~わたしがよく利用している、注目のサービス~
Wisdom Blogで活躍中のブロガーの方々にお集まりいただき、 「いま利用している便利なもの、注目のサービス」を取り上げて、その面白さ、 便利さを紹介するとともに、今後のトレンド、そのビジネスモデルなどについてお話を伺いました。 司会は昨年に続き、株式会社ロフトワークの林千晶氏。 会場はNECが考える未来のスマートライフを体験できるスペースU Galleryにて、 終始なごやかな雰囲気で会は進行していきました。各ブロガーの個性が光る示唆に富んだ話の一部をここに紹介しましょう。

出席者(敬称略・左から)
藤木 俊明(Garden-City Planning 代表取締役)
野澤 智行(広告会社勤務)
吉澤 隆(株式会社マーケティングジャンクション)
大畑 毅(NEC マーケティング本部)
水野 文博(NEC 海外キャリア営業本部ロシアCISグループ)
白木 孝(NEC サービスプラットフォーム研究所/トラクタラボ・らき氏)
今津 美樹(ITアナリスト/Win Do's代表)
林 千晶(株式会社ロフトワーク)
林:
今日は皆さんが普段使っている便利なもの、便利なサービス、注目していることなどをテーマにお話ししたいと思います。
まずは藤木さんからご紹介お願いします。
Wisdom「勝てる企画書」でもおなじみの藤木俊明氏(左)と
「ビジネスにおけるキャラクター活用」の野澤智行氏
藤木:
仕事でコンテンツ企画やブログのネタとか、ネットでいろいろ調べているわけですが、
そんなとき便利なのが「Googleノートブック」です。
ウェブで何か見つけたらそれを取っておきたいのですが、紙に印刷してしまうのはちょっと違う。
ウェブ上のことはウェブ上で解決するのが一番いい、というわけでGoogleノートブックでスクラップして整理しています。
あとよく使っているソフトがあるのですが、まずはサンプルで作ったものを見てください。 これ何に使うのかというと、プレゼンのとき企画書を配布する前の雰囲気が硬いとか、 やりにくいみたいな雰囲気の場合に「まずはイメージを見てください」といってこういうのを流すと、 何となく場が緩んできて受け入れやすい雰囲気が作れます。 これがいいのは、ものの5~6分でこれくらいのものができるところです。 「フォトシネマ」という製品ですが、他にも2~3製品あります。
林:
これ私も大好きで、会社の説明会とかいろいろなイベントでBGVとして流すといいですよね。
あとこれはムービーなんですけど、元は静止画じゃないですか。10分くらいで作れるのでおススメです。
藤木:
ムービーって腕の差が出ますよね。でも静止画なら自分で撮ったものなど結構何でも使えるので手軽ですから。
林:
静止画の間のモーションを指定する必要がなくて、写真をバサッと入れてあとはBGMを決めれば自動的にムービーになるのがいいですね。
藤木:
ウチは忘年会でよく流したりしています。(笑)プレゼンとか仕事ばかりじゃなくて、
みんなでワイワイやったり、リラックスするために使うのもまたいいですね。
なんかインターネットサービスじゃなくて申し訳ないんですけど。
野澤:
私がおもしろいなと思ったのは体験型ギフトで、代表的なもので
「ソウ・エクスペリエンスギフト」を紹介します。
いわゆる結婚式の引き出物とかにギフト券をもらいますが、これは普通のギフト券じゃなく、
エステの体験とか海外でのオプショナルツアーだとか、モノじゃなくてサービスやリアルな体験をもらえるサービスです。
値段は安いものから高いものまでいろいろあって、贈られた方が好きなものを選べる仕組みになっています。
もともとアメリカでこういうサービスが始まって、2年くらい前から日本でも多くの会社が提供するようになりました。
林:
どんなものがあるんですか?
野澤:
いろいろあります。エステとか海外のめずらしいオプショナルツアー、あと蕎麦打ちとかろくろを回すとか...
