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Front Line in Asia

− 第1回 −

ITで渋滞緩和を実現!
政府主導で迅速な効果をあげるシンガポールの“ERP”

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ITアナリスト 今津美樹  プロフィール 

 シンガポールでは、日本の"ETC"に相当する自動電子料金徴収システム"ERP"の普及により都市の渋滞緩和のみならず、環境問題の改善などを実現している。現在、ERP車両搭載率は100%。シンガポールの人々にとって最も身近な"社会生活とITの融合"ユビキタスネットワークのひとつになっている。

 今回は、アジアの中でもIT政策に積極的な国のひとつであるシンガポールが、交通渋滞解消のために導入したERPについて紹介しよう。


小さな国土と交通渋滞、どこかで聞いたような…

 シンガポールでは、都心の中央ビジネス地域に入る車両は、ERPと呼ばれる自動電子料金システムにより、通行料を支払わなければならない。ERPは、日本のETCとほぼ同様に、路車間情報システムとICカードによる電子マネーを活用している。中央ビジネス地区へ進入する道路には、ガントリーと呼ばれる電子ゲートが設置され、そこを通過する際に自動的に料金がICカードから引き落とされる。料金は、ゲートにより、また時間帯により異なる(50セント〜2ドル50セントほど)。

 現在、IUと呼ばれるERP車載器は、2輪を含む全ての車両への取り付けが義務付けられており、搭載率は100%だ。自動車を購入する場合には、IUを購入し、登録手続きを直ちに行う必要がある。また、レンタカーを利用する場合も、IUがレンタルされているので、例外なく搭載しなければならない。これにより、幹線道路や料金所の渋滞緩和はもちろん、環境対策、ノンストップ・キャッシュレス化による利便性の向上を実現している。

 シンガポールでは、従来から小さな国土と都市部に集中する流入車両による交通渋滞が大きな社会問題となっていた。特に、平日、土曜日のラッシュアワー時に大量に車両が流入する中央ビジネス地区では、交通渋滞の緩和が流通・経済面からも重要な課題だった。そこで、政府がその打開策としてERPシステムの導入を検討、1998年から本格的に利用が開始された。

 小さな国土に交通渋滞と言えば、日本でも同様の大きな社会問題のひとつだ。日本のETCは、いまだ搭載率50%を目指して普及を推進しているが、シンガポールのような成果をあげることができるのだろうか?


  • ERP:
    Electronic Road Pricing Systemの略。自動電子料金徴収システムのこと。
  • ETC:
    Electronic Toll Collection Systemの略。日本の自動電子料金徴収システムの名称。
  • シンガポールドル:
    1シンガポールドル=約63円
  • IU:
    In Vehicle Unitの略、ERP車載器のこと。

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