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<title>くねくね科学探検日記</title>
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<title>エアボーン・レーザー</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/09/post_150.html</link>
<description><![CDATA[<p>http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200809092116</p>

<p>政権が変わると、たぶんふっとぶMD（ミサイル防衛）だけど、エアボーン・レーザーはちゃくちゃくと、開発が進んでますよというデモンストレーションをやってますな。</p>

<p>とりあえず飛行機にレーザーを積んで、飛ばずに発射はできましたというお話。</p>

<p>いやしかし、これってホントに使い所があるのかとか、技術的にどうなのよとかツッコミどころが多いのよねん。</p>

<p>ミサイルのブースト段階を狙うには、ミサイルではスピードが遅すぎて当てられないので、レーザーしかないねということで開発がはじまったんだろうけど……</p>

<p>主レーザー砲はＣＯＩＬ（Chemical Oxygen Iodine Laser）という酸素とヨウ素を反応させる化学レーザーで、これを６本たばねて、３メガワットの出力を得る。<br />
レーザー発信装置は機体後部にあって、そこから光ファイバーで先頭の発射装置に導くしくみらしい。</p>

<p>ビームは補償光学で大気の揺らぎを打ち消し、射程が最大４５０キロくらいで、目標に３～５秒間照射し撃破する。一回のフライトで３５回程度のレーザーの照射が可能とのこと。</p>

<p>なんだかすごいスペックだけど、ブースト段階を狙うには、発射前からミサイル撃ちそうだって情報をつかんでいなきゃいけない。</p>

<p>まあ、それはできるとして（ほとんどあり得ない仮定だけど）、そのミサイルを撃つかもしれない国の内部に、ミサイル発射前に進入はできないので、射場がその国の内陸奥深くからだと間に合わないんでないの？</p>

<p>まあ、北朝鮮くらいの狭い国なら良いのか？しかし、曇ってたり何カ所か離れたところからデコイ（おとり）をいくつか打ち上げられたら、もうどうしようもない感じ。</p>

<p>技術的には、空を飛んでいる飛行機から発射されるレーザーを、ホントに数秒間もミサイルに当てられるのかは、大いに疑問なのね。</p>

<p>まず第一に、空を飛んでいる飛行機の位置は時々刻々変化している。地上に固定されたのとは違うわけで、その精密な位置決めをどうするのか。４５０キロもの射程を可能にするには、補償光学が不可欠だけど、これを可能にするには、飛行機とミサイルの相対的な位置関係を高頻度かつ超精密に測定できていないといけない。地上から星を見るときに使うのとはわけがちがう。</p>

<p>GPSや衛星情報、ジャイロの組み合わせくらいで、それが可能とは思えないんだよなあ。</p>

<p>しかも、飛行中の飛行機はがたがた揺れるもので、一方、ビームを照準に向けるのはメカ的な装置のはず。</p>

<p>激しく揺れている中で、メカを動かして、４５０キロ離れたところにある、せいぜい数十センチの目標に、ビームを数秒間も当て続けられるのかな。しかも、揺すられているのに、その追尾メカにガタが少しでも生じちゃいけないわけだし。</p>

<p>また、４５０キロも離れたところの物体にダメージを与えるほどの高出力レーザーを発射するわけだから、それを伝える光ファイバーや補償光学などのミラーに、熱の影響がないとは到底思えない。スペック的には３５回発射できるとしても、光が通る経路とかミラーとかに熱による歪みがごくわずか生じれば、スペック通りの出力はでなくなるだろうし、目標にも当たらなくなる。</p>

<p>あと、レーザーを受けるミサイルは、軸回りにぐるぐる回すと、たとえレーザーが当たったとしても、ダメージがかなり減って５秒じゃこわれなくなったりするはず。また、ミサイルの鏡面化や、アブレーターの塗布とか、MDの開発費に比べれば圧倒的に安価な、既存の方法で、ダメージを激減できる。</p>

<p>また、液体燃料のミサイルなら、ブースト段階は等加速度で上がって行くとは限らないから、ミサイルの精密な位置を突き止めるのも相当苦労するだろうし。</p>

<p>てなわけで、日本もあまりMDに入れこまんでほしいのねん。<br />
 </p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-09-26T11:19:05+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/09/lhc.html">
<title>LHCとブラックホール</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/09/lhc.html</link>
<description><![CDATA[<p>９月の１０日に稼働したCERNのLHCで事故があったみたい。</p>

<p>ライブカメラ映像<br />
http://www.cyriak.co.uk/lhc/lhc-webcams.html</p>

<p></p>

<p><br />
なんちて。<br />
まあ、ホントは超伝導コイルがちょっとぶっ壊れて真空容器に穴が開いたみたい。それで超伝導用の冷却ヘリウムが、粒子が通るトンネルに漏れちゃったわけね。クエンチっていって超伝導コイルではよくあること。まあ、できたてほやほやの巨大メカなので、こういう事故は想定内。でも、冷え切ったコイルを暖めて、ばらして、直して、また冷やすのは相当大変で、まあ２ヶ月は動かせないみたい。ご苦労様です。</p>

<p>これで地球がブラックホールにのみ込まれるまで、<br />
２ヶ月猶予ができたわけですよ。（ ・∀・ ）ﾔｯﾀｰ</p>

<p>まあ、冗談はさておき。<br />
ＬＨＣでやりたいことは数々あれど、まず第一はヒッグスを見つけたいのね。<br />
ヒッグスは、この世の物質に質量があることを説明するために考えられた粒子。いまんとこまだ、そういうのがあればいいなあって思っているだけで、本当にあるかどうかは解らない。で、これがみつからないと、ほとんどのみんなが信じている統一理論がかな～り間違っているってことになる。<br />
だから、ヒッグスがＬＨＣで見つかってくれないと超大問題。<br />
なので、ホーキングはヒッグスが見つからないほうに１００ドルかけるとか言っているんだけど、せこいよ。もっと大金かけろよ。</p>

<p>それからスージーちゃん（超対称性粒子：ＳＵＳＹ）をみつけること。この子もないと、電、弱、強のみっつの力が統一されないので、いないとすごく困る。つーか、スージーちゃんがいると仮定すると、なんか数学的に奇跡のようにいろいろな無限が打ち消しあって、三つの力が大昔は一つだったって答えになるらしい。</p>

<p>こんなにつじつま合うんだから、居ないわけないよってみんな思っているんだけど、これも現実はどうか解らない。つじつま合っているんだからホントのハズだって言う思いは、人間心理としてはすごく納得できるけど、実は全く科学的でないのよねん。ただの思い込みというか、キボンヌの世界の話。</p>

<p>ただ、こちらは見つからなくても、エネルギーが足りなかったんだよって言い訳できる余地が残っているので、ヒッグスより危機感は少ない。</p>

<p>あと、スージーちゃんはこの宇宙の２５パーセントくらいを占めている、あんこ食うぶっしつの候補なのね。スージーちゃん姉妹の中でいちばんお尻の軽いニュートラリーノたんが暗黒物質だと良いなあってみんな思っている。</p>

<p>ＬＨＣでスージーちゃんがみつかると、ニュートラリーノたんのスリーサイズとか、どれくらいお色気があるかも解るので、ホントに暗黒物質かどうかもわかってｳﾏｰ(ﾟдﾟ)。</p>

<p>で、さらにもう一つ、できると面白いなってのが、ブラックホールなのね。<br />
ブラックホールができるなんてトンデモだと思っている人がいるかもしれないけど、ブラックホールができる可能性はホントにある。そのブラックホールが地球を飲み込むって話はただの妄想だけど、できるか否かについてはかなりマジメな話。</p>

<p>リサ・ランドールという、こんな美人の物理学者見たことないというくらい美人がいて、この人が「ワープする宇宙」って本を書いている。この本の主題は、ブレーンワールドというか、余剰次元の話。</p>

<p>で、余剰次元というものがあるとしたら、ブラックホールができるかも知れない。逆に言うと、ブラックホールがもしできちゃったら、余剰次元がある証明になるのね。</p>

<p>力の統一での超難問は、重力がほかの３つの力に比べて、何十桁も弱い、よわよわ過ぎて、つじつまが合わなくて困っちゃうってことがある。で、この重力の異様に極端な弱さを説明するのが余剰次元。</p>

<p>力というのは、距離の二乗に比例して弱くなるけど、これは実は３次元での話なのね。力の強さはｎ次元では、距離のｎ－１乗に比例して弱くなる。<br />
なので、次元がたくさんあって、重力だけがその次元に漏れていれば、重力はすごく弱くても不思議はないわけね。</p>

