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− 第27回 −

ユビキタス社会に求められるインタフェースとは
〜人間とコンピュータが接する界面の研究最前線〜

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 例えば、パソコンの場合。その形状はこれまで、キーボードやマウス、ディスプレイといった、人間とコンピュータとの間を取り持つインタフェースの形に制約されることが多かった。しかし、日常の生活環境のあらゆるところにコンピュータが存在するユビキタス社会においては、そんなインタフェースすら意識させないシステムが不可欠となってくる。今回は、そうしたインタフェース研究の最前線を、2つの大学での研究事例を通して紹介する。


人間と機械とのコミュニケーションに「顔」を応用する

電気通信大学大学院 電気通信学研究科 教授 金子正秀氏

電気通信大学大学院 電気通信学研究科
教授 金子正秀氏

 インタフェースとは2つのものが接する境界面(=界面)という意味だが、人間と人間との界面、あるいは人間とコンピュータやロボットとの界面を円滑ならしめることを目的とした研究が、今様々な分野で行われている。

 インタフェースの研究に人間の顔を応用しようというユニークな試みにチャレンジしているのが、電気通信大学大学院電気通信学研究科の金子正秀教授である。そもそもなぜ顔に注目したのだろうか。

 「誰もが必ず1つは持っているもので、個人をほかの人から区別するため、あるいは感情や気分など個人の内面に関する情報を表すツールとして、重要な役割を果たしているのが顔です。またそれは、人間同士のコミュニケーションに絶対に欠かせないものであることは説明するまでもないでしょう。であれば、人間とコンピュータやロボットとのコミュニケーションにも、これが応用できるのではないかと考えたことが、私が本格的に顔とつきあい始めるようになったそもそもの発端です。

 本人は自分の顔を直接見ることはできません。鏡に写して毎日見ているよ、と言われるかもしれませんが、それは鏡というワンクッションを置いた画像ですし、ほかの人から自分の顔がどう見えているのかということは、本当のところ、その本人には分からないのです。顔というのはそんな不思議な存在で、そのようなこともあって、私たちのような工学系からのアプローチのほかに、心理学や人類学、医学、歯学、美容・化粧など、非常に幅広い学問分野で研究が行われています」

 人間は人の顔の印象を伝えようとするとき、「面長でちょっとつり目の人」だとか、「丸顔で目がぱっちりした人」といった曖昧な言葉で表現するのが普通で、聞いた方も、これで何となくイメージできてしまう。

 ところが、人間と機械のインタフェースとして顔を応用しようとすると、そのようなわけにはいかない。顔をコンピュータでも理解できる形に加工する必要がある。金子教授は、まず「顔画像情報処理」という技術の研究に着手し、これを使ってコンピュータで似顔絵が描ける仕組みをつくっていくことにした。


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