− 第8回 −
仮想世界の可能性を考える
〜セカンドライフが提示するインターネットのこれから
3次元のコンピュータグラフィクスで作られた世界を、インターネット上で提供するサービス「セカンドライフ」が話題だ。日本でも、昨年の半ばごろからいろいろなメディアで取り上げられ始め、2007年に入ってからはIT関連を中心に、ビジネス向けのメディアにおいても盛んにとりあげられるようになっている。最近の記事内容は、そこにビジネスチャンスを見出そうと活発化している様々な企業の取組みが中心となっている。
今回はこのセカンドライフをテーマに、コンピュータグラフィクスによる「仮想世界」というものの本質を考えてみたいと思う。これがサービスとして、個人ユーザのみならず企業の側からも熱い視線が注がれるのはなぜなのか。そこに期待される次のインターネットに求められる世界とはどの様なものかについて、検討してみることにしよう。
仮想空間のデータをリアルタイムに共有する
「セカンドライフ」はアメリカのリンデンラボ社が運営するインターネットサービスである。2003年6月に商用サービス開始が開始され、2005年後半頃から会員数が急増し始めた。2007年3月末時点では登録者数は500万を突破するまでになった。
仮想世界に入っていろいろなものを見て歩くだけなら無料で利用できるが、よりアクティブにサービスを楽しむ方法として仮想世界に自分の土地や仮想通貨を所有するには、お金を払うことが必要となる。現在セカンドライフの運営はそうした使用料や広告などの収入を元になされている。
サービスを利用するには、若干の個人情報を登録してアカウントを取得すると同時に、サービスにアクセスする専用のクライアントソフトウェアをダウンロードする必要がある。つまり、このサービスはウェブブラウザ上で提供されるものではないのだ。
クライアントソフトはいわば「仮想空間生成装置」で、サーバからネットワークを通じてリアルタイムに送られてくる仮想世界のデータを、利用者のPC画面上に情景として描き出す。利用者自身が動いたり、視界の中にあるほかの人物や物体が動いたりして起こる情景の変化も、その都度新しいデータがサーバからインターネットを通じて配信され、あたかも目の前の世界が実際に動いているかのように再現されるという仕掛けだ。
オンライン型か否かに関わらず、3次元CGを活用したコンピュータゲームでは、地形や景色などのデータは、一定のものとしてあらかじめローカルディスクにインストールされているのが普通だが、セカンドライフでは利用者によって街並みや地形が変化していくのが前提なので、そうしたデータの全てをサーバで管理しネットワークで配信する仕組みになっているのだ。












