− 第12回 −
ITをフルに活用したニューコンセプトの銀行が次々に出現
〜金融業界におけるIT化の新しいトレンドを探る〜
コンビニ利用者の声に応えて流通業から銀行が生まれた
株式会社セブン銀行
企画部 広報担当 次長
山本 健一 氏
セブン−イレブンでは20年以上にわたって毎年、全国の利用者を対象に「1万人調査」というアンケート調査を行っている。1990年代後半、この調査で多くの利用者から寄せられたのが、「セブン−イレブンの店内に、銀行のATMを置いてほしい」という声だった。これに対して、2000年、イトーヨーカ堂とセブン−イレブンは共同のプロジェクトチームを立ち上げ、どのようにしたらこの声に応えていけるかの検討に入っていった。
当初は、現在の他のコンビニエンスストアチェーンと同様に、複数の銀行と提携して、地域ごとに決められた幹事行が主導する形でATMを設置するATM共同運営方式で話が進んでいた。しかしこれでは、使えるカードが全国一律でなくなってしまうことや、当時のネットワークを使うと、正月やゴールデンウィーク、あるいは深夜時間帯など、ATMの利用時間に制限があることも分かった。
お店が24時間営業なのだから、ATMも24時間いつでも使え、しかもどんなカードでも使えなければ、セブン−イレブンのお店にわざわざ設置する意味があるのだろうか。本当の意味でお客様の立場から、便利で使いやすいATMを運営・管理していくためには、自分たちで銀行をつくるしかないのではないか ――。
これが、プロジェクトチームが出した結論である。こうして、2001年4月10日に株式会社アイワイバンク銀行が設立され、翌5月の7日から銀行業務がスタートの運びとなった。流通業から誕生した、そして21世紀最初の新しい銀行であった。その後、2005年10月11日に社名変更を行い、よりお客様に分かりやすいセブン銀行となっている。
セブン銀行は、「いつでも、どこでも、誰でも、安心して使える、みんなのATM。」をキャッチフレーズに掲げている。企画部広報担当次長の山本健一氏は、これを次のように解説する。
「24時間365日いつでも、セブン−イレブンのお店のあるところならどこでも、そしてどんなカードを持っている人でも、セキュリティのしっかりした ATMをご利用いただける、というのがセブン銀行のサービスポリシーです。私たちはあくまで決済を主体にした銀行で、提携金融機関からのATM利用手数料を収益の柱にしています。従って、『銀行』という名前はついていますが、企業を対象にした法人融資などは行っていません。
それより、セブン−イレブンやイトーヨーカドーには1日約1千万人のお客様が来店されますので、そのお客様にもっとご満足いただける金融サービスを提供していくのが、私たちの存在意義だと考えています」
この言葉通り、同行は設立からこれまで、ATM網をいかに広げていくかに全力を傾けてきた。最初の1年間だけで設置したATMは約3700台。毎日、10台ずつ新設してきた計算になる。
こうして、2005年4月に1万台を突破。2006年3月末現在で約1万1500台に達している。また提携金融機関は、銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、日本郵政公社、JAバンク、JFマリンバンク、その他クレジットカード会社などノンバンクを合わせて、510社・業態以上。提携金融機関は、これからさらに拡大していく考えだ。











