− 第24回 −
ITはシニアライフをどのように変えていくのか
〜シニアマーケットにおけるIT化を探る〜
日本では世界でも類を見ないスピードで高齢化が進展。21世紀半ばには、国民のおよそ2.5人に1人が65歳以上の高齢者という超シニア社会になることが予測されており、このようなシニアたちが生き生きと暮らし、それぞれの能力や経験を社会に還元できるような新しい社会の構築が急がれている。今回は、ITを利用してそんな社会を目指す動きを2つの企業を例にレポートする。
日本で初めてのシニアマーケットの専門機関
戦後の日本でマーケティングといえば、その対象は夫婦に子ども2人という世帯がずっと「標準」とされてきた。また、新しい商品やサービスの開発において10代や20代がメインターゲットになることはあっても、50代以上の世代を細かく分析しようという動きは皆無であり、そうした世代に対するマーケティングは「シニア向け」といった言葉で一括りにされることが多かった。
株式会社シニアコミュニケーション 取締役
小木曽大志氏
ところが実際には、様々な経験を積み重ねてきたシニアたちは、趣味や嗜好においても、経済面においても多様性があり、とても一括りに語ることはできない。ここにいち早く着目し、2000年5月に創業したのが、株式会社シニアコミュニケーションである。取締役の小木曽大志氏は自社のスタンスについてこう話す。
「シニア世代は、自分が納得できるものにならたっぷりお金をかけたいと考えており、これからの消費マーケットを牽引することが期待されています。しかし、そんな世代に関してきめ細かくデータを集め、体系的に語れる企業があるかといえば、残念ながら日本には存在しませんでした。であれば、そんな方々に様々な価値を提供することがビジネスになるのではないか。こんな発想からスタートしたのが、シニアコミュニケーションという会社です」
同社は、シニアマーケットの専門機関として、シニアに関するデータの収集を日々行っている。創業からこれまでの7年間で、およそ2500件を超える各種調査を行い、それが膨大なデータベースとして蓄積されている。もちろん、それらのデータは日々最新のものに更新され、これを基に企業へのコンサルティングや、販促プロモーションの企画・実施といった事業が展開されている。こうしてこれまで1400社以上の企業のシニアビジネスをサポートし、800以上のシニア会員組織・シニア向け媒体との強力なネットワークをつくり上げている。
また同社は、シニアの気持ちや行動特性を熟知している。そうしたノウハウを活用して、「シニアのニーズ」にあった新しい商品やサービスを顧客企業と共同で開発する事業にも積極的に取り組んでいる。例えば、「シニアの世代が納得する本格焼酎をつくろう」と、ある酒造メーカーと共同で芋焼酎を開発したり、美しく年を重ねるというコンセプトの下にアンチエイジングレストランをオープンさせたり、ジャンルを問わないプロジェクトを数多く展開してきた。










