モックディザスター(模擬演習)#2
今回はモックディザスターと呼ばれる災害模擬演習の様子の続きです。D-PACプロジェクトでは以前より類似の演習行っており、セミナー参加者の一部には経験者もいたため、その経験者がチームを仕切って、初めて参加する人は言われるままに動いているようなケースもありました。

状況を少し整理してみましょう。
●安否確認
人員表に、現在いる社員をあてはめ、不明社員を確認。
社長と連絡が取れない。
社外にいる社員の安否までなかなか確認できない。
携帯メールでは状況確認が出来る。
安否確認に追われ、火の元確認やブレーカーを落とす等の二次災害防止策は案外忘れがち。
→日頃の訓練の重要性を痛感

●人命救助
周囲が危険なため、しばらくここから動けない。
さみだれ式に発生する怪我人の対処におおわらわ。
→・救急車を要請できないときの、重傷者の対処
(どうやってどこの病院に運ぶか。特に高層階は大変)
・軽症(歩ける)の人たちの避難所や救急セットの準備、初期対応方法
・誰が救助するのか?(各部門で対応or救護班が対応)
などをあらかじめ決めて、社内に周知徹底しておかないととてもじゃないけど、対応しきれない状況。
(最後は切り傷程度のけが人はどうでもよくなっていた...)

●ビジネスリカバリ(業務復旧)
ビジネスリカバリー班と人命救助班とで分かれているグループ、全部一緒にやってるグループと二つに分かれていた。
しかし殆どの班は人員の安否確認、負傷者のケア、各拠点や部署の被害状況の確認に時間を費やしており、ビジネスリカバリまで行われていない。
在庫状況を把握できるか?不明。
工場やデータセンタ、事務所等の連絡がつかず状況連絡・確認が遅れる。
→安否確認システムや、災害伝言ダイヤル(NTT)の活用を視野に入れておく必要があると思った。
ある班は、製造本部長を避難先から呼び戻して業務継続の為の対策を立案する様に指示していた。
コールセンタを大阪支社に移設してコールセンタ機能が再開できるか検討をしていた。
バックアップデータを運ぶのに車両規制がかかって困難。
→自転車の備えは案外重要かも。
コンピュータ・サーバの状態を確認。しかし、地震で停電しているため、コンピュータは壊れていなくてもネットワークがダウンしていて実質使えない。

●参加者の一人の所感
小職も初めてモック・ディザスターに参加させて頂きましたが、所感としては茫然自失でした。
やはり役割分担ができてない中でスタートしたため、一部の模擬訓練経験者?だけで話が進んでしまい、小職は何をやっているのかすら理解できませんでした。
ある意味パニックを経験できたことは意義があったかもしれませんが、もう少し「模擬演習の材料の意味」など公平に確認する事前準備の時間が欲しかったというのが正直な感想です。
(末席のためよく分からず。最初のうちは一生懸命被害状況をメモしてましたが、リーダーらしき人もメモしてたため使われず。)
我が班の内容としては怪我人に対して
・骨折ぐらいの人は耐えてもらい、
・瀕死の人は人工呼吸で蘇生させる
・従って非難誘導はしない
という内容になっていることがあとでわかりました。
小職も含め、パニックであまり役に立たない人が多かったためか、事業継続の検討にまで至らず時間切れとなりました。
不完全燃焼ではありましたが、解決手段がない中、マニュアルの重要性の認識できたことなど貴重な経験ができたと思います。
●別の参加者の所感
各部門で起こっている事象を、経営層にもれなく迅速に伝える仕組みをあらかじめ検討しておくことは絶対必要です。
BCPはやっぱり必要と感じました。
とにかく疲れました...
●まとめ
テストや訓練の仕方にも色々あります。予め作った手順書に則ってバックアップシステムを立上げるものから、今回の様にシナリオが見えない状況下で、状況判断能力を鍛えるものまで様々です。
システムもビジネスも実際に復旧するのは人間が絡むので、やはり人間の対応能力を高めていくのが、復旧成功の鍵です。その時手元にBCPがあると重要な情報、基本的な手順、役割がまとまっているため、効率よく動け、復旧時間を少しでも短くすることができるのです。
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モックディザスター(模擬演習)#1
6月6日にモックディザスターと呼ばれる災害模擬演習に参加しましたので、その様子をご紹介します。これはD-PACプロジェクト2005「ビジネス継続(BC)についての理解&モックディザスター(模擬演習)」というセミナーの後半で約2時間かけて行われました。
参加者は約10人一組でテーブルごとにチームを編成し、ある会社で災害が発生した場合に自分の役割に応じて必要な行動をとります。

今回は製造業を想定しました。災害のシナリオは事前には知らされてはおらず、時間を追うごとに少しずつ状況がスクリーンに映し出されます。

地震が発生し、怪我人が出たり、停電が起こったり、というように緊急対応を余儀なくされる事態が刻一刻と進んでいきます。
私はITシステム周りの状況について参加者からの問に答える役として参加しました。
写真で司会進行を務めているのは危機管理対策機構の細坪さんです。

実際には、参加者は電話をかけて状況確認を図ります。
電話応対は、「世の中役」というゼッケンをつけた人たちが、その時間の状況に応じて受け答えします(電話が繋がらない事態も含めて)。
よって私は「世の中役」の人から間接的に問合せを受けました。

