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業界が変わるビジネストレンド

− 第26回 −

健康への関心の高まりに応えるITの仕組み
〜病気の予防や治療におけるIT化を探る〜

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調剤薬局を取り巻く環境変化に最新のITを駆使した仕組みで対応

 次は、病気になったときにお世話になるクスリの話題である。医師の処方箋に従って調剤した医薬品を販売する調剤薬局は、日本全国に5万店弱あるが、この調剤薬局を取り巻く経営環境が激変している。

 その要因としてまず挙げられるのが、医療費抑制を目的とした薬価の引き下げやジェネリック医薬品(*注)の原則使用、あるいは大型薬局チェーンによる寡占化の進行などである。ところが、これらは近年になって特にクローズアップされてきた問題だが、調剤薬局が前々から構造的に抱えている課題もある。それが、医薬品の在庫リスクの問題だ。

メディカルバリューネットワーク 永井茂氏

メディカルバリューネットワーク
永井茂氏

 医師の処方箋があって初めて販売できる医療用医薬品は、およそ1万9000種に上るといわれている。ところが、調剤薬局はこれらのすべてを在庫として持てるわけではない。しかし、調剤薬局は在庫がないことを理由に調剤を断ることはできない。ごくまれにしか出ない医薬品の処方があった場合は、卸からある包装単位ごと仕入れるか、近隣の薬局に問い合わせて在庫があれば分けてもらうか、というのがこれまでのやり方だった。

 とはいえ、医薬品にも有効期限がある。例えば、高額な稀少医薬品を卸から何百錠単位で仕入れたのに、一度処方しただけであと需要がなくても、期限がくれば残りはすべて廃棄処分にしなければならない。

 そうであれば、インターネットを活用して、デッドストックになりそうな医薬品をオークションの形で売買すれば、調剤薬局の長年の課題が解決できるのではないか。こうしたアイデアを基に、「薬ネット」というソリューションをつくり上げたのが、メディカルバリューネットワーク代表の永井茂氏であった。

 「調剤薬局の世界は、スタンドアローンのレセプトコンピュータは入っているものの、業界のネットワーク化などはあまり進んでいませんでした」

 オークションをやろうとするのだから、参加者はなるべく多い方がいい。そこで永井氏は、従来の枠にとらわれず、地域ごとにある薬剤師会とともにその近隣地域も含めた広域の薬局連携ネットワーク(全国版)の構築を行っている。


注)ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、新薬(先発医薬品)の販売期間後に発売される、同じ成分で効果が同一であり、新薬に比べて低価格な医薬品のこと。

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