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2006/03/27

事業継続計画(BCP)の国際標準規格(ISO)化に対する日本の動き

BCPが国際標準規格(ISO)化されようとしており、日本からも意見を提出する動きがありますのでご紹介しましょう。

米国での9.11テロ事件、スマトラ沖地震/インド洋津波、ハリケーン・カトリーナなど、相次ぐ大規模災害を受けて、今まで特に国際標準規格が存在しなかったBCPもいよいよISOとして制定される動きが活発になってきています。

どこの国がリーダーシップを取って、何をベースに規格化を検討するかということは、過去の経緯、政治的な話も含めて色々あるようなので、ここでは日本に対する影響のみに焦点を当ててみます。

先日のD-PACセミナーでは経済産業省の方が次のような説明をされていました。

BCP国際標準化の影響(可能性)
1. BCPが国際標準化すると・・・
 -欧米企業との取引条件になる
  ・グローバルサプライチェーンに入るための必須条件になる恐れ
  ・取引企業による第二者認証を要求される、または、
   第三者認証取得が取引条件になる可能性あり

 -企業格付けに影響する
  ・株価、与信枠、利子率、保険料率などに影響する恐れ
  ・CSR文書、有価証券報告書等への記載が要請される

2. さらに、欧米主導で国際標準化すると
 -日本企業の防災対策が評価されない
  ・単なる地震対策ではBCPとは言えない
  ・何らかの認証を要求される

 -文化的に馴染みの無い制度の導入が必要に
  ・個別企業の序列化が必要
  ・緊急時のサイト放棄と配転を計画
  ・トップマネジメントの責任増大

これに対し、(財)日本規格協会内に設置された事業継続計画作業グループでは次のような骨子を日本提案に盛り込むことになりました。

趣意書(案)の提案概要

(1) 継続的な改善を行う仕組みを取り入れた規格とすること。規格には、第三者による認証制度を採用しない

(2) 災害発生直後における、公的組織(警察、消防、自衛隊等)が第一義的に担う災害救助や社会インフラの復旧などの活動の業務の事業継続計画(緊急時対応)を策定することを主眼とした規格としない

(3) 対象とするリスクは、各組織が認識したリスクや事業形態を十分に踏まえて、各組織が合理的な基準に基づき自主的に選択できるものとすること。

(4) 広域災害においては、被災した地域の復旧計画との連携・調整に留意し、個別組織が、可能な範囲で地域に貢献することは推奨される。同様に、サプライチェーンを構成する取引先と人的・物的面で相互に支援することも推奨される。このような地域貢献に留意することを明記すること。


2006年4月にはイタリアで緊急事態対応・事業継続計画に関するISOの国際ワークショップが開かれ、2006年5月にもスウェーデンでTC223(Civil Defense)の第1回総会が開かれ、検討が行われる予定です。

日本の意見がどこまで反映されるかは予断を許しませんが、BCPがISO化されるのは間違いないと思われます。

最終的なISO規格として制定されるには数年を要するとのことですが、BCPを策定する企業・団体側も数年かけて段階的に構築していくことになるので、やはり今から着手しておくのが賢明かと思います。

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2006/03/20

英国スーパーマーケットBCP事例

1月のD-PACセミナーで英国スーパーマーケットBCP事例が講演されていましたので簡単にご紹介しましょう。

プレゼンターは英国BCI会長のスティーブ・メリッシュさんでした。メリッシュさんはセインズベリーズ・スーパーマーケットの危機管理マネージャーをされているとのことでした。(BCI: The Business Continuity Institute、英国でのBCの普及促進団体)

このスーパーマーケットは1869年設立、727店舗を構える大手です。社内でBCグループに属しているスタッフは全員BCIのメンバー。というかBCIメンバーをリクルートしました。取締役会へレポートしています。

全国の700を超える店舗を守るためにBCPが作られました。
20の配送センターのためのBCPも作成完了間近です。
2つのロンドンにあるオフィスのためのBCPは、ロンドンの町全体が被災しても対応できるようなプランになっています。

自身のBCPだけでなく、250あるサプライヤーのBC対応力も評価中です。

ロンドンではテロの心配が高いので、広範囲に及ぶテロ事件を考慮した「ロンドン・プラン」を策定しました。
また鳥インフルエンザ流行に備えた計画も策定しました。

鳥インフルエンザのために鶏肉を回収しなければならなかったように、商品のリコールは今やBCMプログラムの一部となっています。(BCM: Business Continuity Management)

作った後はテストが欠かせませんが、エクササイズ(演習)を実施しています。
メディア対応を含む机上演習
・抜き打ち電話テスト(3,000人の安否確認)
・マジックミラー越しにモニターしながら危機管理トレーニング
ビジネスユーザも巻き込んだ情報システムの復旧テスト