「癒し」と「冒険」みたいな。自分で企画するのは大変だけど、決まったお金で、しかも贈られたものならいいや、
みたいな感じで楽しめるようです。モノはいらないけど、こういう体験ならうれしい。
「ネットでリアルな体験を」というサービスってちょっと新しいなと思います。
林:
5,000円だとハープレッスンですか(笑)弾くハープですね、おもしろい。
野澤:
これなら景品であげても喜ばれるんじゃないでしょうか。
話題のセカンドライフをWisdom Blogで面白く紹介している
吉澤隆氏(中央)、ITサービスマネジメント関連の話題を
展開する大畑 毅氏
吉澤:
私が紹介したいのはウェブサイトのタイムマシンです。
まずウチのアドレスを入れて、1996年をクリックしてください。
これは僕が事業を立ち上げた頃の弊社のサイトです(笑) 最近、
セカンドライフの研究していてよく言われるのがウェブ創世記との比較です。
「あの頃どうだったかな?」と調べたいとき重宝しています。 例えば、「コメントという仕組みはまだなかったな」とか「いつごろアフェリエイトが出てきたか」みたいな、 ひと通り眺めるのには便利です。
反対にあまり良くない事件とかを、過去にさかのぼっていくらでも調べられるということもあります。 いい情報だけじゃなく、悪い情報もロングテール化します。 ですからそのとき的なブランディングじゃなくて、100年ウェブをさかのぼってどういう情報がネット上にあるブランドなのか。 この先そういう視野で考える時代が来るんじゃないかと、考えさせられるサイトです。 このサイト以外に注目しているのは、セカンドライフ以外ありません(笑)
林:
セカンドライフはどういうところに魅力を感じていますか?
吉澤:
火がつくまでには相当時間がかかるとは思っています。
ただウェブの仕組みがどんどん合理的でロジカルな空間に進化してきた中で、
セカンドライフは驚くほど非合理な空間です。
だから逆に、いままでウェブで失われてきた合理的じゃないエモーショナルなところを取り入れることができるサービスとして可能性を感じています。
それは現実の世界では例えば商品ではなく、販売員が生み出す付加サービスのようなところだろうと思います。
林:
確かにそういう側面はありますよね。
私も先日取材で「セカンドライフは広まると思いますか?」と聞かれた際
「例えば支店長会議をセカンドライフでやったらいいんじゃないか」と答えたんです。
セカンドライフなら、例えば誰がどこに座るとか何人参加しているのかといった、
話す内容以外の「リアルな感覚」が生まれている。
5人の社員前で話すのと100人の前で話すのだと、 自ずと心構えとかインパクトは違ってくるわけで、その感覚は掲示板とか電話会議にはなくて、 実はいろいろな情報がオミットされている。吉澤さんがおっしゃるように、 セカンドライフがこういったエモーショナルな部分をどこまで共有できるインフラになるのか、興味深いですよね。
大畑:
今日紹介したいのはITサービスじゃなくてウチの連れ合いが体験しているものです。
ひとつは「ボディーズ」
「カーブス」という女性専用のフィットネスクラブです。
場所は駅前に限ってはいなくて、ショッピングセンターの近くとかにあって、割と狭いところにエクササイズのマシンは並んでいて、
シャワーがないんです。そのため設備投資が少なくてフランチャイズで開始できます。
(運営方針に)3つのMがあって、ノーMan、ノーMake、ノーMirrorとなっています。
それと女性専用なのでフィットネスマシンの調整がいりません。
1回30分、月額3,000円台からと低価格です。
もうひとつは「サレーヌ」という美顔サービスなんですが、 これはサンスターがやっているもので60分1,000円なんです。
林:
安~い!
