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ITビジネス ヒットエンドラン

− 第8回 −

仮想世界の可能性を考える
〜セカンドライフが提示するインターネットのこれから

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ブームの実体から問われる本質

 このように、実社会と共通する要素を多く備えた仮想世界セカンドライフは、商用サービスの開始以降、ネット利用者の間で少しずつ話題になっていった。2006年には一部の企業が、主にインターネットを使った新たなマーケティング手法の探索を目的に、この世界の中で自社の情報発信スペースを設置する動きが起こり始め、このことがセカンドライフを一般に注目させるきっかけとなった。

 しかし、メディア等でとりあげられることが多くなったここ数ヶ月の動向については、実勢とはややかけ離れた部分があることを考慮しておく必要があるだろう。セカンドライフをとりあげるメディアの論調は、仮想通貨による経済活動という特定の一面だけを誇張していたり、実際のサービス内容や利用状況を十分に把握しないまま書かれたりしたものも見受けられる。

 例えば「セカンドライフでは数百万人の利用者が、仮想通貨を使った経済活動を楽しんでいる」といった内容は、明らかな誤りである。セカンドライフの公式サイトに掲載されている統計データによると、仮想通貨の利用者は月間2〜3万人に過ぎず、会員数の1%に満たない。またやはり公式サイトに掲示されている、実際にサービスに参加しているユーザの数は、時間帯等によるものの概ね同じ様な人数であり、その数は会員数の伸びに比較してあまり大きく変化していないことがわかる。

 あくまでも推測に過ぎないが、このところのブームでサービスに興味を示して、会員となる人の数は急激に拡大しているものの、実際には数回サービスを利用しただけで終わってしまっている利用者が少なからず存在することは想像に難くない。実際、メディアで取り上げられた有名企業によって出展されている島や施設に行ってみても、ほとんど人がいない。これについて、日本での状況を中心に考えた場合、以下のようなことがその理由として考えられるだろう。

 1)日本語の利用が極めて限定的であること
 2)仮想通貨が米ドルにしか互換性をもっていないこと
 3)サービスを利用するうえで高スペックのPCやネットワーク環境が必要であること
 4)消費も創造もしない閲覧だけの利用では、必ずしも十分な楽しみが得られないこと

 いずれも、今後さらなる改良や改善が期待できる課題ではある。なかでも本質的な意味で今後最も重要になってくるのは、4)にあげた点ということになるだろう。それを深く突き詰めていくと、そこに新しいインターネットの姿が浮かび上がってくる。


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