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業界が変わるビジネストレンド

− 第19回 −

健康志向の高まりにITはどのように貢献できるか
〜経験やカンからの脱却を目指すスポーツ界のIT化〜

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販売員の経験やカンに頼る売り方に一大変革をもたらす

株式会社ジャパーナ商品開発部 第一開発グループ
河合茂博氏

株式会社ジャパーナ
商品開発部 第一開発グループ
河合茂博氏

 次に取り上げるのが、スポーツ関連アイテムの販売面におけるITの活用である。

 スポーツ用品の小売り部門でトップを走るのが、名古屋に本社を置き、全国に350店以上の店舗を展開するアルペンである。同社の店舗では自社ブランドのスポーツギアやスポーツアパレルなども販売しているが、この開発・生産を担当しているのが100%出資の株式会社ジャパーナである。またこの会社では、自前の研究開発施設で、コンピュータを駆使した商品選択支援システムの開発にも取り組んでいる。

 ジャパーナ商品開発部第一開発グループの河合茂博氏は工学の博士号を持ち、これらの選択支援システムの開発を一貫して担当してきた。

 「ゴルフ用品の販売部門では十数年前から、お客様が試打したボールの打ち出しデータ(初速、打ち出し角、スピン量など)やクラブのヘッドスピードなどを計測し、そのデータをお客様のクラブ選択に活用してきました。これがとても好評で、他の分野でもこうしたシステムができないかという声が、販売の第一線から上がってきたのです。

 このような経緯の中から、2004年には『スキーサイエンスアドバイザー(スキー板選択支援システム)』が、2005年には『バッティングサイエンスアドバイザー(バット選択支援システム)』が、そして2006年には『ランニングサイエンスアドバイザー(ランニングシューズ選択支援システム)』が、次々と生まれてきたというわけです」

 各店舗では、それぞれのスポーツ種目に精通した販売員を配置して、アドバイスを行いながら顧客の商品選びをサポートしているが、どうしても販売員の経験やカンに頼る部分が多くなってしまう。そこに「科学の目」を導入しようというのが、これらのシステム開発の狙いであった。

 それでは、スキー板の選択支援システムから見ていくことにしよう。スキー板は、外観の形状はもちろん、硬さやねじれといった機能面でも、商品ごとにすべて異なっている。これらの商品特性と、スキーヤーの脚力や体重、技術レベル、好みなどがフィットしなければ、スキーを100%エンジョイできない。

 「まず、お客様がどのくらいの技術レベルを持っているかをヒアリングします。それから、スキーブーツを履いてスキー板を模した測定器の上に乗り、実際に滑るときのように荷重をかけていただきます。これを6つの荷重センサーで測定していくわけです。

 こうして集めたお客様のデータと、毎シーズン更新される百数十種のスキー板の性能を記録したデータベースとをコンピュータ上でつき合わせ、フィットしたスキー板を選んでいくのです。このとき、そのスキー板でどのようなターンができるのかという、シミュレーションの動画も表示できるようになっています」


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