<p>問題は、そんなたくさんの次元、誰もみたことないよってこと。<br />
ところが余剰次元の考え方では、その次元はくるっとまるまって小さくなっている（コンパクト化）ので、普通は小さすぎて見えないんだっていう。</p>

<p>紙のことをぼくたちは２次元平面だと思うけど、実際には厚みがあるよね。<br />
で、３次元空間にも、こういう紙の厚み方向みたいなのがあると考える。それが余剰次元。</p>

<p>問題は、この余剰次元がくるっと丸まった大きさ、紙の厚みに相当する大きさがどれくらいかってこと。</p>

<p>加速器ってのはものすごく大きなエネルギーを創り出すものだけど、不確定性関係によって、大きなエネルギーほど小さな距離が見える。</p>

<p>で、ＬＨＣの１４ＴｅＶという大きなエネルギーを使えば、くるっと丸まった余剰次元より、小さな世界が見えるんでないのと考えられるわけね。</p>

<p>つまり、余剰次元の大きさよりも小さな範囲にエネルギーを与えて、それが物質に変わると、その物質は３以上の次元がある世界にいるので、重力がぐんと強くなる。</p>

<p>そうすると、ぼくたちの大きさの世界では絶対にブラックホールにはなり得ない超軽い質量でも、重力がめっちゃ強くなってブラックホールができるかもってわけね。</p>

<p>だから、ＬＨＣでブラックホールができると、余剰次元があると証明できるわけ。</p>

<p>ただ、余剰次元がくるっと丸まっている大きさ、紙の厚みに相当する大きさは、全くわからない。なので、ＬＨＣのエネルギーでそれができるかどうかも、実は全く解らない。つまり、ブラックホールができないからと言って、余剰次元がないとはいえない。</p>

<p>このブラックホールが地球を飲み込めないのは、第一に小さい余剰次元の大きさ以下でないとブラックホールでいられないから。マクロな大きさになると、重力がよわよわになっちゃうのね。で、第二に、ホーキング放射ですぐに蒸発しちゃうから。</p>

<p>さて、それでこのＬＨＣでブラックホールができるかもよって言いだしたのは誰かというと、実は日本人なんだよね。東大の田中純一さんとか。<br />
元論文がこれ<br />
http://arxiv.org/PS_cache/hep-ph/pdf/0411/0411095v1.pdf</p>

<p>だから、日本人のオレとしては、ぜひブラックホールができて欲しいと思うわけですよ。ガンバレ！ニッポン！！（ ・∀・ ）</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-09-26T11:15:18+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/09/post_149.html">
<title>アメリカ人の心を癒すダークナイト</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/09/post_149.html</link>
<description><![CDATA[<p>ダークナイトを悪く言う人はほとんどいなくて、実際、ものすごく完成度が高くて面白い映画だと思う。ジョーカーが捕まるまでのテンションの高さもさることながら、そのあとさらに畳みかけるように上がっていくあの勢いはやっぱすごい。<br />
見ようかどうか迷っている人は、見て絶対損はない。</p>

<p>ただ、正直なところ、オレ的には、これはやっぱ、まんがの話だなって思ったのね。<br />
現実的なリアリティはそこにはなくて、なかば無意識のうちに、まんが世界であることを受け入れた時だけ成立するリアリティ。</p>

<p>どういう事かというと、ジョーカーは様々な極限状況を創り出すけど、あんな状況は現実には起きえない。あれだけの準備、いつの間にどうやってしたんだよとか、現実的な作品だと思うと突っ込みたくなるけど、まんがの世界だから、あれが起きてもいちおう不思議でないわけね。</p>

<p>カリオストロの城とか、屋根の上をだだだーと走っていって、ぴょーんてとぶのに違和感を感じないのは、無意識にアレをまんがだと受け入れているからだけど、それと基本的におなじこと。</p>

<p>だから、それはそれ自体、全く悪いことではないんだけど、ダークナイトくらい現実的に見せようとする作りだと、それがかえってあだになって、不気味の谷みたいに、漫画的なところに違和感を感じるのね。</p>

<p>あと、ジョーカーは、人のたましいを貶めることを目的とする、純粋な「悪」だ。<br />
悪魔そのものと言っても良い。</p>

<p>アメリカのドラマには、割と頻繁に純粋な悪が出てくる。<br />
これはたぶん、アメリカのプロテスたん的な宗教観から出てくる観念じゃないかな。<br />
悪は絶対にやっつけなくちゃいけない。悪を倒すことは絶対的な善。<br />
これは、今の日本人にとっては、アホっぽく見える、けっこう気持ち悪い考え方だよね。</p>

<p>以前、どっかのサイトで読んだけど、日本のまんがやアニメには絶対悪は滅多に出てこなくて、悪にも良いところや何らかの事情があって、善とか悪とかの区別がよくわからない。その思想性は、かつてのアメリカのフィクションにはないものだった。<br />
しかし、今では日本のまんがアニメが、善悪価値の相対性という哲学を、アメリカに広めているとのこと。日本のまんがアニメもたいしたもんだ。世界平和に貢献していると言っても過言でないね。</p>

<p>翻ってダークナイトはどうかというと、ジョーカーという絶対的な悪が存在する。<br />
ツーフェイスは善なのか悪なのかよくわからない存在かも知れないけど、それは結局、絶対的な悪によって貶められた被害者という位置づけ。<br />
その絶対悪と戦うため、ダークナイトはあえて汚名を受ける。</p>

<p>ダークナイトは何を意味しているかというと、つまり戦争だいすきアメリカ人のことなんだよ。アメリカ人は、これまでずーっと悪を倒そうとがんばってきたのに、世界中から嫌われまくり。オレ、悪を倒しているんだぜ、良いことしているのに、なんでみんな憎むんだよって思っているわけね。</p>

<p>しかし、ダークナイトはその回答を示している。<br />
真の悪を倒す、本当の意味での善を行うには、汚名を受け、孤独であることを受け入れなければならない。<br />
ダークナイトはかっこいい。そして、アメリカ人は、自分たちこそダークナイトだと思えるわけね。心癒されるわけだ。ダークナイトのアメリカでのヒットは、そういうアメリカ人の無意識に訴えかける作品だったからじゃないかな。</p>

<p>一つ救いがあるとするなら、ジョーカーはバットマンに、お前がいるからオレがいるのだとかいっていること。それは正しい。 </p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-09-26T11:11:39+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/09/post_148.html">
<title>集積回路５０周年</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/09/post_148.html</link>
<description><![CDATA[<p>9月12日は、集積回路(Integrated Circuit, IC)<a href="http://www.custompc.co.uk/news/604848/integrated-circuit-is-50-years-old-today.html ">誕生50周年の記念日</a>だったそうだ。</p>

<p>ICという概念の発明は、人類文明を決定的に変えた。<br />
ざっくりいって、なにかの性能が１５年で１０００倍になるという指数関数的な変化ってのは、人類の文明史上初めてだろう。<br />
これが３回ちょい繰り返されて、今や当初の１０億倍になっている。<br />
それはどの程度のことかというと、アポロ宇宙船と打ち上げロケットと同等の複雑さを持った人工物（LSI）が、今では１０円でできるくらい。</p>

<p>指数関数的拡大というのは、「爆発」そのものなのね。<br />
これは２０２０年くらいまでは続く。あと１０００倍。<br />
でも、物理限界でそこで終わる。<br />
技術のハードルの高さと、いろいろアドホックな対策との兼ね合いでカーブは多少なまるだろうけど、終わりはもう見えている。</p>

<p>そして、そこから新しい世界が始まる。</p>

<p>現状、爆発の速度があまりに速くて、人間の知性が追いつけなくなっている。<br />
昨今、CPUがマルチコア化しているのはその現れだ。</p>

<p>マルチコア化は、まあ１０プロセッサ前後くらいまでなら、汎用計算でも増やした分の計算力向上はそこそこ上がるだろうけど、それより増えていくとどんどん効率は悪くなっていく事は明らか。でも、ロードマップ的にはどんどん増やしていく感じになっていたと思う。</p>

<p>それはつまり、今の集積技術で可能なICの数をフルに使ったアーキテクチャが思いつけなくて、より少ない数しか使わないアーキテクチャのものを、複数束ねることしかできなくなっているわけね。</p>

<p>今現在、ICを１億使ったアーキテクチャを二つ束ねたもののほうが、IC２億使ったものより性能がいい状況があるからそうなっているのだろう。</p>

<p>でもこれは、そういう事が根本的にできないわけではなくて、この爆発の中でたまたま生き残ってきたアーキテクチャとの互換性、継続性を考えると、選択肢が非常に限られてしまっているからだと思う。</p>

