プレ・パンデミックワクチン
新型インフル 医療従事者に事前接種へ 備蓄ワクチン6000人分
によると、日本は世界ではじめて、医療従事者などにプレ・パンデミックワクチンの接種を行うらしい。
あと、3000万人分のプレ・パンデミックワクチンを用意して、希望者には接種する方針みたい。
予算措置が決まってないので、どこまでできるかは解らないけれど、まあなかなかがんばってるってかんじ。
H5N1のプレ・パンデミック・ワクチンは、本物のパンデミックウイルスを完全に防げるかどうかは解らないけど、まあ、症状を軽く抑えてくれるのではないかと期待されている。現実には、起きてみないとわからないんだけどね。
プレ・パンデミック・ワクチンがある程度有効だとすれば、早いうちに多くの人に接種しておけば、パンデミックそのものを未然に防ぐこともできるかもしれない。
プレ・パンデミック・ワクチンというのは、トリのH5N1ウイルスをベースに作られたワクチンで、将来発生するかも知れない、ヒトのパンデミック・ウイルスとは別のウイルスがもとになっている。将来出てくるかも知れないウイルスのワクチンを、今作るわけにはいかないもんね。
で、強毒型のH5N1ウイルスは、毒性が強いので、鶏卵でワクチンを作ろうとしても卵そのものが死んでしまい、ワクチンの作製効率が非常に低い。
ところが、東大の河岡義裕さんとこで開発されたリバース・ジェネティクスを使って、強毒型ウィルスを弱毒型に改変し、それを使えばワクチンが効率よく作れるのね。
インフルエンザウイルスが、強毒型になるか弱毒型になるかは、ヘマグルチニンというウイルスから生えているとげを作るための遺伝子の配列で区別できる。で、強毒型の配列を弱毒型の配列と取り替えたインフルエンザ・ウイルスを作ってやると、免疫の性質は同じで毒性の弱い、あるいは毒性のないウイルスを作ることができるのねん。
ほとんど誰も議論していないと思うけど、パンデミックが起たとき、それが収まるには、人口の非常に多くの部分が免疫を獲得する必要がある。つまり、人口の大半がワクチンを接種するか、いちどそのウイルスに感染して癒らないとダメなのね。
そういう環境が整って、時間がある程度経過しないと、強毒型は弱毒型に進化できないと考えられる。
人類史上最悪の感染被害をもたらしたスペイン風邪は、はじめは非常に高い致死率のウイルスとしてはじまったけど、今ではほとんど人を殺さなくなっている。それは非常に多くの人が一度は感染したために、人から人へ移るのに時間が必要になったからだろう。
病原性が強すぎてすぐに人を殺してしまうと、次の人に移ることができないから、強力すぎるウィルスはやがて淘汰される。そして、強烈な症状を出さず、人を殺さないようなものが自然選択されて生き延びて、今のような状態になっているわけ。
パンデミックが起きたとき、そのウイルスで作るパンデミック・ワクチン(プレじゃないよ)は、そのときの流行には間に合わない。ワクチンの製造には半年ほどかかるから。
でも、翌年の流行期までには、パンデミック・ワクチンも間に合うだろう。
ただ、ワクチンで強毒型に対処するだけでは、人口の大半に回るまでには何年もかかるので、二年目からは一年目ほどの被害は出ないにしても、あちこちで死に至る強毒インフルエンザが散発的に発生し続けることになる。物騒でしょうがない。
これを回避するには、リバース・ジェネティクスで弱毒型ウイルスを作って、あえてみんなに感染させることが合理的でないかと思う。作った弱毒ウイルスを、スプレーで鼻かのどにシュッとすればOK。軽いインフルエンザにはかかるけど、死の恐怖からは逃れられる。
ちなみに、弱毒型ウイルスで免疫を獲得すると、強毒型に感染しないことは動物実験で確かめられている。
しかも人から人へとうつせば、非常に低コストで、かつすみやかに、人口の大半に免疫を獲得させることができる。
まあしかし、政策的にこれをやるのは無理じゃろうね。よっぽど大騒ぎにならない限り。
と、いうわけで、これはSFのお話でした。
WHOの試算では、パンデミックが起きた場合世界で最悪1億人が死ぬかんじらしい。1億は多い事は確かだけど、地球人口の2%未満にすぎない。人口は数年で回復する。
あと、プレパンデミックワクチンを3000万人に接種、希望者にも接種とか言っているけど、これで何が起きるかを予言しておくと……
3000万も接種すると、たぶん10人くらいは死ぬか重傷副作用が出る。もっと多いかな。
30人でも、0,0001パーセントね。
体質とかアレルギー反応とか未知の作用でこれくらいのことが起きるのは全く不思議じゃない。
そうすると、薬害だ、業者と癒着だとか、マスコミはそういう話を煽り立てることは間違いないね。
最終更新時間 2008年04月30日 09:05
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.blwisdom.com/mt/trackback/2914
このリストは、次のエントリーを参照しています: プレ・パンデミックワクチン:
» 新型インフルエンザに備える from FRONT-出版社ネットビジネス局長のしごとメモ
■新型インフルエンザの“リアル”を語ろう / SAFETY JAPAN [インタビュー] / 日経BP社 http://www.nikkeibp.co.... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2008年06月10日 18:29
プレパンテミックワクチンで I AM LEGEND を連想してしまうのですが。
単に一昨日 DVD を買ったってだけですが。
投稿者 もしもし : 2008年05月01日 22:46
>30人でも、0,0001パーセントね。
もう一桁くらい多い(300人)かな、という気がします。
医療関係者に事前に優先的にワクチン接種を行うとPhase3~4が一気に出来て、よいかもしれない。
最前線の医者は、リスクが0.1パーセントだったとしても接種を希望すると思いますね。
投稿者 ガメラ : 2008年05月10日 18:47










