− 第5回 −
普及率110%!もうひとつのケータイ先進国"台湾"
「コミュニケーション重視のユビキタスライフを謳歌するタイワニーズ」
一日の最後は夜市で締めくくる

平日でも込み合う台湾の夜市
夕食が済んで、一休みしたらショッピングに出かける。台湾では、デパートや商店の営業時間が21:30頃までというのが多いので、夕食後のショッピングが可能なのだ。
台湾の夜は長い。さらに、台湾の夜の過ごし方で忘れてならないのが、各地にある夜市だ。夜市ではデザートやスナックを楽しみながら、ショッピングや占いに興じるカップル、家族連れが多く、気取らない地元ムードを満喫することができる。
また、夜市は台湾の人にとって新製品やアイデアグッズの発表場所でもある。おもしろいアイデアが浮かんだら、とりあえず、夜市で商品のサンプルを並べて、お客さんの反応をチェックするのだ。それから、本格的な商品化のための判断をすると言う。何度同じ夜市に行っても、その都度新しい物を発見できるのには、こういう理由があるのだ。
平日でも深夜を過ぎるまでは、多くの人通りで賑わい24時を過ぎるころようやく店が閉まりはじめる。タイワニーズの長い一日はこうして過ぎて行く。
対話コミュニケーションを重視
台湾では、よく遊びや食事に友人を誘う。とにかく、いつも誰かと会話しており、先述した通り、ひとりさびしく食事をしている人はまず見かけない。職場でも同様に、台湾では、お弁当でも外食でも同僚とテーブルを囲み、ゆったりと昼食をとる。日本人ビジネスマンがひとりでそそくさと昼食をすませる姿は異様に映るらしい。
また、夕食後に夜市やショッピングに出かける場合も友人を呼び出して遊ぶことが多い。そのため、家族や友人とのコミュニケーションのために日夜ケータイが大活躍しているのだ。もちろん、日本でも待ち合わせや連絡をとるためにはケータイは必須だ。しかし、今では会話よりメールを優先する若者や会ったことも話したことさえない、知らないもの同士で交わされるサイバーワールドでのコミュニケーションが増加している日本と比べると、根本的に大きな違いがある。
タイワニーズとはよく言ったものだ。タイワニーズつまり、台湾人=対話人。今や日本では薄れてしまった対話の意識が台湾のケータイの使われ方には色濃く残っている。
人と人とのコミュニケーションの基本は対話だ。当たり前のようだが今のコミュニケーションは、むしろ"通知"のような一方通行にさえ感じられる。そうではなくて、お互いの会話を楽しむ、あるいは実際に人が会うためのツールとしてケータイを活用するのが台湾流だ。

加藤正行氏
ただし、台湾でのコミュニケーションには、暗黙のルールがあるようだ。
台湾在住の日本人留学生加藤正行氏は、タイワニーズに溶け込む秘訣を語っている。
加藤:台湾では、遊びや食事の誘いなど急な呼び出しがしばしばあります。しかし、続けて誘いを断ったりすると、そのうち誘ってくれなくなります。まさに一期一会。リアルタイムなチャンスを逃すなということでしょう。日本のような社交辞令は通用しませんから、私もなるべく友人とのコミュニケーションは大切にしています。ケータイは、こうしたリアルなコミュニケーションつなぐ媒介として重要なツールです。しかし、あくまでツール。重要なのは、台湾の人たちと対等に付き合うための経験です。私もケータイを2台ほど持っていますので、ほとんどの連絡はすぐにキャッチできます。1台は、小型でファッション性の高いもの。もう1台は、同キャリア同士の通話料金が安くなるため、友人の多くが使っているキャリアのケータイです。
また、ケータイでのメールの活用は日本ほど進んでいません。メールで用件を送ってもすぐにコールバックしてくる人が多いのです。台湾の人たちはせっかちな面もあって、直接すぐに話をすることで確認や解決したいと思う人が多く、"話す"ことが重視されるように感じます。もちろん、ケータイコンテンツも増えてきましたが、一番の目的は、すぐに話せることです。