<p>爆発の速さにたまたま追いついたものが生き残って今があるけど、可能性があまり探られることなくうち捨てられ脱落していった様々なアイデアがあった。</p>

<p>でも、トランジスタの構造を大きく変えるとか、材料を大きく変えるとかいう可能性も含めてじっくり腰を据えて探索すれば、そのような制約を受けない別のアーキテクチャはあり得るだろう。それができないとは到底思えない。</p>

<p>でも、それは過去との連続性が、新たなアーキテクチャの探索を妨げているからじゃないか。現状の指数関数的爆発の中では、そちらにあまり大きな研究資源を割り当てられないんじゃないかな。IC２億使って、IC１億×２より高性能になるアーキテクチャを考えているヒマがないわけ。</p>

<p>過去との連続性をあまり気にしなければ、ICを２億使って、IC１億×２より優れた性能をもつアーキテクチャが、原理的に考えられないとは到底思えないってことね。 </p>

<p>だから、爆発が収まり、ゆっくりできるようになると、多様性を考える余裕が出てくる。というか、多様性方向にものを考えざるを得なくなる。そこからカンブリア爆発が始まるのだ。</p>

<p>それはともかく、キルビーの２年前に日本の垂井康夫さんが、ICの特許を出願していたんだと。<br />
しかし、バイポーラトランジスタと、電界効果トランジスタの両方をつかうものという特許だったので、限定的なものとなってしまったらしい。<br />
残念でした。<br />
http://www.aist.go.jp/aist_j/information/result/1960_001/index.html </p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-09-26T10:57:57+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/08/post_147.html">
<title>グーグルマップ・ストリートビュー</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/08/post_147.html</link>
<description><![CDATA[<p>みんなもう知っていると思うけど、８月の５日からグーグルマップ・ストリートビューが日本でも使えるようになった。</p>

<p>これは、グーグルマップに、道から撮影した映像を表示させる機能を付加したもの。しかもその写真の視点は、マウスなどで、上下左右自由に動かせるし、一歩一歩道を歩いて、変化する風景を楽しむこともできる。</p>

<p>一筆書きっぽく道を回っているらしいので、時々思い通りの方向に行けなくて迷子になったりする。</p>

<p>あと、前方の交差点で左からまぶしい朝日が差し込んでいるのが見えてるんだけど、その角を左に曲がると曇り空とか、不思議なロールプレイングゲーム感もあじわえたりして。 </p>

<p>サービスインしたのは、まだ、東京をはじめとした一部地域だけだけど、始まっているところはかなり細い路地まで撮影されていて、驚いた人も多いみたい。</p>

<p>ぼくも、存在自体はアメリカのスタート時から知っていたけど、そのときはいまいちピンと来ていなかった。でも、実際自分の家とか見てしまうと、そのなまなましさにかるくショックを受けたりして。</p>

<p>サービスイン直後は、名所に行って観光してみる人、アニメのモデルになった町並みをみつけてくるひとなどがいた。</p>

<p>面白いのは、自分の思い出の場所に行く人が多かった事。<br />
子供の頃住んでたところとか、母校の周辺とかを見て色々な思いにふけったり。</p>

<p>わざわざ出かけていくほどのことはないけど、ふっと思い出して見てみようという気にさせるんだろう。<br />
そういう思いを抱かせるメディアってのは、なかなか面白い。</p>

<p>オレも昔つきあってた彼女の家に行ってみようかと思ったけど、切ないのでやめた。（ ・∀・ ）</p>

<p>まあしかし、このなまなましさのせいか、プライバシーの侵害だとか、犯罪に使われるのではと言う拒否感を持つ人も少なくなくて、こんなシンポジウムも開かれている。</p>

<p><a href="http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0808/28/news032.html">「Googleストリートビュー」は何が問題か――MIAUがシンポ</a> </p>

<p>ただ、ぼくとしては、ストリートビューにそれほど問題は感じない。</p>

<p>グーグルは、顔と自動車のナンバープレートは自動処理でぼかしを入れ、クレームのあった写真は即座に削除していて、それで対応は十分だと思う。</p>

<p>ストリートビューはリアルタイム更新されてるわけではなくて、何ヶ月も前に撮影された映像が使われている。今後どの程度で更新されるかは解らないけど、たぶん半年とか１年以上は間が開くんじゃないだろうか。</p>

<p>この条件下で問題があるとしたら、知り合いやご近所さんに、自分の見られたくない姿を見られたときくらいだろう。</p>

<p>実はサービスインから数日の間、なかなか良い感じの写真が掲載されていた。</p>

<p>それは、小学校の通学風景なんだけど、やんちゃっぽい男子が、後ろから女子にスパーンとはたかれて、前方に、おわっって感じでつんのめっている様子。</p>

<p>なんかほのぼのした、街角の風景ってかんじで、見たときは心安らいだよ。</p>

<p>でも、これはたぶん当事者からクレームがあったんだろう、消されてしまった。</p>

<p>この子供たちに何の縁のゆかりもないぼくにとって、この写真はいいかんじだけど、当事者たちは、そのご近所さんや知り合いに、この写真を見られるのは嫌って思ったんだろう。</p>

<p>推測すると、たぶんこの少年は、まわりから「また女の子にちょっかい出して」なんて感じで囃されたりするだろうし、女の子のほうは「きっつい娘やなあ」なんてかんじでからかわれたりするんじゃないかと思う。それは、嫌といえば嫌だよね。</p>

<p>つまり、こういう写真は、身近な人に見られると恥ずかしい。</p>

<p>ただ、身近な人なら、少年がいたずらっ子であることや、少女がキッツイ性格であることは、たぶん先刻承知だと思う。知っていて、からかうことはあるだろうけど、そういうのはしばらくするとみんな忘れてしまうようなものだ。</p>

<p>だから、嫌って思う気持ちは、たぶん一過性のものなんだよね。</p>

<p>さらにいえば、こういう映像が見つけられたのは、ストリートビュー上で面白い写真を見つけて、それを収集するサイトがあるからだ。</p>

<p>こういうサイトができるのは、サービスイン直後で物珍しいからってところが大きい。</p>

<p>実際、グーグルマップが始まったときも、直後に世界の珍しい地形や建物を紹介するサイトができて、いろいろ盛り上がった時期があって、このブログでもそんな不思議地形を紹介したことがあった。</p>

<p>でも、今では新しい不思議な地形を探す人もほとんどいないし、そういうサイトを訪れる人もあまりいないだろう。すでに飽きられているわけだ。</p>

<p>それと同様に、ストリートビューの珍しい画像収集サイトも、少し時間が経てば閑古鳥が鳴いて、知りあいに見られたら嫌だなあと思うような写真も収集される機会が減って、結果として自分が嫌と思う写真が評判になる機会はものすごく少なくなる。</p>

<p>それにストリートビューでは、珍しい写真といっても、ラブホテルに入る人とか、頭のおかしい人が住んでいそうな異様な建物とか、なんか心霊写真みたいに何かが写っているとかくらいで、バリエーションが少なくて、すぐに飽きちゃうかんじ。オレ的にはもう飽きてる。</p>

<p>今、ストリートビューに異を唱えているのは、この技術によって深刻な被害を受けた人たちだとは思えない。そうでなくて、新しいものに出会ったショックで、とりあえず拒否しているって感じじゃないかと思う。</p>

<p>新しいものに出会ったときの形のない不安が、「プライバシー」とか「犯罪に使われるかも」などの単語に収束して、それが問題だと思ったりしている。だけど、現実にこれでどの程度のプライバシー侵害とか犯罪が起きうるのかというと、たいしたことは起きないと思うのね。</p>

<p>その結果、時間が経つと、最初は不安に思っていた人も、いつの間にかその不安を忘れて馴染んでいく。半年もすれば、今言われている問題のほとんどは忘れ去られるんじゃないかなあ。</p>

<p>つまり、顕在化している意思表示は、急性反応であって、やがて収まるのではないか。そのような反応について、あまりに速い段階でくみ取って問題視するのは、新しいものをいたずらに否定するだけになりかねないと思うのね。</p>

<p>まあ、グーグルみたいに大きな力を持つものが何事かをし始めたら、とりあえず拒否する人がいるのは良いことだし（ほどほどならね）、それによって議論が起き、深められるのは正しいことだとは思うけど。<br />
</p>]]></description>
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<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-08-31T20:05:58+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/08/post_146.html">
<title>イスラエルの下肢麻痺者向けエクゾスケルトン</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/08/post_146.html</link>
<description><![CDATA[<p><a href="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/Argo%20Medical%20Technologies%27%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF1.jpeg"><img alt="Argo%20Medical%20Technologies%27%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF1.jpeg" src="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/Argo%20Medical%20Technologies%27%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF1-thumb.jpeg" width="300" height="450" /></a></p>