大畑:
安いでしょ(笑)1,000円ってちょっと不安になりますけど、でもサンスターがやっている。
ブランドイメージは良いですよね。実際行くと気持ちがいいので毎週行っているようです(笑)
利益は化粧品の販売などであげているようですが、ここにきてサービスの価格破壊が起こっているような気がします。
たとえば理容店の「QB HOUSE」、
マッサージ「てもみん」の10分1,000円もそうです。
林:
エステとか1万円するのが当たり前と思っていて、でも1万円かかる中身を見てみると、
大部分が「それなくてもいいのに」というサービスがすごく多い。
で、それを取って3,000円にした瞬間、違ったフェーズのサービスになっていく。
そういうのはおもしろいと思います。
吉澤:
野澤さんの話も含めて、みんなだんだんモノから離れてリアルなサービスに興味が移っているような気がします。
低価格なんですが、決して人手や手間を減らして合理化しているんじゃないんですね。
Wisdom Blogの“食通ビジネスマン”と言えば
この人、水野文博氏
水野:
それはウェブが最近エモーショナルなものも扱えるようになったからかも知れません。
個人のことを綴るブログが増えたこととか、製品の販促としてゲームをダウンロードして体験してもらうとか。
ブロードバンドの普及やウェブ技術の進歩が貢献していると思います。
で、私の方からは、突然合理的なものに戻ってしまいますが(笑)
「チェックパッド」というTo Doリストを紹介します。
これ何がいいかというとPCでも携帯でも見られるので、常時チェック、更新できるところが便利です。
このちょっとした機能がついているところがうれしいですね。またTo Doリスト以外にもメモや買い物の備忘録としても使えます。
もうひとつは「ちょー助」。スケジュール調整をするソフトです。 ウェブサイトで出欠の一覧が見られるので、いままでのようにメールで確認とって紙に転記する必要がありません。 忘年会などの日程調整に使えます。「ちょー助」と「チェックパッド」を組み合わせて、 昼間の生産性を上げて夜は飲みに行く(笑)。そういう使い方がいいですね。
藤木:
これが一番民主的にスケジュールを決められるんです。一番下に集計が出て、
マルが一番多い日にしましたと言えばみんな納得しますよ。
あと、これハンドルネームが使えます。
水野:
ただ、ウェブ上にあるのでセキュリティを考えると、会社の会議のスケジューリングに利用するのはどうかな、
と思います。だから、飲み会あたりがちょうどいいですね。
林:
(スクリーンの利用例を見て)スケジュールが全部18時以降になっている。リアルなアフター5につながっているよさですね(笑)
白木:
今日紹介したいのはインターネットテレビ「Joost」。
YouTubeの次の世代となる可能性があるものです。JoostはP2Pの動画配信なので、
ユーザが増えてもサーバの負荷がそれほど高くならない特徴があります。
あとYou TubeやGoogle Videoがブラウザを使うのに対して、Joostは専用のアプリケーションを使います。
また、Joostは招待者限定でサービスを行っているので、登録ユーザから招待してもらわなければ利用できません。
しかしコンテンツはかなりそろっていて、映像もきれいで、見応えがある。テレビと比べて遜色はないです。
5月にはコンテンツホルダーとの提携が話題になりましたね。
野澤:
いま小中学生の中に「趣味はニコニコ動画でアニメを見ること」なんて書いている子が増えてますね。
吉澤:
画面にコメントがはいるんですが、ひとつのものをみんなで見ている、みんなで楽しんでいる雰囲気を味あわせてくれますね。
トラクタラボの“らき”氏こと、白木孝氏(左)。Wisdomの新連載
「誰も知らない次世代力」が好調な今津美樹氏
今津:
わたしから紹介するのは「Skype」です。
大学で講師もやっているんですが、「Skype」の授業をやったとき、
アメリカのオレゴン州の講師に遠隔授業をやってもらいました。向こうは夜中の3時とか4時とかだったのですけど(笑)
若干回線の都合で声の遅延はありましたが、コストや設備をかけずにインタラクティブなやり取りができました。 高価なテレビ会議システムを使わずに、ここまで簡単にできてしまったことは凄いなと思いました。 インターネットがここまで普及したのは、この容易さ、自由さだと常々考えています。
もうひとつは「ゲッティ」というオンラインチケットのサービス。 ここはチケットをお財布ケータイにダウンロードしてそのまま入場できるのが特徴です。 オンラインチケッティングというのはよくあるのですが、 入場システムにまで一貫してやっているのはゲッティだけじゃないかと思います。 たとえば大きなショーを観るときに、並ばなくていいのがうれしいですね。 事前登録してもバッチをもらうのに時間がかかりますから。
藤木:
ゲートにリーダーみたいなものが置いてあるんですか?
