− 第13回 −
ITは、豊かで持続可能な社会構築にどう貢献できるか
〜建設・土木分野におけるユビキタス化〜
土木分野でもインターネットを使ったいろいろなサービスが誕生
飛島建設株式会社
土木本部 トンネルグループ部長
松尾勝弥氏
一方、道路、河川、港湾、ダム、トンネル、橋梁など社会活動のインフラ整備を行う土木の世界でも、ITに関して様々な動きが見られる。創業から123年あまり、これまで土木分野で数多くの「作品」を残してきた飛島建設では、ITを活用した技術の開発に積極的に取り組んできた。
例えば、京都大学と共同開発した「TphotoS(ティーフォトス)」という精密写真測量システムがある。
土木工事に測量は絶対欠かせないが、それには専門的な知識と熟練の技術が必要であった。また、人が近づきにくい複雑な地形を持つ場所や、崩落や土砂崩れなどの恐れがある場所では、測量自体が大きな危険を伴う業務となっていた。それを、撮影位置を変えて写した複数枚のデジタル写真の画像さえあれば、現地で実際に測量したのと同じ成果物が得られるようにしたのが、このシステムである。
これまでのような高価な測量機材などは必要なし。市販のデジタルカメラで撮影した画像を、インターネット経由で送れば、同社が解析・作図して、測量結果をデジタルデータで返送してくれるのである。
同社土木本部トンネルグループ部長の松尾勝弥氏は、会社のアウトラインに関してこのように解説する。
「明治16年に飛島組として福井で創業。巨大ダムをはじめとする土木関連のビッグプロジェクトを数多く手がけてきました。戦後、昭和45年に現在の社名に変更して、土木・建設を両輪としてバランスのよい事業展開を図ってきましたが、土木分野での技術開発に力が入っているのは、こんな伝統があるからかもしれません。
こんなバックグラウンドもあって、土木の世界でも、ICタグを使って品質保証やトレーサビリティの仕組みができないかと勉強を始めたのです。2004年の秋のことでした」
食品をはじめとした他分野では、いろいろと話題に上っていたICタグであるが、土木の分野となると、まだほとんど手つかずの状態にあった。そこで、つきあいのある印刷会社の担当者を招いて、ICタグとは一体どんなもので、どんなことができるのか、といった初歩からの勉強を始めていった。











