遺伝子の情報量は少なすぎる
人間のゲノムの大きさは30億塩基対。
DNAは、A(アデニン)T(チミン)G(グアニン)C(シトシン)の4種類の記号が30億文字つらなったものだ。
つまり、その全情報量は、4の30億乗=2の60億乗=60億ビットだ。
60億ビットとは、つまりたったの750メガバイトに過ぎない。
2時間の映画が記録できるDVDの記憶容量は4.7ギガバイトだから、その中に6人分の全遺伝情報を書き込める。
これは我々が、絶望的なほど、何もわかっていないことの決定的な証拠だ。
我々は、750メガバイトの情報量のプログラムを書くことで、人間と全く同じ複雑さを持つロボットを作ることができるだろうか。
ありえない。そんなことは、想像を絶している。
DNAの情報は、メッセンジャーRNAにコピーされ、それが細胞の全活動につながっていく。
RNA は化学的に不安定なので、そのまま配列を決定するのは難しい。そこで、メッセンジャーRNA の配列に、相補的なDNA を作って(それをcDNAという)、それをカタログ化しているのが「RNA 新大陸」の研究だ。
このcDNAの平均的なサイズは、3000bp。
情報量は4の3000乗=2の6000乗=6000ビット=750バイト。
漢字1文字が2バイトなので、この情報量は400字詰め原稿用紙1枚に満たない。
一つの細胞内で、このようなRNA分子は900万個くらい存在しているらしい。
きちんとした資料が見つからなかったのだけど、細胞核の内部を3000bpのRNA 分子でいっぱいに満たしたときの個数を計算すると、だいたいそのオーダーなので、まあまあ正しような気もする。
このRNA を単機能のロボットだと考えよう。
そのロボットは、原稿用紙1枚分の情報量で作られている。
そしてそれが、1000万個ほど活動している。
これはスウォーム・インテリジェンス(群知能)といえるかもしれない。
シロアリたちが、牧畜や農耕をするように、我々が文明を作れるように、スウォーム・インテリジェンスは、個体の能力からは想像もつかないほど複雑な存在となり得る。
しかし、我々は、このようなスウォーム・インテリジェンスを設計する方法について、ほとんど何も知らないに等しい。
さらに驚くのは、このRNA 分子の寿命は平均で5分ほどしかないことだ。つまり、これらのロボットは、5分以内に仕事を終え、分解されていくのだ。
エリック・ドレクスラーのいうアセンブラのようなナノマシンを考えている人たちは、この圧倒的な事実に対して、どう感じるのだろうか。
最終更新時間 2006年05月01日 00:17
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ウイルスを除く既知の生物の中で、もっともゲノムサイズが小さいのは2002年に見つかったNanoarchaeum equitans という古細菌の一種で、大きさは400nmとかなり小さい。ゲノムサイズは50万bpで、つまり500 キロビット=63キロバイト。400字詰め原稿用紙で80枚未満つーことね。
投稿者 鹿野 司 : 2006年05月01日 00:45
50万bpだと1000キロビットでは?
1bp=2bitですから。
投稿者 匿名切望 : 2006年05月08日 01:16
あれれ、ホントだ。(´・ω・`)
400字詰め原稿用紙156.25枚相当でした。
ついでに、
136bpの生物、もしくは遺伝子があればhaiku
248bpの生物、もしくは遺伝子があればtanka
と名付けると良いかも。
投稿者 鹿野 司 : 2006年05月08日 13:28
市販のプログラムの容量の大半が画像と音声です。たいていのプログラムはそれを除けば(その他のデータを含めても)1Mもありません。
現在のプログラムはフェイルセーフであるため、そのコードがたくさんあるのでその辺を取り除けば 10k もあればちょっとしたプログラムが書けます。
例えば http://osask.jp/download2.html(小さいOSを書くことを目標としていて50kで OS が出来ています。10k程度でアプリケーションが作れます。その細菌と大体一緒ですよね。)
と、考えるととっても多くありませんか。750Mって。
ゲノムが分かれば人が分かる、とは思えないとか、人の構造があんまり分かってないことなどに関しては同意します。
投稿者 白のカピバラ : 2006年06月12日 05:50









