Ψ…量子力学とマーケティング
量子力学とマーケティングの意外な出会い?ここのところサボっているのですが、ホビーで天体写真を撮っていました。子供の頃から、宇宙の創生といったテーマに興味があり、大人になっても相対性理論とか、ビッグバン、多次元宇宙論なんて話が好きでたまりません。もちろん、専門的な知識ではなく、いわゆる"オヤジ的興味本位"の範疇を超えていません。
趣味でも"挫折"はあるもので、量子力学が結局のところどんな感じのものか?という手ごたえは、いつまでたっても得られていませんでした。先週末。そんな趣味の勢いでネットをぶらぶらしていると、小粒ながらぴりりとしたサイトを見つけました。
量子力学での一番のつまずきは「波動方程式」。数学と物理を高校で終えてしまった私は、この式の意味するところがまったくイメージできなかったのです。<「波動関数は、固有状態になっている」 というのが、この方程式の意味です。>…この解説がうれしかった。これって「電子のエネルギーは、非連続で飛び飛びの値しか観測されない」って話じゃない?読み進んでいくと、行列との関係が指摘されている。これって「シュレーディンガーの波動力学とハイゼンベルクの行列力学が同じもの」って話?と、次々に知っていることが連鎖しはじめたのです。まだまだですが、大分「感じ」をつかめてきたような気がします。
さらに、本業にも役立ちそうな話が記されているではありませんか。量子と概念の世界→ブランド概念の可視化…といった話が展開され、その数理的な応用としての「Scanamind」というツールが、実際に使えたりします。KJ法によるアイデアのまとめなどを頻繁にやっている自分にとっては大変興味深く、なかなか的を得たアウトプットを示してくれるので、しめしめと喜んでいます。また、例えば消費者心理を「状態」と考えればどうなるか?そんな新しいヒントも見つけられました。一度、直接に話を聞きに行ってみたいと思っています。

おまけ/「電子が飛び飛び…」の応用。水素の電子が特定の波長の光しか発しないので、その特定の波長だけを透過するフィルター(めちゃくちゃ濃い赤いサングラスみたいなもの)を使って撮った薔薇星雲。東京の恵比寿で5年前ぐらいに自分で撮ったもの。光の洪水で、ほとんど星が見えない場所でも、淡いガス星雲の姿を捉えることができる。
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コンテンツ イズ メディア
"Wisdom堂"の取材があり、久々にマクルーハンの本に目を通した。「メディア イズ メッセージ」とか「メディア イズ マッサージ」といった言葉はよく知られていると思う。半世紀前のメディア論の大先生で、学生時代に読んでいる。
私の社会人生活は、中堅アパレルのマーケティング部宣伝販促担当からはじまった。当時、とても不思議に思ったことがある。と言うのは、年間の宣伝媒体の多くは、あらかじめ決まっているのに"その媒体で何を伝えるのか"が、ほとんど決まっていないのである。今でこそ、そういう方式が会社のやり方として「あり」であることに慣らされているが、自分の心のどこかには、まだ引っかかるものが残っている。
個人の会話で考えれば「言わせて言わせて」と手を上げてから、言うことを考えているわけだから、変わり者の行動と感じたのだろう。それ以上に不思議だったのは、媒体選定には会社の上層部まで巻き込んで、かなりの下調べや討議がされる割に、広告の中身は現場まかせで、時間も予算も少なかったことだろう。いささか乱暴な部署だった。
このころに感じた"不思議な感覚"に似たものを、最近のネット関係の仕事で感じることがある。例えば、SEO対策をしたいという相談があり、話を聞いてみる。「○○○○」というキーワードで、グーグルの上位に食い込みたいというようなことを相談される。そこで、サイトを拝見してみると、これがどうにもいただけない。自社の手前味噌が並べ立てられているだけで、なんの公共性も公益性もない。
こういう要望に、力技で応えてくれるサービスもあるだろう。ただ、長続きはしないと思う。もう少し詳しく話を聞くと担当者は担当者としての悩みを抱えている。サーチエンジンの上位に食い込むことが、次の四半期の目標らしい。ある程度の段取りを踏んできたサイトならいざしらず、急な目標としては難しいし、投資効果も持続しないだろう。
短期の成果主義や、切れ切れのマーケティング手法の問題を感じざるを得ない。手法や数値が先に決まっている割に、"中身"がまったく考えられていない点が、自分の"不思議な感覚"を呼び覚ますようだ。
一方、インターネットではちょくちょく不思議な現象が起こる。ごくごく小さなサイトの占いコンテンツや、個人のしたためた"ありがちな体験談"が急に注目され、異常にアクセスを稼ぐことである。私は、こちらの方にインターネットの本質を感じる。優れたコンテンツは、それ自体が強い媒体力を持つのである。マクルーハンは、メディア自体のメッセージ性を「メディア イズ メッセージ」(主にTVの特徴として)として語ったが、今はメッセージの持つメディア性に注目するべき時代ではないだろうか?
