− 第13回 −
ITは、豊かで持続可能な社会構築にどう貢献できるか
〜建設・土木分野におけるユビキタス化〜
消波ブロックをICタグと2次元コードで管理するシステム
飛島建設株式会社 土木本部
土木部 担当課長
原島誠氏
海岸や河川など、護岸を目的に設置する構造物が消波ブロックである。4本脚のおなじみのものをはじめ、形状だけでも70種類くらいあるといわれている。また大きさも、0.5トンクラスから80トンクラスまであり、使用場所や用途によって様々なものが使われている。
この製品は、コンクリートを型枠に打設してカタチをつくり、それを4週間以上養生。その後、海や河川に据え付けられる。このとき、つくる、運ぶ、据え付ける、管理するという各プロセスは、すべて異なる企業(あるいは自治体など)が担当するのが普通である。
さらに、あらかじめ消波ブロックをつくってストックヤードに保管しておき、台風などの被害があったときに緊急対応するという使い方もあり、いずれにしても長期間にわたる製品管理の仕組みが必要であった。ところがこれまでは、消波ブロックそのものに数字や記号をペンキで書き込むだけだったので、数量・品質・施工・履歴などの各管理が十分に行えないことも少なくなかった。
であれば、ここにICタグを導入し、トレーサビリティの仕組みを構築してみてはどうかというアイデアがでてきた。その経緯について、土木本部土木部担当課長の原島誠氏は、次のように語る。
「製作した時点で、どんなコンクリートと骨材を使って、いつ、誰が、どのようにつくったのかといった情報をICタグに書き込み、養生を行います。そこから、ストックヤードや施工ヤードに運ばれ、据え付けられるわけですが、その運搬日や搬出日なども、その都度書き加えていけば、施工時に製品履歴がすべて分かるわけです」
ところが、ICタグは水をはじめとした外的要因に弱いことが分かってきた。これを消波ブロックの上に単純に貼り付けたのでは海の中などではひとたまりもない。原島氏は、こう続ける。
ICタグと2次元コードを組み合わせた「管理タグ」
「ICタグ全体を、500円玉くらいの大きさのセラミックで覆い、その上に2次元コードを焼き付けることにしました。ICタグと2次元コードを組み合わせたこのデバイスを、私たちは管理タグと呼んでいますが、これを消波ブロックの4カ所くらいに貼り付けるのです。2次元コードは、据え付け時にGPS携帯などで読み取って、設置場所や日時などをサーバーに送信。この情報は、消波ブロックの効率的な生産から据え付けまではもちろん、その後のリサイクルなどにも役立てることができるわけです」
発電所や空港の建設などで、これから大量の消波ブロックの需要が見込まれている。同社が開発した消波ブロック統合管理システムは、2005年9月から販売を開始しているが、土木分野では初めて、ICタグを使った本格的トレーサビリティシステムとして、今注目を集めているところである。
土木分野でも、これからITの仕組みを使った様々なシステムが提案されてくるだろうが、施工工事でもっとも重要なファクターとなるのが「安全」である。そのため、ヘルメットやユニフォームにICタグを装着して、そのエリアへのアクセス権限のない人が間違って入ったときに警報を発するなど、安全管理のためのシステムの開発も、いま同社のテーマとなっている。