BCPを成功させるポイントとして以下を挙げています。

柔軟性を持ったプラン
・体系だったチーム構造
  ゴールドチーム:戦略的
  シルバーチーム:戦術的
  ブロンズチーム:実践的
・優れた情報ネットワーク
・開始から終了まで全ての出来事を記録する
ステークホルダーへの影響を分析し、自分たちがとるべき行動を知る
効果的な広報(内部・外部とも)
  広報を誤ると、せっかく復旧がうまく行っても悪く見られる
経験から学ぶ(教訓)
・自分たちの成功を宣伝する

BCPを検討する際の参考にしたいですね。

最終更新時間 20:49 | コメント (0) | トラックバック

2006/03/12

災害発生直後の対応のポイント(2)

災害発生直後の対応で参考になりそうなポイントの続きをご紹介しましょう。


・ケータイはつながらなくても役に立った

地震や台風など広域での災害が発生した場合、携帯電話がつながらなくなることはよく言われていますし、私も経験しました。

原因は、大勢の人が一斉に電話をかけることにより、交換機がパンクすることを避けるべく、電話会社が一時期制限をかけること、携帯の電波を受信するアンテナの許容量を越えて、同じ場所にいる人が同時に電話をかけてしまうこと、そのアンテナ設備そのものが倒れたり停電したりで被災してしまうことなどが考えられます。

音声はだめでもメールなどのデータならましな事態はあるようです。しかし災害発生直後は、しばらくは使えないことは前提にしておいた方が良さそうです。

ではいつ役に立ったかというと夜です。停電が長引くと夜は本当に真っ暗になります。月明かりでもあればよいのですが、なければ暗闇の中でコミュニケーションをとらねばなりません。

そこで声が聞き取りにくい人と会話する場合には、紙に字を書くわけにも行かず、携帯の画面を使って、筆談したということです。

電池が生きている限りは、携帯はメモ帳代わりに使ったり、災害対策マニュアルを入れておいて暗闇でも貴重な情報源として活用することが出来そうですね。でもライトつけっ放しだとすぐに電池が切れそうなので、手回しなどで充電できるようなグッズも欲しいですね。


・情報を伝えるには時間も一緒に

安否確認や被害の状況など、紙、電話での伝言、メールなどいろんな手段を使って情報を送り届けようとすることになります。

ところが焦るあまりに、その情報の内容のみを伝え、時間を付加することを忘れがちです。

情報受ける側は、発信側の時系列順序関係無しに受け取って行きます。よって同じ場所からの情報でも、状態が異なるものが入ってくる可能性があります。

私も以前の千葉の地震の時には、家族からのメールはお互いに1時間以上もかかって届きました。やはり受け取ったときは違和感を感じました。

情報を受け取る側も混乱しがちなので、やはり発信側は出来るだけ落ち着いて、だれがどこでいつ発信しているのかを明らかにして送ることが肝要です。

最終更新時間 23:24 | コメント (0) | トラックバック

2006/03/05

災害発生直後の対応のポイント(1)

以前あるセミナーで災害発生直後の対応でいくつか参考になりそうなポイントがありましたのでご紹介します。

・災害弱者へ災害情報をどう伝えるか?

災害が発生した場合、一般的には放送などで災害が発生したこと、避難などの対応についての情報が流されると思います。ところが高齢者、障害者の方で放送音が聞き取りにくい場合、気づかずに対応が遅れるという事態になりかねません。

NECの場合、社内でコンピュータウイルスが発生した場合、放送が流れますが、最後に必ず、音が聞き取りにくい方には周りのものが伝えるようにという指示が付いているのを思い出しました。

また旅行者など、特に外国に行った場合、言葉がわからないとせっかくの放送も聞き逃してしまうことになります。

私も海外旅行をしていたとき、地下鉄で何か放送があり、電車が遅れる事態が発生したと伝えられたようなのですが、たまたま一緒にいた人が言葉がわからないなりにも、その雰囲気を察知し、違う路線に乗り換えて無駄な時間を費やさずに済んだということがありました。

インド洋の大津波のときも、プーケット島ではタイ語がわからずに逃げ遅れた外国人がいたそうです。

企業の中で普段仕事しているときは、このような災害弱者に自分もなりうることすら考えもしませんが、災害直後、特に48時間以内は時間との戦いです。情報の流し方、受け取った情報の共有など、ちょっとした工夫次第で、影響を抑えることができそうです。


・エコノミークラス症候群

この言葉を聞くと、狭い飛行機の中で長時間体を動かさずに座っていて、着陸後急に体を動かした際、血栓が出来てしまって、倒れてしまい、最悪死に至る恐ろしい光景を想像します。

私もこれを知って以降、飛行機の中ではこまめにトイレに行ったり、足をぶらぶら動かしたりするようになりました。

災害時には飛行機も飛ばないのになぜという気がしますが、避難する場所が確保できない場合、よく自動車の中で一夜を明かすことになり、そこでエコノミークラス症候群と同じ状況が起こりうるとのことです。

災害時には意外なところにも落とし穴が潜んでいることに注意が必要ですね。

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