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意識の外から
麻生さんの漫画好きは有名だ。世相がよく見えるかはともかく、私も漫画を大切な情報源にしている。(これは、単に漫画好きの自分を正当化しようとしているだけかもしれない^^)
特に、少年マガジンは物心が付く前から、ほとんど欠かさず毎週読んでいる。今年が創刊50周年。東京タワー・山口百恵・マイケルジャクソンと合わせて、自分の"同い年"を説明する際に使っている。
この少年マガジンに連載中のボクシング漫画"はじめの一歩"。先々週あたりから"最強のパンチ"がドラマの鍵になっている。この「最強のパンチ」がいい。何かを企画したり、発案する自分たちにも通じるコンセプトがある。
"最強のパンチ"とは「意識の外側から飛んでくるパンチ…打たれた本人がいつ打たれたかも分からないパンチ」だと言う。つまり、相手と打ち合うという"身構え"が常にあるボクシングにおいては、どんなにぎりぎりでも、パンチをもらうことが分かれば、多少とも耐える反応ができる。この防御力は意外に高い。一方、相手がパンチをもらうことを、まったく意識していない状態なら、そこそこのパンチでもKOできるというのだ。
マーケティングの仕事をしているときに、同じような反応をもらうことがある。「思いもよらなかった」とか「そういう考え方もあったんですね」。とてもうれしい、この仕事をやっていてよかったと思う一瞬だ。で、確かに力を込めたパンチ(例えばヘビーな調査結果)より、軽快なパンチ(ちょっと引っかかったユーザーの声からの思いつきなど)に多いように思える。
さて、その"最強のパンチ"。狙って打てるようなものではないらしい。…が、どうも宮田君(主人公のライバル)は、それを完成させつつあるらしい。そんなわけで、今日もこれから少年マガジンを買いに行かざるを得ないのである。
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アパートの鍵貸します
一昨日、車の中でJ-WAVEを聞いていたら、UA(ユナイテッド・アーティスツ)90周年ということで、「アパートの鍵貸します」など名作映画のリマスターDVDがシリーズ発売されていると耳にした。「アパートの鍵貸します」で思い出した。当時、下着メーカーの宣伝課長で長くニューヨークで勤務をされていた知人から伺った話。
社内業務、それも同じフロアにいる者同士が、電子メールでやりとりするのはいかがなもんか?というような話からだった。彼が言うには、それこそがメールの本来の使い方なのだそうだ。「昔の向こうの映画で見たことない?オフィスでタイプライターを打っているとメールボーイってのが手紙を届けにくるシーン。あれは、いわゆる郵便物ではなく、社内の連絡文章を届けているんだよ」。彼が言うには、アメリカのオフィスでは、電子メール以前にメールという手法ができあがっていたらしい。「CCってのは、カーボンコピー。これもタイプライターを使ってコピーをとる習慣から備わった機能だろうね」
彼の話に大きな間違いはないだろう。つまり、電子メールとはネットワーク化されてはじめて実現できたしくみではなく、すでにあったメールという仕組みがネットワークよって、より便利になった仕組みなのである。そして、そのしくみはビジネス用に開発されていたのだ。
「カーボンコピーを誰に送っているかを記載したり隠したりする技が、出世の鍵だったらしい」とも言っていた。この真偽はともかく、「機能としてのしくみ」に対して「コミュニケーションや駆け引きのしくみ」として電子メールやコミュニケーションツールが語られることが少ないように思える。タイプライターが筆跡を隠したように、肉筆や肉声ではない「活字」のやりとりが持つ心理的な要素なども、もっと語られてよいと思う。