参加者に与えられた命題は2つです。
(1)従来から行われている人命の安全を確保するという緊急対応だけでなく、
(2)ビジネスリカバリ(業務復旧)も同時に進める
というものでした。
地震が起こってその地域周辺が麻痺していますから、怪我人を病院に連れて行こうとするだけでも大変です。電話はたまにしかかからないし、かかってやっと繋がった病院にはもう一杯で受け入れ不可と断られるし、次の病院にあたるにも、またなかなか電話が繋がらないし。
スクリーンには、そのビル内の色んな部署で明らかになる怪我人の状況が、時間を追うごとに映し出されるものですから、さみだれ式に怪我人対応しなければならず、息つく暇もありません。

以下に参加者が発していた言葉をいくつか挙げてみましょう(写真の方との直接の関係はありません)。
・「救急車を呼ぼう」「電話がつながらない」
・「(他のサイトに)在庫状況・顧客状況の情報を持っているか」
・「道路状況が問題だ」「地下駐車場はどうなっているんだ」
・「自家発電はどうなっているんだ」
・「外出中の人の安否?とても把握できない」
・「懐中電灯・拡声器はどこだ?」
・「物流センターと連絡とれるか?」「電話がつながりません」
・「病院は受入できないそうです」「だってやばいだろ、若いやつに運ばせよう」
・「各工場の稼動状況は?」
・「公衆電話はどこだ」
・「常務が顔に切り傷だそうだ」「そんなの絆創膏でもはっておけ」
・「ここから避難しなくて大丈夫なのか?」
・「支店に電話だ」
・「無線機があるのか?」
・「携帯メールで工場と連絡とれました」
・「歩ける人は自力で避難場所に行ってもらおう」
・「(ビジネス復旧チームは)人命救助を先にしたほうがいいんじゃないか」
・「意識不明者はそのままにしておけ」
・「社長と連絡が取れない」
今回はセミナー参加者がたまたま同じテーブルに座ったもの同士で、十分な事前準備無しにいきなり、本番対応をこなすという形式なので、進め方にも無理はあるのですが、でも実際の災害発生時で、特に発生直後は、まずその場にいる人たちで行動を始めることになるので、あながちありえない状況とは言い切れません。
ということで、役割分担があまりできてない中でどんどん情報が来るため、どのチームもほとんど半ばパニック状態でした。中には、どうしていいかわからず茫然自失のチームもありました。
さて、これからどうなっていくのでしょうか?
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フロリダハリケーン被災事例(オフィスデポ社#3)
前々回に引き続きオフィスデポ社(オフィス用品販売チェーン店)のハリケーン被災時の教訓をご紹介します。
・事が起こる前に従業員を移動させる
非難は早めに(高速道路が渋滞する前に)行います
従業員に準備の時間を与えます
・コミュニケーションの計画を確立しておくが柔軟性も持たせる
携帯、インタネット、衛星、電話会議、店舗での集合など様々な代替手段を考慮して計画します
・人事部門は従業員にまつわる問題に対応できるよう準備しておく
不安、ストレス、モラルへの対応、家庭支援(物品、現金、子供のケア)などです
・移動に関して選択肢を持たせる
社内の各施設、外部施設(サードパーティや互助契約の利用)、交通手段、セキュリティ、宿泊施設を確保します
・BCPとDRP(IT復旧)の定期的な改版
特に従業員、ベンダなどの連絡先情報が重要であり、イントラネットに掲載しておいていつでもどこからでも見られるようにしておきます
・危機管理コアチームの結成
まず被災状況を確認し、各重要業務機能からの代表者を集める、意思決定のための役員を集める、メディアや投資家に向けてPRのコンタクトを図る
・施設周りの準備と清掃
発電機用燃料は2日分しかないのであれば不足する危険性があります
燃料業者もトラックが走らせられなくて配送できなくなります
・コミュニケーション
従業員との連絡が重要ですが、役員との連絡はもっと重要です
施設の状況を更新して知らせるホットラインを確立します
必要に応じてコミュニケーション手段もバックアップします
e-mailのバックアップシステムを持ちます
役員とは定期的な電話会議をスケジュールします
・別の場所に作業場所を確立
まず自社保有の施設利用を考えます
会議室などでは地元の商用施設が使えないかアレンジします
PCやネットワーク、電話、サプライ用品を使えるようにします
・従業員に以下のことを事前準備するよう通知
現金を手元に用意する
燃料を満杯にする(ガソリン、ディーゼル、プロパン)
電池と水を確保する
氷を作る(氷の塊は長く保つので)
余剰の薬を確保する
・従業員へ以下のサービスを提供可能にする
従業員への支援、災害基金、カウンセリング、赤十字
給与支払いやその他支払い手段の維持
信用金庫を介した低金利信用貸し
結果的にオフィスデポは、数日間本社機能を停止しました。しかしDR(SunGardなどの災害復旧サービス)のベンダから発電機を調達できたため、売上へのインパクトは最小限に抑えることが出来ました。
今後は従業員への教育/啓発活動、ベンダを呼んだセミナ/展示会の開催に加え、地域との協力体制確立が重要と言っています。
オフィスデポでも、町やカウンティ(郡)レベル、他の企業も含め、私的/公的機関とのパートナーシップを確立したいとのことでした。
日本でも災害対応には、自助/互助/共助などがあると言われています。内閣府は、日本の事業継続計画は自社が生き残るだけではだめで、地域も含めて生き残れるような取組みが重要と指摘しています。
さてオフィスデポの取組みは参考になりましたでしょうか?










