− 第8回 −
仮想世界の可能性を考える
〜セカンドライフが提示するインターネットのこれから
実社会と同じ様々な社会インフラ機能を整備
セカンドライフ内の地理的構成単位は「島」と呼ばれ、島1つに1台のサーバが割り当てられている。その島を所有するために1,675ドルの初期費用と、月額295ドルの維持費用が必要となる。つまり事実上の「レンタルサーバ事業」であることがわかる。自分で所有する島の造成や建築、それらを利用したサービスの運営は原則自由だ。2007年3月末時点で、5600以上の島が存在する。
また、ユーザ間で商取引を行うための仮想通貨「リンデンドル(L$)」が用意されており、居住者は土地や自身で作った様々なアイテムを売買することができる。この仮想通貨の最大の特徴は、米ドルとの交換(RMT=Real Money Trading)が認められていることにある。
こうしたゲーム内で流通する仮想通貨は従来のオンラインゲームにおいても存在しており、そこにはインフレーションの様なリアルの経済社会と同じ現象が起こることが確認されている。しかし、仮想通貨をドルなどの実際の通貨に交換したり、アイテムをインターネットオークションなどで実際の通貨で取引することは、ゲーム運営会社側が厳に禁止してきた経緯がある。セカンドライフにおいてそれが認められていることの背景として、利用者による創造とそれに基づく社会の実現を目的としていることを考えれば、それは画期的でもあると同時に、極めて合理的な選択であったともいえる。2007年3月末時点でのリンデンドルの総供給量は約19億L$(約720万ドル≒8.5億円)となっている。
他にインフラとして重要なものとして、移動手段とコミュニケーション手段がある。移動については、仮想世界内の様々な情報が提供される地図機能を用いて利用者は瞬時に別の島に移動することができる。また、ハイパーリンク機能によって、ウェブサイトやドキュメントなどにつけられたリンクから仮想世界内の特定の場所にジャンプすることもできるなど、既存のインターネットとの融合が意識されている。
コミュニケーション手段は、同じ場所にいる他の居住者と会話するチャット機能と、場所や時間に関係なく居住者にメッセージを送ることができるインスタントメッセージ機能が標準で用意されており、現在はボイス機能の試験サービスも始まっている。