「アパートの鍵貸します」では、ジャック・レモンが渡すメールに彼のアパートの部屋の鍵が「添付」され、メールボーイが上司に届けている。
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先入観を探そう
「Blogというのが流行ってるらしいが、日記というものは、自分に向って書くもので、他人に見せるようなものじゃなかったはずだ。これはどう理解すればよいのか?」半年ほど前、アパレル輸入会社を経営する還暦を越えたぐらいの社長さんとお話したときに、彼が最初に投げかけてきた質問。
そう言えば、Blogって何だろう?ネットの新しい動きを、すぐにビジネスに結び付けようと考えてしまい、その本質を見定めようとしない最近の自分に反省しつつ、その場で洞察した。Blogが浸透してきた背景には様々な要因があるだろうが、とりあえず間違いのないひとつの回答は出した。

「日記を書きたいと思っている人は以前からたくさんいたが、自分で読み直すだけではつまらないので日記を書かなかった人も多かったのでしょう。他人に見てもらえることがわかり、それならやっぱり日記を書いてみようと動き出した人も多いと思います。」いささか禅問答のようなこの回答の良し悪しは別に、基本的なニーズの探し方として「先入観を探せ」を自分の脳みそに残すことにした。
昨年のヒット商品にPILOTの「フリクションボール」というボールペンがある。消せるボールペンだ。水性ボールペンファンなので、とても重宝している。使っていて思うのは、こんなに消したいことがあったんだということ。つまり「ボールペンは消せない」という、使い始めたにあっただろう不満が、長い時間をかけて慣らされる中で蒸発してしまい、不便を感じなくなっていたのだと。そしてボールペンとはそういうものなのだという先入観が私を支配し気づかせなかったのだと。最近は、何を見ても自分を疑っている。
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ポストモダンマーケティング
1年間の現地滞在調査を終え、セカンドライフからファーストライフに帰還しました。本日から改めて、波風が移り変わる現実世界のマーケティングについて書かせていただきます。

さて、タイトルは最近読んだ本の題名です。「ポストモダンマーケティング/スティーブン・ブラウン著/ルディー和子訳/ダイヤモンド社」です。購入した理由は、書店で目にとまったキャッチフレーズ…「顧客志向」はすててしまえ!
マーケティング屋というのは、顧客を後ろ盾にして(都合の悪いときはスケープゴートにして)、仕事を乗り切るものなのですが、なかなかショッキングなキャッチフレーズです。本そのものは、著者が言うように「著者がマーケティングした結果の本(製品)」なので、ユーモアやペーソスたっぷりで、私は大変楽しく読めました。(嫌いな人も多いかも…^^)
内容としては「顧客の要望に応えないというマーケティング手法の実績」などを紹介しながら、顧客志向一辺倒のマーケティングへの物言いが、随所でされています。あらゆるビジネスに即したマーケティング論(そもそもそんなもんがあってたまるかというのが著者の姿勢)ではありませんが、最近のマーケティングではあまり語られない面に光が当てられており、ヒントを多く得られる本だと思います。
全面降伏には至りませんでしたが、私自身も最近の「顧客志向」の使われ方には多くの疑問があり、大いに刺激を受けております。










