フロリダハリケーン被災事例(MSC社#1)
昨年フロリダには大きな台風が連続して4つやってきました。今回はフロリダにある企業の被災事例についてご紹介します。
3月初旬、フロリダでディザスタリカバリジャーナル誌主催のBC/DRに関するカンファレンスが開催され、私も参加してきました。
そこでは、災害時の訓練やカスタマによる事例紹介、ベンダによるプレゼン、BC認定資格のための教育コースや試験などが行われていました。
その中で、Mutual Service Corporation(略してMSC社)がハリケーンに見舞われ、システムや業務復旧を遠隔地で行ったという事例紹介がありました。
MSC社は金融サービスの会社でフロリダ州ウエストパームビーチに本社とデータセンタを持っています。米国金融業界では、BCを導入することは必須になっており、MSC社もデータセンタの遠隔バックアップ及び業務要員のオフィス機能確保のため、SunGard社というBCサービス会社のサービスを契約していました。
9/4頃にはフランシス台風に見舞われ被災する可能性があるということで、9/2にSunGard社に災害を宣言し(ディザスタリカバリの発動)、情報システム部員がアトランタにあるSunGard社のデータセンタへ移動を開始しました。
9/4には実際台風が直撃し、本社データセンタの電源が止まりました。
9/5にはCIO自らが金曜日のデータのバックアップテープを運び出そうとしたのですが、一つのテープドライブがジャッムってしまっていて、90kgもあるテープドライブをビル8階分階段を運ぶ羽目になりました。そしてCIOは強風の中テープを持ってジャクソンビルまで車を運転していきます。
そこに別のシニアマネージャがアトランタから車で向かい、途中でCIOに会ってテープとドライブを受け取り、両者それぞれ自分の場所へ寝ずに運転して帰りました。
9/6にはアトランタで金曜日のデータの読み込みを開始し、まず重要システムが立ち上がり、夜までに全てのシステムが立ち上がりました。
9/7に業務スタッフがアトランタへ移動を開始。同日から9/8にかけてMSC社の主要業務をアトランタのオフィスリカバリ用のフロアで行いました。
9/8にアトランタに来ている情報システム部員はシステムのフルバックアップを取り、テープを本社に空輸し、同日、本社データセンタでそのテープからデータをリストアし始めました。
9/9に本社データセンタでリストアが完了。
9/10にテストを実施後システムを稼動。アトランタにいた情報システム部員と業務スタッフが飛行機で本社に戻り、9/11には完全に本社で業務復旧が完了しました。アトランタ側ではリカバリ用のシステムがシャットダウンされ解体されました。
途中9/6-8の間には本社の電源が復旧したのですが、ビル管理オーナーが安全確認のため入場を制限し、ビルの立入を許可されたのは、CIOと1~2人の技術者のみという状況が続きました。
また電源の復旧連絡もうまく行かず、MSC社の知らない間に電源が入ってしまい、アトランタでリカバリ作業をしている間に、本社データセンタにあるシステムが立ち上がってしまうなどの諸問題もあったようです。
色々大変な思いはしましたが、テープを使って業務継続を実現することが出来ました。
皆、冗談で次のように言ったそうです。
「なんてすごいシステムテストだっただろう。大成功だ!」
「もう35年はこんなことはしなくて良いだろう」
(こんな台風の直撃は35年ぶりだった模様)
ところが、息つく暇も無く.....
(次回に続く)
最終更新時間 20:04 | コメント (0) | トラックバック
地震大国・日本に「安全地帯」はない
今まさにホットなニュースになっていますが、福岡県西方沖地震発生により、もう日本には地震が起こらないと言い切れる地域は無いと言われています。
従来のリスクマネジメントベースのアプローチだと、リスクの発生確率とその影響度を鑑みて、より有効な予防策を施して、リスクによる被害を軽減していこうということだと思います。
恐らくどの企業や団体でもこの種のアプローチは採られているのではないでしょうか?
例えば地震がもうすぐ起こるのでは?と言われている地域では、建物に補強工事を施し耐震性を高めたり、フロアにあるものに耐震工事を施して、多少の揺れでも倒れにくくするなどの工夫をされている、もしくは順を追って対策を予定されているとこと思います。
でも地震が起こりそうにないと思われていたところでは、耐震対策は中々進んでいないのも現状かと思います。
地震の発生確率の議論は抜きにしても、人命を守るという観点では、耐震対策これらはまさに大切なことであり、少なくとも最低限の対策は採るべきでしょう。
しかしその効果にも限度はあります。
以前、新潟中越地震の際に、あるお客様が言われていたのですが、耐震工事をしても床が曲がってしまっては意味が無かった、コンピュータだけに対策しても足らず、空調機が倒れて空調が止まってしまっては、結局は電源が入れられなかったとのことです。
福岡県西方沖地震の場合、現時点では正確なことはまだ分かりませんが、ビジネスそのものへの影響は、比較的小さかったように見受けられます。
さてここで問題なのが、BC(事業継続)を考えるときのスタンスです。
たまたま地震がデータセンタ直下では起こらなかった、震度もさほど大きくなかったのと耐震工事のお陰で何とか被害は防げた、ということで安心は出来ないということです。
次は全く違う発生の仕方が起こらないとは誰も言い切れませんし、今回は不幸中の幸いだったのかもしれません。
基本は、確率論ではなく「最悪の事態」を想定する(前提に考える)ということです。
耐震工事を施すと「最悪の事態」は起こらないように思いがちですが、「最悪の事態」の可能性を拭い去ることは出来ません。
確かに「最悪の事態」を起こりにくくする効果、人命を守る効果は高まりますが...
結構悩ましい問題ですね
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『911』の経験…ジュリアーニ前市長が講演
2月2日にジュリアーニ前NY市長が来日し、「Homeland SecurityとICT」シンポジウムのプ中で講演があり参加しました。
概要はWebページに載っていますが、ここでは事業継続(BC)の観点で取り上げてみます。
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企業の防災対策に評価基準 政府方針
事業継続計画(BCP)の重要性は、業界では何年も前から説かれていますが、最近やっと政府側も本腰になってきたようです。
1月10日の朝日新聞には「企業の防災対策に評価基準 政府方針」という記事が掲載されました(要約は末尾参照)。
最終更新時間 16:36 | コメント (2) | トラックバック
事業継続計画(BCP)とは何?
最近、事業継続計画(業務継続計画、BCP:Business Continuity Plan)という言葉を新聞や雑誌で目にすることが多くなったのではないでしょうか。
恐らく多くの企業では、阪神大震災後に災害対策マニュアルを作成したり、2000年問題の時にはコンティンジェンシープランを作成されているでしょう。










