− 第25回 −
「食」への関心の高まりに応える
〜フードビジネスにおけるIT化〜
飲食店の待ち時間をなくす試み
ニューロン株式会社 代表取締役 CEO
酒井真吾氏
次に、外食産業を見てみよう。「今日は家族全員で、いつものあのお店で夕食を食べよう」と出かけたところ、あいにく満席で1時間待ち――。これを何とかしようと2001年、ニューロンというベンチャー会社を起業したのが代表取締役CEOの酒井真吾氏だ。
「自宅や会社を出て目的の飲食店や娯楽施設に行こうとしたとき、その途中の道路や鉄道などの情報はインターネットで確認することができます。ところが、これから行く店や施設の中が、空いているのか満席なのかという情報はなかったのです。これも一種の生活インフラとして提供していく必要があるのではないか、というのが私のそもそもの発想でした」
外食チェーンなどでは、店舗の入口に順番待ちの記入用紙が置かれ、そこに名前と人数などを書くことで、予約を入れる。利用客はその表を見て混み具合を判断し、テーブルに案内されるまでのおよその時間を推測することができるわけだ。しかしこれも、現地までわざわざ足を運ばなければ得られない情報であるし、予約もその紙に書き込むことでしか成立しない。
「まず考えたのが、順番待ちの記入用紙をタッチパネルに変えてデジタル化。待ち時間の情報をインターネット経由で、自宅や会社のパソコン画面上に知らせるとともに、遠隔地からでも予約を入れられるようにしたシステムでした」
こうして2003年にリリースしたのが、店舗の混雑状況に関する情報をリアルタイムに提供し、予約を受け付ける「EPARK」というシステムだった。飲食店としては、満席のためにほかの店に逃げられていた客を確実にキャッチできるし、逆に利用客にとって、現地まで足を運ばずに思い立ったときに予約を入れ、待ち時間なしでテーブルに案内してもらうことができるようになった。
「EPARK」は、現在では携帯電話を使ったシステムにバージョンアップしている。現時点で、日本国内の約500の店舗がこのシステムを導入。また、この情報を受け取ることのできる携帯電話会員は約120万人おり、月間4万人のペースで増え続けている。
居酒屋などでは、満席だからといって気長に待ってくれる客はあまりいない。その店が満席で入れないのであれば、ほかの店を探すことになる。
「こうしたことから、目的のお店で今空きテーブルがあるのかどうかという、リアルタイムな情報が欲しいという声が多くの会員から寄せられてきました。私たちは、店舗の外に向けての情報発信は得意でも、店舗内のシステムには全くノータッチでしたから、外食産業のPOSシステムでは高い実績を持つ、NECインフロンティアに相談を持ちかけたのです」











