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2009/05/03

きちがい憲法

日本国憲法はきちがい憲法である。

アメリカの純粋な若者たちが、自国の憲法よりも遙かに理想に近い理念を文書化し、その心意気に日本の憲法学者たちも深く共感してできあがったのが、今の日本国憲法だ。女性に関する権利とかは、当時のアメリカより進んでいたしね。
カントの「永遠平和のために」をそのまま憲法にしたよなもの。
これは、はっきりいって、スタートレックの「艦隊の誓い」に匹敵する空想的な憲法で、このようなものがこの世に存在し得たのは、奇跡としか言いようがない。

そしてキチガイほど強力な武器はない。バカとハサミは使いよう。

あんな小国の北朝鮮が、国際政治の中で、なんだかんだ言って自分の思い通りの利益をあげていくのは、そのふるまいに、他国の想像を超えた常軌を逸したところがあるからだ。そのキチガイっぷりが武器になっているのだ。

同様に、日本国憲法のもつキチガイっぷりも、使いこなせば、生き馬の目を抜く国際政治の中で、非常に強力な武器になるにチガイない。憲法を立てに、やりたくないことはやらないとはっきり主張したり、こういう事を世界で実現すべきだと主張することができる。その奇抜な主張は、他国の頭をしばし真っ白にさせて、それに乗じて日本の国益を確保できるはずだ。

しかし、これをやるには、高度な外交力、優れた交渉力、深い人間知をを持つ人材が、非常にたくさん必要になる。

日本国憲法では、国際紛争を解決する手段としての軍事力を放棄しているわけだ。
つまり、日本は、軍事ではない力によって、国際紛争を解決するための強靱なシステムを持つべきということが、憲法に書かれているわけだ。

まず第一は、有能な外交官の育成だろう。
自民党政府は、ミサイル防衛のために、これから毎年最低2000億円以上の予算を計上していくつもりらしい。その金額は、将来もっともっと増え続け、80兆とか凄い金額になると言う話も聞く。まあ、そもそもミサイル防衛ってのは青天井なので、そうなっても不思議はない。

一方、一人の有能な外交官を育てるのに、一年1億で20年かけるとして20億。2000億なら、100人が育てられる。20年後には1000人の有能な人材ができている。まあ1000人ではまだちょっと少ないかな。80兆円なら400万人育てられるけどね。

 ただし、この有能な人材の育て方には注意が必要だ。彼らは古い意味でのエリートであってはならない。エリートは、戦前からというか、たぶん明治以降、しばしば日本をミスリードしてきた元凶だからだ。

 小学校時代は、地域の子供たちが、近くに住んでいるという基準だけで集まっているので、かなり色々な社会階層の子供たちがいる。でも、政府の中枢に入っていくようなエリートは、もともと金持ちが多く、中学高校大学へと進むうちに選抜されて、非常に均質な、おなじような世界観しか持っていない人たちに純化されてしまう。彼らは、語り合う友人たちも全て同じような人たちで閉じてしまって、他の世界観を理解できなくなる。最悪なのは、自分たちのような考えを持たぬものは、劣っている、理解力がないなどと考えてしまうことだ。

 現代の高級官僚たちは、たぶん一般の人が想像するより、遙かに賢い。オレも若い頃、何人もの官僚たちを取材して、こんなに頭の良いやつ見たことねーって感嘆したことが何度もある。彼らが今ある地位に選抜されたのは、伊達じゃない。

 しかし、オレも長じてわかってきたけど、かれらはやはり理念の世界に生きていて、現実からは解離する傾向がある。大局観はすばらしいけど、現実をその方向に動かすために必要なことが何かに対する想像力が乏しい。純粋だがロバストでない。それは、エリートであるが故の宿命だ。そのすばらしい理想を実現するには、ぐしゃぐしゃどろどろした現実に何とか折り合いを付けないと行けないのだけど、そのことに思い及ばない。

 彼らの作る制度が、しばしば現場に大きなしわ寄せを課したりするのはそのせいだ。大日本帝国の軍事官僚たちが、今の目で見て常軌を逸した判断を下していったのも、そのせいだ。

 そのことについて、彼らを責めてもしょうがない。人とは弱い存在なので、そのように選抜されれば、そのようになるのはやむを得ない。だから、これからは、そんな欠点を生まないような選抜法やカリキュラムを深く考えて作る必要があるだろう。彼らを、知的エリートではなく、人間的に深みのある人物に育てなければならない。
 
