− 第7回 −
シニア層が牽引する個人市場
〜拡大する「時間消費型」サービス〜
日本銀行は今年2月に利上げを行った。利上げの要因の1つは、個人消費が底堅く推移しているからだと言われている。サラリーマンの実感からすれば、給料は上がらないのになぜ?と思うだろう。それもそのはず、消費を牽引しているのはサラリーマン世帯ではないのである。
1.シニア世帯が牽引する消費
消費市場では、今年から始まる「団塊世代」の大量退職に伴う退職金、いわゆる団塊マネーの消費効果への期待が高まっている。各調査機関が様々な試算をしているが、控えめな試算でも年間8兆円前後(中には15兆円の試算もある)の退職金が支払われる見通しである。これは前世代に比べて+3兆円である。仮にこのうちの半分が消費に回ったとすると、それだけで個人消費全体を0.5%押し上げ、GDP全体を0.3%も押し上げる。日本の潜在成長率が1%半ばと言われているのだから、そのマクロ・インパクトは相当である。
総務省の「家計消費状況調査」から世帯主年齢別の消費支出動向を見ると、消費を牽引しているのはいわゆるシニア世帯(ここでは60歳以上とした)であり、反対に非シニア世帯(60歳未満)は消費を抑えている。シニア世帯は、非シニア世帯に比べてフロー所得は少ないものの景気に左右されずに安定している。また、住宅ローン等の負債や子供の教育費等の負担が小さく、かつ、金融や不動産などの資産(ストック)は豊富である。高齢化の影響でシニア世帯が増加している面もあるが、昨今の株式や不動産等の価格上昇による資産効果もあって、シニア世帯は消費市場の主役となりつつある。
消費支出の推移(世帯主年齢別寄与度分解)