今津:
そうです。ちっちゃなリーダーが置いてあります。
ただ、いま思いついたんですが、オンラインのチケットって寂しいじゃないですか。
そのときの画とかが残せたらいいなと思ったんですが、どうでしょうか(笑)
吉澤:
入ったときの写真を撮ってもらうとか?
今津:
それいいですね!
今津:
今日バーチャルとリアルの連動みたいな話がたくさん出てきましたけど、
バーチャルがリアルな体験の世界へつながっている。
これもまさにそうしたサービスだと思います。
吉澤:
便利になって時間を節約した分、何をしているかが重要ですね。
その時間働いているんじゃなくて(笑)いかに有効に使っているか。結局働いてません?
8,000人が登録するクリエイターサイト
loftwork.comを運営するロフトワークの林千晶氏。
「林 千晶のあの人に会いたい」も好評連載中。
林:
そんなときはワークアウトだったり、ヨガだったり(笑)そこに配分できれば豊かになれますね。
で、私が日常よく使ってるのは「flickr」です。
これは会社の画像共有サービスとして使っていて、仕事で撮影した画像をフォルダに設定してあります。
ウチは毎年会社案内を刷り直しているのですが、そんなとき共有フォルダのサムネールを見ながら写真を選べて便利です。
オリジナル画像も全部保存されているので印刷にも耐えられますし、ウェブサイトも全部これで済みます。
会社用途の他、クリエイティブコモンズに対応しているので、 Wisdomでなにかエントリーを書いているようなとき、 「flickr」からクリエイティブコモンズの写真、 アトリビュート(著作権者名前を記載すればあとは自由に使用していい写真)のものを取ってきて、 名前だけ記載して貼ることができるわけです。そしてコマーシャルライセンスもOKならそれを売ることもできます。
「flickr」がクリエイティブコモンズとAPI連携していることで、たとえば旅行ガイドを安く作れるなど、 新しいビジネスがどんどん生まれているんですよ。 もうひとつが英国の印刷会社mooのAPI連携の例で、 flickrやセカンドライフ、ライフジャーナルなど何十万人も会員をかかえるサイトとAPI連携していて、 その中で撮った画像でミニカードやステッカーが作れます。 今、ミニカードは世界のブロガーの間で凄い人気なんです。 いまは自分の撮った写真だけですが、これからはクリエイティブコモンズに対応して、 他の人の撮った写真でミニカードなどが作れるようになるそうです。 こういう、自分が誰かからいいことされたらそれを誰かに返したい、 社会の共有資産にしたいという発想が広まっていったらもっと面白いことができると思います。
というわけでひと通り皆さんのお話を聞いてみると、 どこかしら共通する部分があって面白いですね、「ポストweb2.0感覚」みたいな。
吉澤:
皆さんが人的なサービス、ハイタッチなサービスに注目されているのが僕自身収穫でした。
ここ10年ウェブが便利で効率的ですごく発展してきたわけですけど、ちょうどいま転換期に来ているんじゃないでしょうか。
ユビキタスのような考え方も、合理性だけではなくて、みんなでやる、
共有するとか、そういう心の問題に対して未来を見えるようにしていくことが突破口になるんじゃないかな、と思います。
林:
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
(2007年9月27日公開)