<p></p>

<p>イスラエルのArgo Medical Technologiesって企業が、下肢麻痺患者用に<br />
ReWalkというパワードスーツを開発している。<br />
エクゾスケルトンというのは外骨格の意味で、ここではパワードスーツのことね。<a href="http://www.reuters.com/article/scienceNews/idUSLP27939120080825">ロイターの紹介記事。</a><br />
で、<a href="http://www.reuters.com/news/video?videoId=89631">ビデオはここ</a>。</p>

<p>２０１０年に、2万ドルで販売予程とのこと。</p>

<p>２０年間下半身麻痺していた人の足を、外骨格が強制的に動かして歩いたり、階段の上り下りもできる。</p>

<p>前の項で紹介したホンダのは、ある程度歩ける人のパワーアシスト装具。<br />
対してこれは、自分の意志では全く足を動かせない、下肢麻痺患者に使うという発想の装置。</p>

<p>手首の操作ボタンで、立つ、座る、歩く、階段を上る、降りる、を選んでから、身を前に乗り出すような動作をすると、ボディセンサがそれをキャッチしてコマンドを実行する。</p>

<p>コマンドに従ってパワードスーツが勝手に動いて、麻痺した体はそれに動かされるだけ。このコマンド入力方式あたりは、改善の余地は多々ある感じ。</p>

<p>ビデオを見ていると、両手に杖をついて、動きも覚束ない。<br />
ある程度の長距離を移動するなら、電動車いすのほうが優れているだろう。</p>

<p>ただ、立つ姿勢で運動することによる、全身のリハビリ効果や、常に他人に見下ろされる車いす生活とは違い、同じ目線でアイコンタクトできることによる心理効果などが、これまでにない良い効果を与えるみたい。</p>

<p>電動車いすの一部が変形分離して、こういうエクゾスケルトンになるってのがいいかんじかも。</p>

<p>障害ってのは個性そのものなので、一つの装置が万人に使えるようなものにはなり得ない。だから高価になる宿命にある。</p>

<p>日本では<a href="http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/06/27/1145.html">ロボットウォッチの森山さんの記事</a>の下肢支援の項目で紹介されている、下肢麻痺者用の歩行補助ロボット「WPAL(Wearable Power Assist Locomotor)」(アスカ株式会社、藤田保険衛生大学医学部リハビリテーション医学講座)ってのが、下肢切断者向けで、ロボット部分を共通パーツにし、装着するソケット部は個人にあわせるようになっているようだ。<br />
</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-08-31T18:33:30+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/08/post_145.html">
<title>ホンダの変身ベルト</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/08/post_145.html</link>
<description><![CDATA[<p><a href="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%88.jpg"><img alt="%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%88.jpg" src="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%88-thumb.jpg" width="539" height="361" /></a></p>

<p>少し前に、NHKのニュース９で、ホンダが開発中の歩行アシストメカの紹介があった。<br />
youtubeの、<a href="http://jp.youtube.com/watch?v=6nlV5Kq0cHw">これ</a>ね。<br />
上の写真は、ビデオよりも古いバージョンで、今のとは形がちょっと変わっている。</p>

<p>福祉機器の学会発表なんかで、結構前から開発しているのは知っていたけど、ホンダさんは自動車メーカーだけあって、ガードが堅くて、オレみたいなへっぽこ科学ライターにはなかなか取材を赦してくれないのね。だから、こういうニュース映像とかから推測するしかない。</p>

<p>すでに臨床試験もはじめているというのはなかなか期待できる。<br />
試用者が言っている、「変身ベルト」ってのは言い得て妙だなあ。</p>

<p>パワーアシスト装置は日本でもいろいろなところで研究されているけれど、いまいちホントかな？って信用できないものもあったりする。</p>

<p>パワーアシスト系の装置は介護の現場という枠で語られる事が多いけど、個人向けにチューニングが必要だろうし、パッと着て、使って、パッと脱ぐみたいな形になっていないと、あまり便利に使えるとは思えない。そういう意味で、現場手本と二使えるのかなって疑問もあったり。</p>

<p>でも、これはそんなへんてこなパワードスーツとちがって、実用に近そうなかんじがする。</p>

<p>開発には様々な基礎研究や、試行錯誤が必要だとは思うけど、いったん形が決まってしまえば、部品点数も少なそうだし、ハード的にそれほど手が込んだものが必要とも思えない。</p>

<p>つまり、製造コストはあまり高くはならないんじゃないかな。</p>

<p>バッテリー持続時間がどれくらいあるのかが問題だけど、一度機能が衰えた人のリハビリだけでなく、ちょっと足下が心配な健康な人も含めて、わりと需要はありそうな気がする。</p>

<p>３０万円くらいまでなら、必要なくてもオレなら買うよ。（ ・∀・ ）</p>

<p>モーターを動かすにはかなり電力が必要なので、これだけ小さなものだとあまりバッテリーが保たないような気はする。</p>

<p>まあ、３時間持てば、普通のご家庭でも使えるとは思うけど、１０分とかだと、リハビリ施設からの導入ということになるのかも。</p>

<p>ただ、重力で足が降りていくところを、回生でエネルギー回収とかできると、かなりの時間持たせられたりしないかな？<br />
</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-08-31T14:02:04+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/08/post_144.html">
<title>じんるいきゅうきょくのなぞをとくか。エロパワー</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/08/post_144.html</link>
<description><![CDATA[<p>ホットメールとかのフリーメールや、ｐａｙｐａｌの利用登録するとき、登録者がロボットか否かを見分けるために、ノイズだらけの背景にぐんにょりした文字が書いてあって、それをなんて読むかを入力するってのがある。</p>

<p>こういうノイズを背景にしたぐんにょりした文字は、既存のパターン認識技術では読み取りが困難なので、ロボットには読み取れない。ロボットにどんどんメールアドレスをとられると、それがスパムとかに悪用されるので、防止措置としてこういうことをしているわけね</p>

<p>これは、CAPTCHA(Completely Automated Public Turing Test to Tell Computers and Humans Apart　という手法。</p>

<p>人間とコンピュータを見わける、一種のチューリングテストだ。</p>

<p>ところがこれを、エロパワーを使って突破するわやりかたがあるらしい。</p>

<p>その法法は、まずエロサイトを作って、女性の画像の横に、この文字が読めたら一枚脱ぐわよってメッセージが出る。</p>

<p>で、その文字に、ロボットがそのとき見分けようとしている、ホットメールとかのCAPTCHA文字が表示される。</p>

<p>そして、このエロサイトを見ている人が答えると、その答えがロボットに送信されて、ロボットなのに登録できちゃうワケね。</p>

<p>つまり、ストリップ見たさにほいほい答えるひとのおかげで、ロボットはスパム用アドレスを手に入れられる。</p>

<p>こういう、既存のコンピュータ技術では解けない難問を、人に協力させて解く計算手法を "Human computation" という。</p>

<p>元祖としては、カーネギーメロン大学の <a href="http://www.espgame.org/">ESP game</a> というのがあって、これはある画像を表示して、それをみて人間は何をイメージするかというキーワードを収集する事を目的としたものなんだけど、一見、人対人のゲーム形式に仕立てることで参加を促すようになっている。</p>

<p>　この絵を見て何を思い浮かべますか、なんて質問に答えるのはよっぽど暇人だけど、ゲーム形式にすると、ちょっとやってみよかななんて感じになる心理をうまく利用して、コンピュータに奉仕させるけね。</p>

<p>映画の『マトリックス』も、この方向のイヤンな究極形ともいえる。</p>

<p>あと、<a href="http://www.asahi.com/science/update/0823/TKY200808230207.html">正解率９９％　ネット認証技術、書籍のデジタル化に威力<br />
</a><br />
によると、これを使って、書籍を電子化するときの、読み取り精度を高めているんだと。アイデア次第で色々可能性が広がるね。</p>

<p>SETI@home的なやりかたとか、携帯とかのミニサービスでこういうのを入れ込むことで、人間の知能をたくさん使わなければ解けない問題を色々解決できるようになるかもしれない。ひょっとしたら、人類究極の謎も解けちゃうかもよ。</p>

<p>あと、個々の人が解こうとしている課題と、その集合体が解こうとしている課題の間に、直接的に想像できる関係がないってのは、群知能の本質にもかかわっているのかも。<br />
</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-08-31T13:26:08+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/07/ips_1.html">
<title>iPS細胞の夢とさらにその先の夢</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/07/ips_1.html</link>
<description><![CDATA[<p>まあ、iPS の現実に関してはこれくらいにして、オレらしく少しＳＦ的な可能性について考えてみたい。</p>

