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2008/02/28

イージス・ハンソン

事故から何日も経っているのに、このだじゃれを誰も言わないとは何事か。
絶望した。半村良にあやまれ。

ジャーナリストの田岡俊次さんが、そもそもなんで護衛艦に自動航法装置をつけるのか、といっていた。
なるほど。
護衛艦は、その性質上、そもそも単独行動することはほとんど無いはず。
自動航法装置の出番は基本的にはないはずで、また自動航法装置に頼ると、監視員とかもすることが無くなってかえって眠くなっちゃう。

田岡俊次さんは、なんだかなあと言うことも言う人ではあるが、なるほどあということも言う人。

今回の事件でオレが気になっているのは文民統制のことと、メディアスクラムによる批判の矛先の錯誤のこと。

メディアスクラムによる批判の矛先の錯誤とは、まあずっとまえから常に起きていて、ちゅうごくしょくひんこわいよって話もそれに属するし、倖田來未さんの話もそのバリエーション。

みんな、実情をたいして知りもしないのに、ほんとうはどうなのか調べようともせず、なんだか知らないけど腹を立てて、あらぬ方向を攻撃しまくるのが最近の風潮。

そういう傾向があると、炎上マーケティング的な手法でイヤンな人たちにイヤンな方向へ自由にコントロールされちゃうよ。ですからみなさん、腹を立てる前に、10数えて欲しい。
それと怒りっぽい人は、傷の治りも悪いみたいよ。

今回の報道でずっといわれていて気になるのは、情報が二転三転しているのは、防衛省は何かを隠そうとしているのだろうということと、大きな軍艦だから、そこのけそこのけと漁船にたいして傍若無人に振る舞ったのだろうという勘ぐり。

 ニュースを見ていると23日くらいから少しずつ言われはじめているけど、あたごはいまのところ海上保安庁によって取り調べられていて、全乗員が船の中に止められていて外部との連絡も取れない状況にある。

つまり防衛省は、どんなことがおきたか隊員に直接聞いて事情を把握することもできていない。情報がないのだから、防衛省からの発表が煮え切らないのは当然なわけね。

また、レーダー記録やGPSなど様々な装備のもとにこんなデータならあるはずだってなことすらなかなかいわないのは、軍がこれはあるはずだという事が、海上保安庁へのプレッシャーになることもあるから。

自衛隊はあんまりこわい感じしないから、ぴんとこない人もいるかもだけど、戦前の軍であれば、軍が何かを言えばそれは相当な力を持っていた。だから、そんなむかしのようなイメージの存在と解釈されることのないように、かなり抑制的になっているわけね。

だから、いま新聞やニュースに出て来ている内容は、防衛省の発表、海上保安庁の発表、海上保安庁に張り付いている記者が得た断片的な内容、識者の想像などで、それぞれには客観的な事実もあれば、見当違いの勘ぐりも含まれている。受け手は、そのあたりをよく吟味して見ていかないと。

(と、思っていたら、そうじゃなかったことが明るみに。24日の朝のNHKの番組で、石破さんは、今の時点であたごの乗組員とは一切接触していないと言い切ってたけど、実は事故当日にへりで呼びつけた航海長に直接会っていた。こりゃだめだ。明白に、国民に向かってウソをついたんだな。しかし、そんなことしても、誰にも何利益気もないのにね。不思議なことだ。)

あと、自衛隊は、憲法によって軍法会議ができないと規定されている、情報が得られずこんなことになっていると言う側面がある。

でも、これは良いことだと思う。それは文民統制にかなっている。

これも田岡さんの主張だけど、現代の軍に軍法会議は必要ない。また軍法会議が存在すると、軍内部の腐敗が隠蔽されてろくな事にならない。

軍法会議は、今みたいに交通も情報通信も発達していない大昔に、遠方の戦地において軍人が犯した犯罪を、いちいち本国に送り返して裁いていられないところからできた物らしい。

でも、現代においては、情報も移動も簡単にできるのだから、わざわざ軍法会議というような特別なものを設ける必然性はないし、仲間内で裁くようなものに健全性が保てるわけがない。