 外交の基本というか、本質は、相手の文化を深く知ることだ。相手の文化の独自性を愛して、決して低く見ないことだ。

 自分の文化を深く愛してくれるものに対して、人は悪い思いを抱かない。相手の文化を深く理解するすることは、交渉において、押しどころや引きどころをつかむ基礎知識となる。

 これをするには、世界の全ての国の学校に優れた人材を送り出し、若いときから相手国の将来国を担うような人材と交流させるのが良いだろう。また、世界のあらゆる国から優れた人材に日本に留学して貰い、日本の学生たちの中で育って貰うことだ。

 さらに、異文化をおもしろがり深く理解し決して見下さない態度は、全ての日本国民に対しても教育していく必要がある。全てのメディアがそういう物の見方で世界を見ていく必要がある。

 もともと日本人は、外国からくる珍しいものをかっこいいと思う民族性のようなものがある。明治以降、舶来かぶれの人たちが、東洋を見下し西洋を持ち上げるいびつな物の見方を普及させてしまったのは、非常に残念だけど、それは今からでも修正できるはずだ。東洋もイスラムもアフリカもスラブもありとあらゆる異文化はそれぞれ面白いし尊敬に値する。

 そういう感覚が日本の国内に充ちれば、海外から日本にやってくる留学生たちも、日本により深い理解と共感を示してくれる可能性が上がるだろう。

 また、海外の平和、教育、医療などに従事するNPO、NGOなどに対する援助を戦略的に増やしたり、そういう活動に従事することのすばらしさを、全ての人の教育課程で繰り返し教えるのも良いだろう。

 その結果、実におめでたい人たちが、世界の隅々まで出かけていって、いっぱいいっぱい良いことしちゃうようになる。日本人といえばおめでたいよなって、世界中の人たちが思うようになる。それは、日本の外交において強力な力になるだろう。

 また、そのような活動に従事した人たちは、現実の厳しさ、この世の無情にさらされて、大きく成長するだろう。この平和な日本では、かえって得難くなってしまった試練を経て、人間とは何かの理解を深め、理想と現実のバランスの取り方を学ぶはずだ。そういう人材が、日本に増えることは、ますます日本の利益になる。

 そのように日本国憲法を戦略的に使えば、日本には独特の権威が生まれ、世界の中で確固たる地位を築くことができるはずだ。

 これはSFの人ならわかると思うけど、インスツルメンタリー・オブ・マンカインド、人類補完機構なのだ。

 コードウェーナー・スミスは東洋ファンで、東洋の不思議な統治システムに関心を持ち、その性質をもとに、人類補完機構というものを考えたのだと思う。

 西洋的な観点からは、実態がどこにあるかよくわからず、腐りきっているように見え、母親のように人々を支配し、それでも究極の危機にあたっては、どこからともなくそれに対処するものが出現して、被害を抑止する。その人類補完機構の性質は、西洋人には理解しがたい東洋の統治システムそのものなんだよね。

最終更新時間 2009年05月03日 10:39

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御説、おもしろく拝見いたしました。
些か飛躍するのですが、社会学者の泰斗が主張した、国民をある理想へと求心、誘導することこそが、政治家の使命であるということを思い出しました。
 現在の外交とは、恐らくは短期的な目標に基づくのです。さもなくば、民衆はそれを理解しますまい。
 しかし、外交は数十年、数百年先の見通しにも基づくものであるとも思います。
 有能な外交官が、その外交の持つ短期性と長期性を止揚しつつ、可能な道を選択する能力、ビジョンとは、果たして、どのような教育によって涵養せられるのか?実におもしろい問題であります。
  

投稿者 makopapa : 2009年05月06日 15:53

実におもしろい!アメリカに大学留学してた影響か、自分が女の為か日本社会は生き難いと思う時がある。日本は戸籍や住所の管理、福祉の考え方や隣近所との生活習慣など他国と比べ良い国だなぁと思うと同時に、考え方や行動に関しては閉塞的な感じもする。つまり「出る杭は打たれる」「協調性」「人さまに迷惑を掛けない」というように。『日本国憲法はきちがい憲法』には正直驚いたが、読んでニンマリしてる自分がいた。心の奥底から元気が沸いてきた。日本には静かだが凄いパワーがある。『使いよう』だ。

投稿者 mo : 2009年07月29日 11:54

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