<p>ｉＰＳ細胞は多能性を持った細胞だ。つまり体を構成するいかなる細胞も作ることができる。</p>

<p>それはどういうことかというと、一人の大人の皮膚細胞から、精子も卵子も作ることができるって事なんだよね。男性の皮膚細胞から、精子でも卵子でも作れるし、女性の皮膚細胞から精子でも卵子でも作れるわけ。</p>

<p>それって、性染色体は一体どうなっとるんじゃいと思うかもしれないけど、女性皮膚細胞由来の精子の性染色体はＸＸだし、男性の皮膚細胞由来の卵子の性染色体はＸＹだ。つまり、性染色体の違いだけでは、精子になるか卵子になるかは決まらない。</p>

<p>すると、原理的には自分の皮膚から取った細胞で、精子と卵子を作り、それを受精させて、借り腹で子供を作ることができる。自分の遺伝子だけで自分の子供が作れるわけね。</p>

<p>この場合、性染色体がＹＹの組み合わせになった受精卵は、正常発生できないか先天異常か死産になるだろうけど、それ以外は正常な子供として産まれてくる。</p>

<p>そしてこれは、クローンとは違うんだよね。</p>

<p>本人の細胞由来の精子や卵子は、減数分裂で２本一組だった染色体の片方しか持っていない。つまり、本人の父方の染色体か、母方の染色体がそこにあるわけだ。しかも、厳密に言えば、父方の染色体も、母方の染色体も、同じコードの場所がモザイク状に相同組み換えがおきているので、その人の母親のものとも父親の物とも違った染色体になっている。</p>

<p>それを受精させて子供にした場合、それは本人とは、遺伝的な構成がかなり違ってくる。すくなくとも、兄弟姉妹と同程度には、遺伝的に違う子供になる。遺伝病の発症確率は近親婚よりやや高まるけど、まあそれはいいか。</p>

<p>でも、そんなのちょっと気持ち悪いし、そこまでして自分に似た遺伝子を持った子供作るのは倫理的にダメなんでないのと思った人も多いと思う。</p>

<p>でも、これって、同性愛カップルが、自分たち二人の遺伝的な要素を受け継いだ子供を持ちたいと思ったとき、それを可能にする技術でもあるんだよね。そうなると、それはどうしたらいいかとか。</p>

<p>また、一人の大人の皮膚細胞から、精子も卵子も作ることができるとすれば、これは、精子や卵子が作れない人にも、自分の遺伝子を受け継いだ子供を持つ希望を与える、究極の不妊治療になるわけね。</p>

<p>もっとも、これは理論的な可能性で、技術としては、実現にいくつか壁がある。</p>

<p>iPS 細胞から生殖細胞ができることは、これまでキメラマウスで確かめられている。なんでキメラマウスを使うかというと、ES細胞やiPS 細胞にある万能性という言葉の意味は、全身のいかなる細胞にも分化できるけど、胎盤の細胞にはなれない性質ということだから。</p>

<p>（実はこのへん、訳語に混乱がある。受精卵だけが持つ胎盤にもなれる性質はtotipotentで全能性。体性幹細胞など特定の系列の細胞にしかなれない性質はmultipotentで多能性。で、iPS のＰであるpluripotentは万能性のはずなんだけど、山中さんは多能性と呼んでいる）</p>

<p>iPS 細胞は胎盤になれないので、それだけでは子供にならないけど、別系統のマウスの初期胚とまぜてやると、両者の細胞がモザイク状に混ざったキメラが産まれる。で、そのキメラマウスをたくさん調べると、中には精巣や卵巣の細胞が、iPS 細胞起源のものもいるわけね。</p>

<p>面白いのは、ジャームライン・トランスミッションといって、体細胞の全てがiPS 細胞起源のマウスも現れること。実はiPS 細胞はES細胞より、ジャームライン・トランスミッションが起こり易いみたい。</p>

<p>あと、テトラプロイドレスキューといって、染色体を人工的に４倍体にした胚は、胎盤にしかなれない性質があるので、これとiPS 細胞を混ぜてやると、確実にジャームライン・トランスミッションの子供を作ることができる。つまりこれはiPS 細胞由来のクローンってわけね。</p>

<p>ただ、これは実験動物だからできることで、ヒトの４媒体胚を作ったり、ヒトのキメラを作って、iPS 細胞由来の生殖細胞を作るのは、ちょっと憚られるよね。</p>

<p>まあ、いつか、試験管内でiPS 細胞を培養しながら、条件をコントロールして、精子や卵子にする技術もできるとは思うけど、今のところは、それはどうしたらできるのか、皆目見当が付いていないに等しい。だから、誰でも単為生殖ができる時代は、まだしばらくはお預けだ。</p>

<p>ただ、これが可能になると、もっととんでもないことがおきる。それはデザイナー・チャイルドの実現を阻んでいた外堀が、埋められちゃうってことだ。</p>

<p>デザイナーチャイルドとは、親が子供に、好みの遺伝子改変を施すものだ。<br />
これについての批判は、昔「<a href="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2005/05/post_11.html">育種と優生学（上）</a>」「<a href="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2005/05/post_12.html">育種と優生学（下）</a>」で書いたので、良ければ読んでちょ。</p>

<p>でも、特定の遺伝子を好みのものに取り替えるには、膨大な試行錯誤が必要で、ヒトのES細胞では事実上不可能だった。</p>

<p>でも、iPS 細胞なら、遺伝子の取り替え（相同組み換え）の試行錯誤はいくらでもできるので、その壁は取り払われる。</p>

<p>ただ、どの遺伝子をどう取り替えたら、どんな性質になるかということの大半は、実験してみないとわからない。つまり、実験動物ならできるけど、ヒトでそれを試すのはこれまたちょっとやりにくい。</p>

<p>ある遺伝子を変えたとき、それでどんな変化が起きるかは、大人になるまで育ててみないとわからない。大人になってから、狙いと違いましたではすまないもんね。</p>

<p>でも、遺伝難病の遺伝子を削除するみたいなことから、それが始まっていく可能性は否定できないのよねん。</p>

<p>そして、それが進んでいくと、人類という種が消え失せてしまう事だってあり得るのねん。まあ、人類が人類でないものに変わったとしても、そのときはそのときだけど。<br />
</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-07-29T07:45:36+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/07/ips3.html">
<title>iPS細胞の夢と現実・その3</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/07/ips3.html</link>
<description><![CDATA[<p>ｉＰＳ細胞には大きな可能性がある。<br />
でも、メディアはその夢を過剰に語ってしまった。</p>

<p>実際、山中さんのところには、昨年１１月のｉＰＳ細胞作製成功の発表以来、患者や家族からの問い合わせが数百件寄せられているそうだ。</p>

<p>難病に苦しむ当事者にとっては、多少のリスクがあっても今すぐ再生医療を試したいという思いがあるのだろう。でも、ｉＰＳ細胞はまだまだ研究の途上で、安全性などの観点から、医療応用の見通しは立っていないというのが現実だ。</p>

<p>まず、なぜ、がん化がこれほど警戒されているのかというと、ｉＰＳ細胞は、成人の細胞に、３または４種の遺伝子を、レトロウイルスを使って組み込んで作っているからだ。これは、遺伝子治療と基本的に同じやり方なのね。</p>

<p>でも、遺伝子治療には苦い失敗の歴史がある。</p>

<p>２００２年に、フランスで行われていた遺伝子治療実験で白血病が発生し、研究は停滞を余儀なくされているのだ。</p>

<p>この治療は、Ｘ連鎖性複合免疫不全症（X-SCID）という難病（ドラマとかで時々出てくる、無菌室でしか生きられない子供がこれね）に対して、レトロウイルスベクターで、γc 遺伝子を造血幹細胞に導入するというもの。</p>

<p>当初はこれで、免疫系が正常化する良い結果が出ていたんだけど、しばらくすると１２人の治癒者中３人が白血病になってしまった。</p>

<p>その原因は、レトロウイルスが染色体上にランダムに組み込まれ（レトロウイルスでは、ＤＮＡ上の意図した場所に挿入することも、数をいくつ入れるかも制御できない）、がん化抑制遺伝子などを破壊したからと考えられている。</p>

<p>で、ｉＰＳ細胞もレトロウイルスベクターを使っているので、同じ危険性がある。これをどう回避するかなども、今後研究を進めないといけない。</p>

<p>あと、ヒトの細胞（繊維芽細胞）はレトロウイルスに超感染しにくいので、山中さんのところでは、ヒトの細胞にマウスのレトロウイルスレセプターが発現するような遺伝子改変を施して、マウスのレトロウイルスを感染させることで遺伝子を組み込んでいる。</p>

