のビジネス拡充を図り、米国依存度を低めつつある。

 顧客業種別で見ると、TCS、インフォシスは40%近くが金融業で占めている一方、ウィプロやサティヤムなどは金融以外の業種(製造業など)の恩恵を多く受けている。

 TCSとインフォシスの今後の戦略を見てみると、両社ともにインド以外への拠点の拡大や海外での人材登用などグローバル展開を加速している。例えば、TCSは世界の36カ国に販売の拠点と11カ国に開発拠点を設けて、大型案件などはインドや中国で開発する一方で顧客のニーズがあれば米国のニアショア拠点においても業務対応できる体制を整えており、単にインドの安いコストを利用したオフショアのアウトソーシング先といった業務執行体制からは離れつつある。また、顧客としてもTCSでは南米や中国の銀行など、インフォシスもインド、アフリカの銀行など、英語圏以外の顧客も着実に増加させている。

 また、インフォシスでは従来の安価な労働力を生かしたアプリケーションの開発から、コンサルティングなどの上流工程への取り組みを強化していくなど、各社ともに提供できるサービスの高度化も進めている。

グローバルに展開されるTCSの販売・開発拠点の販売・開発拠点

 これらインドIT企業と日本との関わり方については、次章にて詳しく見ていきたいと考えているが、日本の一般的な個人がこれらインドのIT企業と関わる最も大きい接点は、株式投資かもしれない。インドにおける代表的な株価指標であるSENSEX指数を構成する30銘柄には、TCS、インフォシス、ウィプロ、サティヤムの4社が含まれており、4社でSENSEXの時価総額の19%を占めている(2007年5月4日時点)。最近では日本人による投資信託を通じたインド株式への投資増加が話題に上ることが多いが、投資信託の調査会社モーニングスター社によると日本の国内追加型株式投信のインド株式ファンド11本の純資産残高は07年1月末で約7,900億円に上っており、その資金の大半がSENSEX指数の構成銘柄の株式購入に回っているようだ。SENSEX指数は2003年1月末の3,250ポイントから、2007年4月末では13,872ポイントと約4.3倍への上昇を見せており、インドのIT企業の業績好調は株価上昇を通じて日本の投資家の資産増加に直接に貢献しているといえよう。

SENSEX指数は、13,000ポイントを超えて上昇
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