− 第4回 −
韓流ユビキタスライフは、安全・ゆとり・ファッショナブル。
『便利なだけじゃない、実生活を支えはじめた韓国デジタルホーム』
政府も企業もユビキタスネットワークの普及に邁進
韓国のこうしたユビキタスネットワークへの取り組みは、政府を中心に民間企業、地方自治体、大学にまで波及しており官民一体となって、実生活の支援するための具体的な施策に及んでいる。よく知られている通り韓国では、ITの普及にいち早く取り組み、xDSLに代表されるブロードバンドにおける先進国である。韓国の世界でも有数の通信インフラ構築の背景には密集した住居環境やPC房(バン)文化、オンラインゲームへの人気などに支えられ、短期間の急速な成長が可能となった。そのことが、新しいサービスに対するニーズを促進し、いつでもどこでもだれとでも繋がる新しい情報通信パラダイム「ユビキタス」が強力に台頭してきたと考えられる。
こうした動向を最も端的に表しているのが、政府を中心に推進されている「U-KOREA」戦略だ。Uはもちろんユビキタスの略だが、ITS、LBS(位置基盤システム)、デジタルホーム、M-Commerceなどの通信サービスが中心となり、経済、社会すべてに渡るユビキタスネットワーク化を目指している。また、韓国有数の財閥系企業であるサムソン、LGはいずれもグループ企業が一丸となって、ドンタン地区「Uシティー」をはじめとするユビキタスプロジェクトに参画している。
韓国政府が「U-KOREA」において最も留意しているのは、IT基盤の開発だけでなく応用面、ソフト面での利活用に重点を置いて産業育成を行っていることだ。とりわけ、デジタルホーム構想は、応用面で情報化の推進において一般家庭を巻き込んで行われる施策として重要な位置付けとなっている。韓国の情報通信部は、2007年までに2兆ウォン(約20兆円)を投入し、韓国の世帯の約60%にあたる1000万世帯を目標にデジタルホームの導入を進めたいとしている。この成果により、韓国は情報家電の世界シェア17%、ホームネットワークの世界シェア13%をそれぞれとることを目標にしており、それはすなわち韓国産業界の世界的な台頭を意味することになる。
日本でも、すでにいくつかのコンソーシアムが推進するホームネットワーク構想があるものの、ほとんどが、実験的な取り組みから普及にまで漕ぎ着けられていない。
韓国のこうした新規産業への機動力の多くは、政府の働きかけによるところは少なくない。しかし、重要な点は、いずれも政府-企業間での取り組みに終わらず、一般の生活者を取り込んだ現実の生活の支援こそが、世界的なレベルでの産業の育成に繋がることを意識していることにある。
我々の生活を豊かにするユビキタスネットワークの推進が、国の経済発展にも大きく関与する。こうしてみるとこれからのユビキタス社会は、利用者にとって何が必要かを目指していくことが、結果として産業・経済全般の再生の糸口になるのではないだろうか。
韓国トレンドの流入は、もはや韓国ドラマだけには留まらない。これからは韓国ユビキタスライフが日本社会にも影響を与える日が来るかもしれない。私たちが当たり前のようにデジタルホームで暮らす日常が、もうすぐそこまで来ている。
(2004年11月29日公開)