<p>これをそのまま分化させて人に使うと、マウスのレトロウイルスが感染する細胞を持った人になるので、考えようによってはかなり危ない。へたすると、その移植患者から、新たなエマージェント・ウィルスができかねないもんね。</p>

<p>つまり、今あるiPS 細胞は、すぐに再生医療に使えるような物ではなくて、実験用プロトタイプみたいなものなのね。</p>

<p>さらに、そもそも再生医療というものが、どれくらい使い物になるか、全く未知数という現実もある。メディアはかなり夢を語っているけど、本当は再生医療はまだかぎりなく理論的な可能性に近い。</p>

<p>マウスとかでは良い感じの結果が出ているのもあるけど、それがヒトでも可能という保証はない。たとえば脊椎損傷は、小さなマウスでは良い結果が出ていても、体の大きな人でもうまくいくかどうかは、やってみないとわからない。サルでも巧くいっているので、可能性は少なくないとはいえ、絶対に巧くいく保証はない。</p>

<p>あるいは、網膜細胞を作れたとして、それを目に移植するだけで見えるようになるかというと、それはまず不可能だろう。ニュースなどでは、ｉＰＳ細胞でこれこれができましたという話が散発的に出てくるけど、それがすぐに医療と関係するというわけではない。</p>

<p>そのほか、幹細胞の分化などの基礎科学についてもわからないことだらけで、、まだまだ膨大な知識を得る必要がある。</p>

<p>ネットとかを見ていると、難病にあえいでいる方たちが、あちこちで、すぐにも癒るかもという期待を書いている。でも現実は、再生医療が本当に使いものになるか否か、確かめるための糸口が見つかったという程度にすぎない。</p>

<p>本当に治療できる保証はないし、治療として確立するとしても、長い道のりと時間が必要なんだよね。この事実を伝えず、夢を語りすぎのメディアは罪深いと思うんだよな。<br />
</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-07-29T07:14:00+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/07/ips2.html">
<title>iPS細胞の夢と現実・その2</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/07/ips2.html</link>
<description><![CDATA[<p>歴史的にみて、ＥＳ細胞は、再生医療との関係で注目され、報道されてきたので、ｉＰＳ細胞もそのための細胞として盛んに紹介されている。</p>

<p>でも、現実的に考えると、それが可能だとしても実現への道のりはまだまだ険しい。じゃあ、ｉＰＳ細胞が医療に直接貢献するのはまだ先の話かというと、必ずしもそうじゃない。ｉＰＳ細胞には、他にも使い道がいろいろある。</p>

<p>実際、山中さんの発表に、現時点でいちばん反応しているのは、医薬品メーカーだそうだ。というのも、ｉＰＳ細胞を使えば、今まで不可能だった実験が可能になるからなんだよね。</p>

<p>たとえば難治性の遺伝病の治療薬を新しく作ろうとするとき、それを患者本人に投与して効果を見るということは、なかなか難しい。</p>

<p>どんな副作用が出るかわからないし、そもそもその病気がすごくマイナーだったりすると、臨床試験をする人数を集めることも難しかったりする。</p>

<p>でも、その病気にかかっている人本人の、薬のターゲットになる細胞を、ｉＰＳ細胞で作ることができれば、その細胞を培養し、薬品を与える実験を行って、実際の効果を調べることができる。</p>

<p>つまり、どんな薬が有効かある程度見当がつくし、副作用に関する予測もできるわけね。そしてこういう使い方なら、細胞を人間に移植するワケじゃないから、ガン化を心配する必要もないし、いますぐ実用的に使い始められるわけ。</p>

<p>また、このやりかたなら、特別な遺伝病でなくても、患者本人の細胞で、その人の体質にあった薬を選択する、オーダーメード医療のようなことも可能になるはずだ。たとえば、ある人にとって、副作用が少なくて効果の高い制がん剤をえらぶとか。</p>

<p>また、山中グループでも、この４月から、筋ジストロフィーや先天性貧血、１型糖尿病など10種類の病気について、ｉＰＳ細胞を使ってそれらの原因細胞を作り、病気の発症前から発症の過程を観察して、治療につなげる研究を開始する。</p>

<p>これは、医学目的ではあるけど、生物学の基礎ともかぶる部分が多いはずで、ピュアサイエンスとしても面白い成果が出てくるかも知れない。</p>

<p>つまり、ｉＰＳ細胞を使えば、これまで不可能だった、あるいはこれまで考えることもできなかった、新しい医療研究や生物学の研究を様々に行うことができるんだよね。</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-07-29T07:01:23+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/07/ips.html">
<title>iPS細胞の夢と現実・その１</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/07/ips.html</link>
<description><![CDATA[<p>皆さんご存じの通り、昨年の暮れから、京都大学教授の山中伸弥さんたちが作ったｉＰＳ細胞が、大きな期待を集めている。</p>

<p>ｉＰＳ 細胞のアイデアは、世界に類のない独創的なものだ。そのうえ、非常に応用範囲が広い技術なので、これから医学だけでなく、生命科学などの広い分野の研究者たちが、ｉＰＳ細胞をなくてはならない研究材料として活用して、多くの価値ある研究がされるだろう。</p>

<p>一般にはあまり意識されていないんじゃないかと思うけど、ノーベル賞っていうのは、全く新しい研究分野を切り開くような概念や、装置の開発に対して与えられることがほとんどだ。つまり、研究者たちの、新しいメシの種になるような発見と開発が、ノーベル賞の対象になることが多いのね。</p>

<p>山中グループのｉＰＳ細胞樹立は、まさにそういった成果なので、いつか確実にノーベル賞を授賞するとは思う。</p>

<p>で、このｉＰＳ細胞とは何かというと、大人の皮膚の細胞に４種類、または３種類の遺伝子を入れることで、あらゆる細胞に分化する能力＝多能性を持たせた細胞のことだ。</p>

<p>多能性のある細胞は、再生医療を可能にする細胞として、以前から注目されてきた。つまり、この種の細胞に何らかの処理を施して、ある特別な細胞に分化させることができれば、それで病気の治療ができるんじゃないかというコンセプトね。</p>

<p>たとえば、糖尿病の人には、インシュリンを分泌する細胞を作って、それを移植してやればなおすことができるはず、というわけ。</p>

<p>で、多能性がある細胞としては、ＥＳ細胞（胚性幹細胞）というのが、以前から作られていた。でも、これは出産可能な受精卵を壊さないと作れないので、強い倫理的な批判にさらされていた。</p>

<p>でも、ｉＰＳ細胞は成人の色々な組織細胞から作れるので、そういう倫理問題は存在しない。</p>

<p>また、ＥＳ細胞で目的の細胞を作った場合、それは移植を受ける人の細胞とは遺伝的に別物なので、病気は治るにしても、必ず拒絶反応が起きて、生涯免疫抑制剤を飲み続けなければいけない。</p>

<p>でも、ｉＰＳ細胞なら、本人の細胞から治療目的の細胞を作ることができるので、拒絶反応は、たぶん起きない。（たぶんというのは、これについてきちんと実証されていないから。同じ遺伝子から作られた細胞でも、後から体内に入れたものだと拒絶反応が起きないとは言えない）</p>

<p>この２点は、ＥＳ細胞に比べると画期的なことで、これで、再生医療が劇的に進むという話がメディアではメチャクチャたくさんされている。</p>

<p>ただ、これは可能性としては確かに期待できるんだけど、世間で思われているほど巧くいく保証はないし、実際にそういう医療が現実になるまでの時間も、数年とかでは絶対にムリで、多くの人の想像を超えて長くかかることになるだろう。</p>

<p>そもそも再生医療についても、期待が大き過ぎる感じがする。<br />
場合によっては、脳以外の体中の臓器を新しくして、将来は、永遠に近い命も可能になると言うことを言う人もいるけど、そこと現実のギャップはものすごく大きい。</p>

<p>たとえば、今のテクノロジーでは、臓器をまるごと１個、人工的に作ることさえほぼ不可能だ。つまり人工的に心臓とか肝臓を作って移植するのは、まだ限りなくＳＦに近い世界ってワケね。</p>

<p>これまでのところ、太い血管や角膜はまあできているし、膀胱も曲がりなりに作れる感じではあるけど、大半の臓器は、基本的にどうやって作っていいか見当もつかない感じだ。</p>

<p>たとえば心臓は、無数の心筋細胞がマトリックス（細胞と細胞の間をつなぐ物質、コラーゲンなど）でつながっていて、マトリックスの中にはその細胞に栄養を供給する血管や信号を伝達する神経が埋まっている。つまり色々な種類の細胞が複雑な構造を作っていて、そんなのはとても作れない。</p>