自民党の憲法草案には、軍法会議の復活が書いてあるらしいけど、それは全く時代を理解していない馬鹿げた物という事ね。

つまり、防衛省が今の段階で満足な情報を得られないのは、文民統制が利いているからといえる。

今の自衛隊、特に海上自衛隊には、かなり問題があることは様々な事件が起きていることから明白で、それは改善されなければならない。だけど、ただしく批判しないと、かえって問題を修正できなくしてしまいかねない。防衛省は何か隠してるとか横暴だってな情緒的な反応ばかりでは、世界を良い方向には変えていけないと思うんだけどなあ。

文民統制については、石破さんとこまで報告が1時間半もかかっているのはかなり問題。
情報は、通常、現場の武官(軍人)から文官(軍人)へと伝えられ、文官はなにを上に伝えるか判断して、最終的に文民である大臣(民間人)に伝えている。

でも、2004年、中国の原子力潜水艦が領海侵犯したとき、大臣への情報伝達に2時間以上かかったため、これを1時間以内にしろという通達があったのに守られなかった。

この事情はまだよくわからないけど、どうも文官のところで下から上に伝達するときに、上の人が、その情報は正しいのか?確認せよとか下に言うと、その確認だけで何十分もロスするかららしい。まあいかにも、間違うことだけを心底恐れる、役人らしい対応だけどね。

しかし、情報伝達がダメダメだってのは、満州事変みたいなデタラメなことが起きうる状況がそこにあるって事だ。

石破さんは前々から、文民統制の重要性を説いてきた理論派で、軍事という小さな範囲についてはわりと信用できる印象がある。まあ、直ちにクビを切れという人もいるけど、与党も野党もおおむね、石破さんを今クビにしたら、直せる物も直らないからあんまりやめろやめろとは言わないふいんきにはなっとりますが。(これも、ここまではっきりウソついたことがわかっちゃったら、如何に余人を以て変えられない人でも、まかせるわけにはいかないよなあ)

石破さんは、古典的なスタイルを貫くだろうから、一通り改善ができたと満足したら、辞任するはらではいるでしょうね。まあ、でもそれができる前に政権が変わっちゃう可能性も大だけど。

軍事という小さな問題という意味は、たとえばミサイル防衛はやらなきゃいけないと言っていることね。ミサイル防衛は、軍事という観点から見ると、やるべきことに見えなくもないところはある。

でも、国全体の費用対効果という観点からは、金がかかりすぎる。

そもそも張り子の虎なんで、そんなものに最低でも何十兆円で、今後いくら増えるか上限はないってものに賛成はできない。

平和憲法を持つ日本なのだから、同じ金額をかけるなら、高度な外交力を持った人材を多数育てて、ミサイル防衛など使う状況を作らせないようにするというのが、王道のはず。いかに外交ベタな日本人とはいえ、数十兆円をぶち込めば、そういう人材は作れるんではないかなあ

最終更新時間 2008年02月28日 14:58

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外交員って要は国の営業マンかと思いますが、
担保の無い交渉なんて限界がありませんか?

投稿者 Anonymous : 2008年02月28日 22:18

近年メディアに蔓延する処罰感情の高まりについては、うんざりすることが多いですね。イージス艦の事故はまあ自衛隊だし、隠蔽もあったし、民間に被害も出たし、ってことで仕方のない気もするんですが…。それでも、「国民は」「国民からは」を枕詞に語られる記者、解説者(ついでに野党も)の罵詈雑言の嵐につい、
「国民つくってんじゃねーよ」
なんて文句の一つも言いたくなります。

実際見たことはないんですが、学生運動華やかなりし頃のセクトの集会ってこんな感じだったんじゃないんでしょうか。
「自己批判せよ!」
と口々に叫びながら人を責め立て、内ゲバに至って殺人まで犯しながら、結局彼らを駆り立てていたのは「人を責めている間だけは確実に自分は責められない」という逃避のロジックだった、なんて。ネット言説はメディアを記者の個人名まで挙げて非難しますからね。

「罪無き者から石を投げよ、とキリストは言われた。すると人々は次々に石を投げ始めた。お前たちは自らの罪を自覚しないのか、とキリストはお怒りになられた。すると一人が答えた。私の罪は他のものよりも軽い。だから私が真っ先に投げるべきだ。いや私の方が軽いとみな我先に石を投げたので、姦淫した女は石に埋もれて死んだ。」


く、暗い…。あ、毎度の長文すみません。

投稿者 もりのひと : 2008年02月29日 11:30

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