− 第21回 −
ITを活用して来場者にいかに楽しさと感動を提供できるか
〜レジャー・アミューズメントにおけるIT化の最前線を探る〜
世界に先がけたユニバーサル・スタジオ・ジャパン™の挑戦とは
株式会社ユー・エス・ジェイ
オペレーション本部 運営部 部長
夏山桂三氏
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは2001年3月にオープン。以来、毎年のように新しいアトラクションを導入して進化を続けているが、2007年3月には「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」という新感覚のジェットコースターが稼働を開始し、来場者(ゲスト)の数を順調に伸ばしている。
しかし、アトラクションが増え、ゲストの数が増加してくると、新たな課題もクローズアップされてくる。それが、各アトラクションの待ち時間をいかに短くするかというラインマネジメントの問題である。株式会社ユー・エス・ジェイ オペレーション本部運営部部長の夏山桂三氏は、ラインマネジメントの重要性を次のように語る。
「テーマパークへの来場を阻害する要因の一つが、待ち時間の長さです。何時間も待たされてやっと一つのアトラクションを楽しめたというのでは、また来ようという気も起こってこないでしょう。一方、私たちパーク側は、お待ちいただくためのスペースや行列を整理するための人員も用意しなければなりませんし、お待ちいただいている間、ゲストは飲食やショッピングなどはできませんから、営業効率もそれだけ悪くなるわけです」
そこで、オープンから約3年間は、人気アトラクションをほとんど待たずに楽しんでもらおうと、「ユニバーサル・エクスプレス™」という無料の時間指定券を配布した。しかし、これは1日の発行枚数が決まっているため、昼過ぎに来場したゲストは手にすることができないことも多かった。また、一度あるアトラクションに予約して、指定の時間にまたそこに戻ってきてもらうというスタイルも、ゲストのニーズに応えているとはいいがたい。
「こうした課題を解決するために、2003年7月から販売を開始したのが、時間指定なしに対象アトラクションを優先的に利用できる、『ユニバーサル・エクスプレス・パス・ブックレット』です。これは有料のチケットですが、人気のアトラクションを効率的に回れるということで、年々販売数は伸びています。
とはいえ、時間指定がない分、あるアトラクションにゲストが集中する可能性もあり、1日の販売量はおのずと決まってきます。せっかく優先権を持っているのに何十分もお待ちいただくようでは、本末転倒になるからです」
2004年春、こうした課題を何とか解決したいと、夏山氏は海外のいくつかのテーマパークを視察した。そこで目に止まったのが、ICタグのついた機器をゲストにレンタルして、列に並ばずに待つシステムだった。そんな仕組みも含めていろいろと検討していたまさにそのとき、NTTドコモから「おサイフケータイ」が登場したのである。2004年7月のことだった。
「ゲストのニーズにお応えするには、ITの力を活用するほかに道はない。私はこう考え、二次元バーコードやおサイフケータイなどを使って、どのようなシステムが構築できるかの検討に入りました。そして、二次元バーコードは情報セキュリティに問題があることがわかり、おサイフケータイにしぼることにしたのです。
当初は、自社開発もやむを得ないと考えていました。しかし2005年に入って、NECの『トクトクポケット』の存在を知り、これを使って共同開発することを決断。おサイフケータイを使った、テーマパーク業界で初めての仕組みづくりに挑戦していきました」
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