<p>ただ、一種類の細胞を無限に増殖させることや、その細胞をシートの形に培養することはできる。そして、病気を治す医療という観点からは、ダメになった臓器を総取っ替えしなくても、そこに機能する細胞を埋め込んだり、損傷を受けたところに細胞シートを貼ったりするだけで、かなり有効ってケースがある。</p>

<p>たとえば、難病の神経変性疾患や脊髄損傷、腎不全、糖尿病、肝硬変、心筋症などなど、この方法でかなり楽にできたり、根治できる可能性すらある。（原理的な可能性と動物実験での結果しかないので、これも期待のしすぎは禁物だけど）</p>

<p>こういう治療に用いる細胞として、以前はＥＳ細胞か、組織性の幹細胞を使うしか無くて、ハードルがものすごく高かった。でも、本人のｉＰＳ細胞を使えば、原理的に、この種の治療への道が大きく開かれることは間違いない。</p>

<p>ただ、現時点ではまだ、そこへ素直に到達できるワケでもない。</p>

<p>山中さんのｉＰＳ細胞は、この種の治療という観点からは弱点がある。</p>

<p>それは、一つには、４因子方の場合、導入する遺伝子のうちc-myc が、ガンの遺伝子だってことだ。そのため、このｉＰＳ 細胞を混ぜて作ったキメラマウスの約２割に、甲状腺腫瘍ができている。</p>

<p>これに関しては、マウスでもヒトでも、ガン遺伝子を除いた３因子でもｉＰＳ 細胞が作れることがわかって、甲状腺腫瘍もできないことが明らかになっている。</p>

<p>ただ、４因子方でさえ５千個の皮膚細胞に対して１個の割合でしかｉＰＳ 細胞が作れないのに、３因子方だとさらにその百分の１から千分の１くらいの歩留まりでしかない。いちおう、３因子法に微小ＲＮＡを加えることで、制作効率を４倍改選する方法が見つかっているけど、歩留まりの改善はまだまだ必要だ。</p>

<p>それに、歩留まりが上がっても、遺伝子の導入にレトロウイルスを使っているので、それによるガン化の危険性も否定できない。</p>

<p>レトロウイルスは、細胞の遺伝子にランダムに挿入されるので、がん化を抑える遺伝子などの中に挿入されてそれを破壊してしまうこともあるからだ。ただ、これも、胃粘膜や肝臓細胞をベースにｉＰＳ細胞を作ると、レトロウイルスが挿入される部位が限られるのでチェックがしやすいなど、工夫はいろいろ考えられているので、絶対に乗り越えられないわけではないだろう。</p>

<p>そんなこんなで、人間への移植医療に使うには、安全性の確認という観点から、乗り越えなきゃ行けないハードルはいくつもある。</p>

<p>そしてこれをクリアするには、激烈な競争で猛烈に研究が進んでいるといっても、臨床試験に入れるようなシステムになるだけでも、少なくとも１０年以上の時間が必要になるだろう。<br />
</p>]]></description>
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<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-07-29T05:19:52+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/06/post_143.html">
<title>遺伝子削除作物</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/06/post_143.html</link>
<description><![CDATA[<p>既存の遺伝子組換え作物が人体に少しでも害を及ぼすとは、オレは全く思わないんだけど、世間的には「ケガれた」存在と認識されてしまっていて、これはもうどんなに理を解いても、なんとなくイヤだなって思っている人の気持ちを変えるのはまあ不可能なんだろうね。</p>

<p>食べたら虫が死ぬようなものを、人が食べても大丈夫なの？みたいな不安は、まあ、ほとんど、そういうものが産まれてきたいきさつを知らない無知によるものなんだけど、そう思う人が出てしまうのも、致し方なしとは思う。</p>

<p>オレは値段が安けりゃ５万トンでも食うけどね。（ ・∀・ ）</p>

<p>で、結構前のことなんだけど、遺伝子削除作物というのを考えた。</p>

<p>遺伝子組換え作物は、なにか別の遺伝子を加えているから、みんなに怪しまれる。虫にしか有毒でない物質を作る遺伝子を、カビから取ってきて入れるとか。</p>

<p>でも、逆に作物から遺伝子を削除するだけならどうだろうか。</p>

<p>一般的な品種改良や、遺伝子組換えは、様々な環境に対する耐性をつけたり、如何に収量を上げるか、栽培をしやすくなるかを目的に行われる。</p>

<p>生物の持つ遺伝子の大半は、実は耐環境性のためにある。</p>

<p>温度が変動したり、ｐHが変動したり、バクテリアやウイルスに耐えるためとか、台風の風で倒れないように背丈を小さくしたりといったこと。品種改良はそういうところにフォーカスして行われる。</p>

<p>でも、人工環境で栽培することを前提にすると、そういう遺伝子は必要無くなるのね。</p>

<p>だから、完全に温度もｐHも光の量もコントロールされ、かつ無菌の環境での栽培を前提にして、耐環境遺伝子をどんどん削ってしまう。</p>

<p>すると、その作物は、人工栽培環境下でしか生きられないけど、耐環境遺伝子がない分、そういうことの無駄にエネルギーを使わないので、効率よく育つようになるかもしれない。</p>

<p>これだと、別の生物から「農薬成分」みたいな新しいものは何も持ってきていないので、それで怪しいといわれる筋合いはないと思う。</p>

<p>まあ、あまり色々削りすぎると、作物の味覚や香りなどは、病害虫を寄せ付けないための防衛物質によるものもあるだろうから、味も素っ気もなくなってしまう可能性もある。まあ、そこは適当にバランスさせるわけね。</p>

<p>原理的には、水耕栽培などの人工環境で、すべての作物は栽培可能らしい。</p>

<p>もっとも、この種の人工栽培は、これまでコストの面で露地栽培に全くかなわないので、サラダ菜とか、ごく限られたものしかないし、技術的にあまり深く検討されてきていない。</p>

<p>向き不向きもあって、たとえばイモ類は、土の圧力がないとイモにならない。だから、培養液につけただけだと、葉っぱはぼうぼう茂るけど、イモが全くできなかったりするみたい。でも、これも、培地を工夫したり、圧力をかけて栽培することで、イモを生らすことができるという。</p>

<p>このところの世界的な燃料コストの上昇で、農作物を作るための燃料費が上がったことで、食べ物の値段が上昇し、食料自給率、食糧安保ということが問題視されてきている。</p>

<p>ということは、ある程度高コストでも、人工栽培の作物の意味が相対的に出てきているのではないかな。</p>

<p>たとえば、地下に水耕栽培設備を作れば、温度コントロールなどにかかるエネルギーは少なくてすむ。</p>

<p>地下でなくても、製鉄所とか火力発電所のすぐそばにこういう農作物工場を作るのもいいかもしれない。工場から排出される炭酸ガスをここに入れて、炭酸ガスリッチな環境で栽培すれば栽培効率も上がるし、工業設備の廃熱を利用して、環境の温度のコントロールをすることもできる。</p>

<p>光は、作物が効率よく取り入れられるLED光を使い、２４時間栽培するか、昼間電力が高いなら、夜間電力をメインに使ってもいいだろう。</p>

<p>すでに今の農作物は、年中食べられるトマトとかイチゴとかに象徴されるように、ハウス栽培で、かなりのエネルギーを投入することで作られているものが少なくない。</p>

<p>だから、作物工場のような人工環境を前提に、遺伝子削除作物を作れば、露地栽培の作物との価格差はかなり縮められるのではないだろうか。</p>

<p>しかも、農薬とかを一切使わないのに病気もないものが作れる。</p>

<p>また、気候変動による不作の影響もほとんど受けず、食糧自給率に対する不安もかなり解消できるんじゃないかな。</p>

<p>ただ、一つボトルネックがあるとすると、農作物は、薄利で膨大な量を売ることではじめて利益が出るものだってことだろう。</p>

<p>遺伝子削除作物と作物工場のセットを開発するには、膨大な金額の初期投資が必要になる。従来の農業の発想では、そんなお金はどこからも出しようがない。</p>

<p>世界の誰もまだ心みていないものに、どかんと金を出す必要がある。こういう事って、日本は苦手なのよねん。</p>

<p>ヒトゲノムプロジェクトがはじまる前、生命科学にこんな膨大な予算をつけるなんて意味ないしバカげているって声がだいぶあった。でも、今では、得られた成果は生命科学の分野を革命的に変えて、ものすごい発見や、新しい技術開発に無くてはならないものになっている。</p>

