− 第26回 −
健康への関心の高まりに応えるITの仕組み
〜病気の予防や治療におけるIT化を探る〜
「健康」が、現在の日本人の共通した関心事になっていることは、誰しも異存のないところだろう。実り多い人生を送るには、健康である方がいい。だが、健康へのこうした関心の高まりにもかかわらず、40〜74歳の2人に1人がメタボリックシンドロームの該当者か予備軍という調査もあり、理想と現実の間に大きなギャップがあることも確かである。
そこで今回は、病気にならないための予防と、万一病気になってしまったときの治療という2つの側面から、IT化の現状を見ていくことにしたい。
ITを活用した健康管理ビジネスにタニタが本格的に参入
メタボリックシンドローム。略して「メタボ」。2005年4月に日本内科学会をはじめとする8学会がこの診断基準を提唱し、それ以来、わが国ではすっかりおなじみになった。また、2008年4月からは国が主導する形で、メタボリックシンドロームに着目した新しい健診・保健指導制度もスタートすることになった。これは予防医学の先進的な取り組みとして、海外からも注目を集めている。
さて、加齢にともなって体重の増加とともに、体にため込まれる脂肪も大いに気になってくるものだ。タニタが1992年に発売した業務用の体脂肪計は、世界で初めて乗るだけで体重と体脂肪率を同時に計測できるものだった。その後、2001年には、これも世界に先駆けて、生活習慣病の引き金になりやすい内臓脂肪の状態もチェックできる体脂肪計の開発に成功。今では体組成計一つで、体脂肪や内臓脂肪はもちろん、体重、基礎代謝量、筋肉量、推定骨量、体内年齢など、体まるごとチェックできるようになっている。
株式会社タニタヘルスリンク 事業企画部 部長
坂井康展氏
タニタではこれまで、この体組成計についても、様々な機能を盛り込んだ機種を開発してきた。この中で2003年には早くも、これで測定したデータをPCに取り込み、体の状態の時間的変化をグラフ化して見ることのできる機種をリリースした。そして、2007年3月に発表したのが、体の状態を測定する機器類と双方向ウェブサービスとを融合させた次世代ヘルスケアサービス、「モニタリング・ユア・ヘルス」だ。ハード機器(体組成計、歩数計、リレーキー)を含む標準サービスが月額1200円で利用できる。
「このサービスの核となるのが『からだカルテ』というWebサイトで、このサイトの運営やコンテンツの企画などは、ハードメーカーであるタニタ本体ではなかなか難しい。そこで、そうしたソフト面でのビジネスを行うことを目的に2007年3月、私たちタニタヘルスリンクという会社が設立されたのです」と、タニタヘルスリンク事業企画部部長の坂井康展氏は説明する。










