− 第13回 −
ITは、豊かで持続可能な社会構築にどう貢献できるか
〜建設・土木分野におけるユビキタス化〜
2005年3月25日から半年間にわたって開催された愛知万博(愛・地球博)は、環境問題を前面に押し出した点が、これまでの「開発と進歩」を高らかにうたった万博とは大きく異なっていた。実際、会場内の建物も、「リサイクル、リユース、リデュース」が可能で、環境負荷の少ないサステイナブル建築が目立った。この、豊かさと持続可能性の両立は、21世紀に暮らす私たち一人ひとりに突き付けられた課題でもある。今回はトヨタホームと飛島建設を例に、建設・土木の分野でこの課題解決にチャレンジする現場をレポートする。
ITと私たちの暮らしの便利さ
ユビキタスコミュニケーター
ITの急激な進歩によって、身の回りの機器はどんどん高機能化している。しかし、それらの機能を使いこなすためには、人間が状況を判断し、情報を入力する必要があり、かえって人間に多大な負荷がかかってしまっていることも多い。
例えば、住宅を見てみよう。家の中にはエアコン、テレビ、ビデオ、電子レンジなど、マイクロコンピュータが組み込まれた機器が何十とあるが、その操作は結構面倒なものである。また、個々の機器の技術が部分最適にとどまり、トータルな生活の豊かさに結びついているとは言い難い。特に、省エネルギーなどの環境への負荷軽減については、住宅の全体レベルから最適制御を行っていかなければ十分な効果は期待できない。
こうした状況を背景にして、これから10年先の近未来の生活を提案する実験住宅をつくりあげたのが、トヨタ自動車と東京大学大学院情報学環教授の坂村健氏を中心とするチームであった。