<p>世界に先駆けていろいろやっとくと、知的財産としても良い感じになるんでないかなあ。</p>

<p>現状、なかなか難しそうだとは思うけど、もしそういうことができれば、将来的には電力会社や製鉄会社が、農作物を売るようになるかもね。</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-06-30T10:38:51+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/06/post_142.html">
<title>イカ釣り漁がたいへんらしい</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/06/post_142.html</link>
<description><![CDATA[<p>するめうまいんだな。<br />
あたりめとか、食べ始めるといくらでも食べたくなる。<br />
いまきづいたが、あたりめってのは、縁起を担いだ言葉なのか。<br />
それはともかく、</p>

<p>燃料費の高騰で、イカ釣り漁が採算割れしているという話はしばらく前から聞いていたけど、昨日テレビで、集魚灯の電力が燃料費の７０％を消費しているってはなしを聴いた。</p>

<p>イカ釣り漁の集魚灯の明るさは、宇宙からも異常と言っても良い範囲で光っているのが見えたりする。</p>

<p><a href="http://www.esl.co.jp/Houkoku/6.htm">夜間可視衛星画像によるサンマ・スルメイカ漁船分布の解析</a></p>

<p>あれはどう見ても、超無駄なんでないのって思った。</p>

<p>イカ釣り漁船のランプは完全にむき出しだ。あれでは少なくとも半分の光は無駄になる。上に逃げる光を下へ反射させるミラーの傘をつけてやれば、理想的には半分の燃料で同じ効果が出せる。</p>

<p>そうなれば、宇宙から光を見られて恥ずかしい思いもせずにすむ。</p>

<p>まあ、これは集魚灯に限らず、地上の街頭も、こういうやり方でできるだけ省エネにして欲しいと思うんだけどね。デザイン重視で、上に向かっても光を放つものがけっこうあるかんじだけど、そういうデザインに規制をかけてもいいのかもなあと思う。</p>

<p>イカ釣りの集魚灯に関しては、ミラーの傘をつけるだけで、理想的には燃料費の３５パーセント近くが減らせる。それができれば、相当楽になるんでないか。</p>

<p>……とか思ったら、すでにそういう主張をしている、<a href="http://mirai00.hp.infoseek.co.jp/ika1.html">漁り火を考える</a>というWebページを見つけた。</p>

<p>このページによると、集魚灯をLEDに変えるなど新しいシステムを開発して、集魚灯の消費電力を３分の１にすれば、年間４００万円の経費節減ができるとのこと。</p>

<p>まあ、新しいシステムを開発したり、それを購入するにはかなりお金がかかるので、今すぐそういうことをするのは不可能だろうけど、今のこの燃料費高騰の時期を乗り越えれば、省エネ集魚灯の導入を考える人も出てくるんじゃないかな。</p>

<p>それにしても、イカ釣りに必要な光の量について、これまで学問的にどのていど検討されているのだろうか。</p>

<p>おそらく、イカには昼は上の方に上がり、夜は深海に潜る習性があって、イカ釣り漁は、イカに上が昼と誤認させるために集魚灯を使っている。</p>

<p>また、非常に単純な仕掛けのロボットで釣り上げていて、これは大量の群れが上に上がってくることを前提にしているのだろう。</p>

<p>そういうわけで、船団を組んで、海を面的に光らせて、かつ深海までその光が届く必要はたぶんある。</p>

<p>でも、これまでのイカ釣りの集魚灯は、経験的に明るきゃ明るいほど釣れるんじゃないかみたいな感じで決まってきたものだろうし、そのため何処まで暗くしても大丈夫かとか、どういう当て方が良いかは、あまり掘り下げられていないんじゃないかと思うんだよね。そんな研究につきあってたら、稼げないもんね。</p>

<p>まあ、研究があったとしても、これまではあまり漁民が取り入れる気にはならなかったんだろうけど。<br />
</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-06-30T10:06:16+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/06/post_141.html">
<title>スキンタイト宇宙服</title>
<link>http://www.blwisdom.com/blog/shikano/archives/2008/06/post_141.html</link>
<description><![CDATA[<p>宇宙服と言えば、<a href="http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200806131823">NASAも新世代の宇宙服のイメージ</a>を発表している。</p>

<p>正直、萌えが足りないね。</p>

<p>これからの宇宙服と言えば、これまで何度かコメントを寄せていただいた、SF作家の野尻抱介さんの作品に登場する、スキンタイト宇宙服みたいのが絶対欲しいところ。</p>

<p>つまり、肌にぴっちりフィットして、自由に動き回れるって感じの宇宙服ね。</p>

<p>ガンダムに出てくるノーマルスーツも、まあ、あれはボディラインが際だつほどではないけど薄手な服で、NASAのやつみたいにボコボコしていなくて、かなり気楽な感じ。</p>

<p>ああいうものは、現実には作れないのだろうか。</p>

<p>実はそういうものを研究している人もいて、たとえば、<a href="http://mvl.mit.edu/EVA/biosuit/index.html">ＭＩＴのダバ・ニューマン教授は、バイオスーツ</a>という名前で、スキンタイト宇宙服の研究を行っている。</p>

<p>全身を覆うスーツに、伸縮性がある生地を使えば、体にぴたっとフィットして動きやすい。ただそれは、ふつうは空気のある地球上でしか成り立たない。</p>

<p>伸縮性があるということは膨らむと言うことで、内部に空気があると、どうしても風船になってしまう。繊維が伸びられるだけ膨らんで、パンパンのボールみたいなのになっちゃうわけね。</p>

<p>ただ、人間が体を動かすとき、皮膚は均等に伸び縮みしているわけではなく、大きく伸びるところと、少ししか伸びない場所がある。</p>

<p>そこで、そのほとんど伸縮しないラインを探し出して、その線に沿って強度の強い伸縮しないケブラーなどの糸を入れ、その糸の力で服が膨らまないようにするってのが、バイオスーツの仕組みだ。</p>

<p>イメージとしては、きめの細かいビーチマットみたいな感じで、伸び縮みしないライン以外のところは、カマボコ状に膨らんだキルトっぽい感じになると思うけど、これだと体にフィットして、かつ服の内圧を１気圧にしても、わりと自由に動ける宇宙服になるはずだ。</p>

<p>ただ、この伸縮しないラインを探すのは、それほど簡単な事じゃないみたいで、アイデアは面白いと思うけど、理想的なものはなかなか難しいみたい。まあ、昔からある宇宙服の一部に、この発想を取り入れるという感じが、現実的な回答なのかも。</p>

<p>そこでちょっと、ぼくのオリジナルの思いつきを披露しよう。<br />
それは、服と体の間に、液体を満たす方法だ。</p>

<p>いにしえのＳＦテレビドラマに、『謎の円盤ＵＦＯ』ってのがあった。<br />
そこに出てくるインベーダー（といっても、さらわれた人間が洗脳されて使われている）が着ている宇宙服には、緑色の液体で満たされていて、液体を呼吸する作りになっていた。</p>

<p>これに近い感じで、首から下のスキンタイト的な服の中に液体を満たしてやる。</p>

<p>すると、液体は体積を変えずに変形できるので、服自体は膨らむことなく、全ての関節を自由に曲げ伸ばしできるわけ。</p>

<p>超深海に潜るわけじゃないから、液体呼吸にする必要はないので、首から上のヘルメットの中は１気圧の空気を呼吸すればいい。</p>

<p>問題は、真空だと、たいていの液体は沸騰しちゃうんだよね。宇宙服内で液体が沸騰すれば、やっぱりパンパンに膨らんで使い物にならない。</p>

<p>ところが、世の中面白いもので、真空中でもほとんど全くと言って良いくらい蒸発しない液体がある。</p>

<p>最近研究が進みつつある、イオン液体という物質がまさにそういうもので、これを使うと真空中の映像しか見られないはずの電子顕微鏡で、濡れた生物切片とかを観察できる。</p>

<p>塩化ナトリウムは常温で固体だけど、高温にすると結晶がとけて、ナトリウムと塩素がばらばらに混じり合った液体になる。この液体は、熱くても蒸発しない。</p>

<p>で、それと同じように、イオン液体は常温で液体なのに蒸発しない。昔は、蒸気圧がゼロとさえ思われていたらしい。</p>

<p>イオン液体というカテゴリーには、いろいろな物質があって、種類によって生物親和性が良かったり、電気伝導に優れていたりするので、皮膚の保護や放射線の防御、冷却機能などを持たせたイオン液体を作ることもできるかも知れない。</p>

<p>これだと服を着てから、液体を注入するという手間はかかるけど、体にフィットして動きやすいものになるんじゃないかなあ。</p>

<p>将来の宇宙服は、バイオスーツやイオン液体スーツを肌着的に着用して、必要に応じて、その上からパワード・スーツを着るみたいなのが、標準的な運用になるのかもしれない。</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>shikano</dc:creator>
<dc:date>2008-06-29T09:35:12+09:00</dc:date>
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