− 第22回 −
子どもたちを取り巻く環境は、ITでどのように変化しているのか
〜教育ビジネスにおけるIT化を探る〜
子どもたちの登下校の安心・安全を守る新しいサービス
次は、教育現場で子どもたちの安全をどう守っていくかという話題だ。
立命館小学校
立命館小学校が開校したのは、2006年4月のことである。関西の名門・立命館大学の付属小学校だが、少子化の進展によって子どもに対する教育熱が高まる中で、そうしたニーズに応えるために新たに誕生した。
開校の2年ほど前から設立に向けた本格的な準備に入ったが、そのメンバーとして主に教育環境の整備を担当してきたのが、立命館小学校 事務室 事務長補佐の前川善彦氏だ。
「校内においては、防犯カメラや赤外線監視システムなどと共に、何か異常があれば複数の警備員が即座に対応できる体制を構築することにしました。しかし、私たちは私学ですから、電車などを乗り継いで通ってくる児童も多くいます。自宅から学校までの間が『空白の時間』となるわけで、保護者にとっては心配なところです。そこで校外での安全を守るために、できるだけこの空白をなくしたいと検討を重ねていきました」
2004年8月、関西圏を中心とした鉄道や地下鉄などで使える非接触式ICカード、「PiTaPa」の本サービスが開始された。これは、世界で初めてポストペイ(後払い)方式を採用した非接触式ICカードで、使った分だけ利用者の口座から引き落とされる。さらに、PiTaPaには駅の改札口の通過状況をチェックし、あらかじめ登録した人にその駅の近くのショッピング&グルメ情報などをメールで配信するサービスも提供している。
「当時、GPSケータイの場合、保護者がパソコンや携帯電話を操作して、位置情報の確認を行う必要がありました。しかし、PiTaPaのメール配信サービスを使えば、児童が駅の改札を通過したというメールが保護者に届くので、それを待っていればいいわけです。
学校玄関のICカードリーダー
そこで、裏面に当校の児童証を印刷したPiTaPaカードを発行。学校のエントランスにもICカードリーダを設置して、登下校情報や駅改札の入退場情報をメールで保護者に配信する仕組みを構築することにしました」
例えば、児童の下校シーンを考えてみよう。学校を出るときカードをリーダにかざすことで、「今、学校を出ました」というメールが配信される。その後も、改札を通過するたびにメールが届くので、自分の子どもが今どのあたりにいるのかを把握できる。万一、どこかの時点でメールが飛んでこなければ、そのおよその位置を基に、早めに手が打てる。徒歩で通学している児童には、同じようにICを使った児童証を発行し、登下校情報に関して、全く同じサービスを提供している。











