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2007/12/02

象徴兵器・コロニー落とし

 いやあ、ついにやってまいりましたね。あの1999年7の月が。ひょっとすると、もう世界は滅びてて、このコラムを読んでくれる人もいないかも。うーん、そんなわけないか。

 それにしても、今どき世界を滅ぼそうとしても、そうは簡単にはいきませんな。ソ連が崩壊する以前なら、世界全面核戦争なんてシナリオがあり得たんだけど、今ではそれはちょっと無理。もちろん、核兵器が使用される可能性はあるものの、昔みたいに地球を2000回も焼き払える核の撃ち合いなんて、事実上あり得なくなっている。熱狂的な滅亡ファンの人には、ちょっとガッカリかもしれない。

 まあ、あえてあげるなら、地球に小天体が衝突するというのが、今のところ世界を滅ぼすいちばんリアリティのある話になる。

 今からおよそ6500万年前、直径10キロほどの小天体がユカタン半島付近に衝突し、それがきっかけで、恐竜は絶滅への道を歩むことになった。それと同じ事が、我々人類に起きても、基本的に不思議じゃない。

 ただ、直径が1キロ以上もあって地球に接近してくるような天体は、ほぼ軌道がわかっているし、衝突するとしても突然やってくることはない。何十年か前には、軌道から予測できるので、本気で世界が協力すれば、こういう天体の衝突は防げるだろう。

 もっとも、直径数十メートル以下の天体だと小さくて見つけにくいから、場合によっては発見から数日で地球に衝突ということもある。ちなみに1908年にシベリアのツングースカ隕石は、直径100 キロの森林をなぎ倒しているけれど、この大きさがほぼ60メートルだ。破壊力はTNT 火薬20メガトンほどで、日本に落ちた原爆の1000倍にあたるから、当たり所によっては被害は大きいだろう。

 ところでガンダムワールドでは、これとよく似た恐ろしい事件が何度も起きている。そう、あのコロニー落としだ。

 最初のコロニー落としは、ジオン公国が独立を目指したブリティッシュ作戦で、この時は、地球連邦政府の軍事的拠点であったジャブロー(南アメリカ大陸)の破壊を狙って、サイド2のコロニーの1基が落とされた。ただ、途中で崩壊したコロニーは数個の塊となって落下し、これによってオーストラリア大陸の3分の1、北米アメリカ大陸の4分の1が潰滅したという。この時の戦闘で、全宇宙の人口の半分にあたる50億が死んだというけど、うーん、そんなすごい戦争ってあり得るのかね。ちなみに、第二次世界大戦の死者は、およそ6000万人で、これは当時の人口の3パーセント未満だった。

 このほか、0083で1個、ZZで1個落とされ、さらに逆シャアではフィフスムーンという小振りの天体が落とされている。より大きなアクシズの落下は回避されたけれど、こんなにバカスカ色々落として、良く地球は無事にすんでいるね。……というわけで、実際コロニー落としの破壊力はどれくらいにか、ちょっと計算してみよう。

 これは、コロニーが地球に衝突するときの運動エネルギーを計算すればいい。つまり、衝突するコロニーの質量に、衝突速度の自乗をかけて、2で割れば導ける。

 まず島3号タイプのコロニーは、質量が3000万トン、つまり、3×10の10乗キログラムくらいだ。次に衝突速度はどれくらいかというと、最低でも第一宇宙速度の秒速7.9 キロメートルより大きく、最大でも第2宇宙速度の秒速11.2キロメートル未満になる。

 そこで、秒速11.2キロでの運動エネルギーを計算してやると1.88×10の18乗ジュール、つまり4.5 ×10の17乗カロリーになる。これを爆弾の爆発力に換算すると、TNT 1メガトンが4×10の15乗カロリーなので、112.5 メガトンってところだ。

 これはツングースカ隕石よりもエネルギー規模が大きいから、当たり所によって、世界にそこそこのダメージを与えるかもしれない。

 ただ、コロニーは直径5キロ、長さ30キロのドラム缶みたいなものだから、こういうスカスカのものがぶつかった時、どんなことが起きるかは、ちょっと解らない。大きさ的には直径でさえ富士山よりデカいけど、壁の厚みは10メートルくらいだろうから、案外、大気の上の方で燃え尽きてしまう可能性もある。
(直径10メートルの天体なら、秒速20キロでも大気で燃え尽きて地上に影響はない)また、広い範囲の大気で燃えるとしたら、エネルギー密度も小さくなる可能性もある。もちろん、これだけのエネルギーが大気中に放出されるんだから、地球の大気のダイナミズムになにがしかの影響を与えて、気象がしばらくヘンになるというようなことはあるかもしれないけれど、直接的に地上が爆破されるほどではないかもしれない。また、この程度のエネルギーでは、核の冬にはならないしね。

 こうしてみると、コロニー落としって、苦労の割に破壊力に乏しい攻撃法じゃないかと思う。それなのに、なぜ宇宙世紀の人々は、これをそれほど畏れるのだろうか。

 これは現代の核兵器に対する感じかたに近いのかもしれない。核兵器は恐ろしい。が、それはある意味で象徴的な恐ろしさだ。現代の核兵器は、大きいもので1メガトンくらいだけど、これだって使い道がほとんどないので、いまではサブキロトン級のものが大半だ。(大きいと、重くてミサイルの命中精度が落ち威力が無駄になる)単純に破壊力でいうなら、気化爆弾のほうが大きかったりする。でも、「核」という言葉がつくと、破壊力の絶対値よりも、遙かに大きな意味がそこに現れる。それと同じで、コロニー落としも、使用されてはならない象徴兵器なんだろう。

 ただし、逆シャアのアクシズ落としは、それとは意味が違う。何しろアクシズは、内部までミがみっしりつまった小惑星だから、めちゃくちゃ重いはず。大きさを知らないので何ともいえないけれど、直径1キロとすると10万メガトン級にはなる。これだと1~5年間は世界平均気温は0度以下になるし、人類が滅ばなくても地上文明は壊滅するだろう。
 つまり、シャアの小惑星落としは、ホントにホントの危険な攻撃だったわけだ。

最終更新時間 2007年12月02日 00:03

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はじめまして。
以下、ちょっと気になりましたので。

フィフスムーン:×
フィフスルナ:○

ちっちゃいことですけど;;

投稿者 え~と : 2007年12月06日 12:53

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